患者さんの「自己診断」を放置しないほうが良い理由

患者さんの「自己診断」を放置しないほうが良い理由 | 一宮市の鍼灸院なら青葦(あおい)治療院|頭痛・薄毛・自律神経(原因不明)の不調 鍼灸治療のすゝめ

『患者さんの言葉を否定せざるを得ない』

サービス業の一面が却って患者さんに損をさせる

一宮市の鍼灸院、青葦(あおい)治療院です。

インターネットが普及し、誰でも手軽に情報が得られる現代、体調が悪い時に自分で症状を調べ、「自分は〇〇ではないか」と自己診断をしてから来院される患者さんは少なくありません。

ご自身の身体のことを心配し、知識を得ようとする姿勢は、素晴らしいことです。

しかし、日々の臨床現場で患者さんと向き合っていると、その自己診断が医学的に妥当なケースは、実際のところほぼ存在しない、と感じています。

今回は、なぜ当院が患者さんの自己診断をあえて否定し、見直す姿勢をとるのか、その理由と身体の仕組みを解説します。

埋めることのできない「プロの見立て」との差

もちろん、私たちの見立てが常に完璧で、100%正しいと申し上げるつもりはありません。

しかし、医師やセラピストがこれまでに費やしてきた、何千時間、何万時間という膨大な学習と臨床経験に基づく見立ては、患者さんの自己診断よりはるかに妥当であり、改善への可能性が高いことは事実です。

そうなると、患者さんの症状を真に改善させるためには、時に患者さんが持ってきた自己診断を否定せざるを得ない場面が出てきます。

「あなたは間違っています」と、はっきり、あるいは暗に伝えることは、サービス業の観点からすれば望ましいことではないかもしれません。

接客やマーケティングの教科書には「お客様を否定してはいけない」とあるでしょう。

それでも当院では、妥当ではない自己診断は、あえて指摘し、見直すことにしています。

それには、患者さんを守るための非常に重要な理由があるからです。

自己診断の放置が招く3つのリスク

患者さんの間違った自己診断を放置したまま、その判断に合わせて施術を行うと、以下のような誰も得しない(win-winにならない)状況が生まれます。

1. 症状が改善する可能性が低い

理由は単純です。

間違った前提に基づいて、どんなに素晴らしい施術を行っても、根本的な解決には至らないからです。

患者さんは「良くなりたい」という思いで来院されているのに、その目的を達成できなくなってしまいます。

2. 良くならなかった場合、誤解と不信感を生む

仮に、患者さんの自己診断に合わせて施術を行い、結果的に良くならなかったとします。

この場合、患者さんはどう感じるでしょうか。

「自分の診断は間違っていないはずだ」という前提があれば、「この院の施術が悪かった」とみなされてしまいます。

しかし、本当の原因は、そもそもの診断(前提)が間違っていたことにあるのです。

これでは、正しいフィードバックができず、適切な治療へと方向転換することが難しくなります。

3. ドクターショッピングの泥沼へはまってしまう

当院で良くならず、「ここは合わなかった」と院を変えたとしても、患者さん自身の中にある「間違った自己診断」が変わらなければ、また同じことの繰り返しです。

「自分の自己診断に合わせた施術」をしてくれる院を探し続け、院を転々とすることになります。

症状は改善せず、時間と費用だけが浪費され、患者さんは疲弊し、鍼灸院の評価も下がるという、誰も得しない状況になります。

具体例:超主観的な「自律神経の乱れ」の自己診断

例えば、「自律神経が乱れている。それを整えれば治る」という自己診断は、その判断に合わせると非常に泥沼になりがちです。

そもそも、自律神経の乱れ自体を、患者さん自身が正確に知覚したり、把握したりすることはできません。

さらに、仮に自律神経が整ったとしても、そのこと自体を知覚することはできないのです。

「体調が悪ければ自律神経が乱れている」「良くなったら整った」という、結果論に基づく超主観的な判断をされると、そもそもの自己診断が妥当だったかも定かではないし、それに合わせた施術が妥当だったかも定かにできなくなります。

成功体験が「将来的な呪縛」になるリスク

さらに危険なのは、仮に間違った前提で施術を行い、たまたま体調が良くなってしまった場合です。

これは患者さんにとって大きな成功体験になってしまいます。

自己診断が正しかろうか間違っていようが、患者さんの中では「自分の診断で良くなった」という絶対的な事実となってしまいます。

そうなると、仮にその診断が医学的に妥当でなかった場合、後からどれだけ丁寧に説明しても、受け入れられなくなる可能性があります。

その成功体験は、多くの場合で、患者さん自身の身体の認識を歪め、将来的な回復を妨げる脚を引っ張ることになります。

まとめ:真の健康のために、プロの視点を信頼して

このように、当院が患者さんの自己診断をあえて指摘するのは、意地悪や権威主義からではありません。

間違った前提でドクターショッピングの泥沼にはまり、いつまでも改善しない未来から患者さんを守るためです。

そして、プロとして、身体の生理的なエラー(血流低下・神経の過緊張など)を正しくリセットし、快適な毎日を取り戻すお手伝いをするためです。

身体に何が起きているのか、その妥当な答えは、 インターネットの情報だけでなく、プロの手が触れることで得られる情報の中にあります。

身体本来が持つ「自然治癒力」を信じ、邪魔な緊張や滞りを取り除くケアを行うためにも、ぜひご自身の判断だけでなく、プロの視点を信頼してご相談いただければと思います。

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