愛知県一宮市の青葦【あおい】治療院・整体院
加藤の友人が原因不明の病気になったことがありました。
『精密検査をしてもはっきりしない』とのことでしたが、彼の症状から推測される病名は
脳髄液減少症(低髄液圧症)
でした。
加藤も治療をさせていただきましたが、その中で調べたこと、分かったことをまとめてみます。
▼△ 脳髄液減少症(低髄液圧症)とは ▽▲
脳髄液減少症(低髄液圧症)は
・なんらかの原因で脳脊髄液が減少する
といった明確に表現できないもので、その原因は
・交通事故や頭部を強く打つこと、腰椎穿刺、脱水、もしくは原因不明
となっています。

脳脊髄液とは、頭蓋骨と脳の間と脊柱管と脊髄の間を流れる液体。
脳と脊髄を頭蓋骨と脊柱管の中に浮かべている。
外部からの衝撃吸収や栄養補給などの役割を持つ。
脳脊髄液が減少した結果、様々な症状を引き起こすということです。
▼△ 脳髄液減少症(低髄液圧症)の症状 ▽▲
脳髄液減少症(低髄液圧症)の症状は
・起立性頭痛
・頸部痛
・肩こり
・聴覚異常
・吐き気
・めまい
・全身のだるさ
・神経の異常(身体が思い通り動かないなど)
・自律神経の異常
などで、多種多様な症状をもたらします。
ちなみに加藤の友人の症状は、
・起立性頭痛、めまい
・頸部痛、肩こり
・左腕、左脚の弛緩性麻痺(初期に出た症状)
・全身のだるさ
・右膝の痛み(歩行などの荷重時)
でした。
▼△ 脳髄液減少症(低髄液圧症)の治療法 ▽▲
脳髄液減少症(低髄液圧症)の 完全な治療法は、今現在ありません。
その中で出来ることは、
・保存療法(安静、水分補給)
・ブラッドパッチ(自分の血液を使って脳脊髄液が漏れている場所を固めてふさぐ)
などです。
原因がはっきりしない病気なので、様子を見ながらの治療になります。
▼△ 脳髄液減少症(低髄液圧症)への考察 ▽▲
原因がはっきりしないとしても、セラピストとして出来ることは何かを考えていきます。
身体の機能面(関節運動や姿勢、動作など)におけるアプローチや、東洋医学的なアプローチなど、原因不明であっても出来ることはたくさんあります。
そして、脳脊髄液減少症に調べているうちに一つの可能性をみつけました。
それは、
・脊柱のS字カーブがキレイに作られていると、頭蓋骨・脊柱管内の脳・脊髄が安定する
といったものです。
つまり、脊柱のSカーブがうまく作れていれば脳と脊髄の収まりがよくなり、脳脊髄液減少症の症状も治まるのでは?、ということです。
▼△ 脳脊髄液の減少と脳・脊髄の関係 ▽▲
もう少し詳しく説明していきます。
脳脊髄液減少症の症状が引き起こされるのは、
脳脊髄液が減少した結果、脳・脊髄が頭蓋骨・脊柱管の中でうまく収まった状態で浮かんでいられなから
です。
例えば、頭蓋骨内で脳が下垂して、脳の下部が頭蓋骨内の底と間で圧迫された場合、脳そのものへの過度なストレスと頭蓋骨内の膜組織への過度なストレスが加わります。
それが結果的に症状を引き起こす、といったようなことが推測されますす。
脳脊髄液の減少→脳・脊髄が本来の場所からずれる(収まりが悪くなる)→脳・脊髄へのストレスが強くなる→症状が出る
です。
▼△ 脊骨のカーブと脳・脊髄の関係 ▽▲
それに気づいた時、脳脊髄液を補ったり、脳脊髄液が漏れる場所を塞いだり、手を尽くしても変化がない場合でも、セラピストでも出来ることが見つかりました。
それが、
脊柱のS字カーブをキレイ(解剖生理学的に正常範囲)にする
ということでした。
では、脊柱のS字カーブを作ることが脳・脊髄に一体どんな影響をもたらすのか。
実は、
脊柱が屈曲(前屈)すると脳・脊髄が下に向かって引っ張られるストレスが強くなる
といったことがあるようなのです。
脊柱のカーブで本来伸展(後屈)している部分(頸部と腰部)が屈曲していると、脳・脊髄が下へ引っ張られるストレスが強くなり、頭蓋骨との間の圧迫が強くなったり、通常より伸ばされてしまいます。
この状況が脳脊髄液減少症の症状を引き起こす、または悪化させる可能性があるんです。
そして、加藤の友人は『フラットバック』といって、脊柱が真っすくに近い状態でした。
つまり、頸部と腰部が本来の伸展から屈曲しているということです。
それを観察して、脳・脊髄に過度なストレスがかかっているのでは?、といった推測をし、
『フラットバック』から『S字カーブ』に修正する
ことで脳脊髄液減少症が改善する可能性があるのでは、と考えました。
ということで、治療においては脊柱のS字カーブを作ることに重点を置いて進めてみました。
Cat&Dogなどのセルフケアも指導しました。
仮に病気や症状が原因不明であっても出来ることはある…、改めてそう思わせてくれる一件でした。
ちなみにその後、加藤の友人は症状が軽快しました。