鍼灸治療のエビデンスを探す

『鍼灸にもエビデンスはある』

鍼灸治療のエビデンス

一宮で鍼灸院をお探しの方、青葦治療院・整体院の加藤です。

エビデンス(統計的に効果的と認められているということ)がほとんどない鍼灸治療ですが、全く無いわけではありません。

エビデンスレベル(そのエビデンスの信頼性)が低いものであれば、論文はいくつか存在しています。

ですが、論文に圧倒的に多いのが

・効果がある可能性がある

・今後の研究に期待したい

・有効だと示唆されている

といったような、『有効である』と明言しない結論の論文(実験結果)です。

そんな鍼灸治療の中でも、エビデンスがあるという部分を見つけ出す際に、利用している(利用してほしい)のが

・コクランライブラリー

です。

海外のサイトになりますが、簡単に言うと

・論文の論文(同じカテゴリーのいくつかの論文を分析して統計結果を出した論文)

を紹介してくれるサイトになっておりまして、その信頼性は

・エビデンスに基づく医療(EBM)において、国際的に最高水準であると認められている

とされているので、私たちも患者さんも信用していい内容になっています。

コクランライブラリーの鍼灸

※コクランライブラリーは、英語表記になっていますので、日本語に翻訳してください。基本的には自動的に翻訳されますが。

頭痛の鍼灸治療

まずは

・緊張性頭痛の予防のための鍼灸治療

の論文から見てみます。

検索の仕方は、ページ右上にあたりにある検索窓に

『鍼灸治療 頭痛』

と入力すれば上位表示されると思います。

・緊張性頭痛の予防のための鍼灸治療

のページを事細かに読んでいただいても良いのですが、手間に感じる方がほとんどだと思います。

ですので、読むべきポイントを紹介すると、ページを下にスクロールした時に出てくる

・【主な結果】の結論の部分

・【著者の結論】

になります。

結論だけ見るだけでも十分かもしれません。

緊張性頭痛の論文の結論を見てみると

『得られた結果から、鍼治療は頻発性または慢性の緊張型頭痛の治療に有効であることが示唆されているが、特に鍼治療と他の治療法とを比較するさらなる試験が必要である。』

となっています。

その上の辺りには

『鍼治療は、低~中等度の質(バイアスリスクが高い)の4件の試験で理学療法、マッサージ、または運動と比較されましたが、研究結果は適切に報告されていませんでした。鍼治療の有意な優位性を示した試験はなく、一部のアウトカム(実験結果)では比較療法がわずかに優れている結果となりました。これらの試験では、副作用により脱落した参加者数や副作用を報告した参加者数は報告されていませんでした。

全体的に、GRADE を使用して評価されたエビデンスの質は中程度または低く、主に盲検化の欠如と効果サイズの変動により評価が下がりました。』

と表記してあります。

ポイントとなる部分にマーカーを引いてありますが、どうでしょうか。

有効であると示唆されているものの、エビデンスレベルとしては低い

という結論になっています。

かなり曖昧ですが、鍼灸治療のエビデンスの中では正直マシな結論だと思います。

これが鍼灸治療のエビデンスの現状です。

可能性はあるが、まだまだ未知。

よく言えば、希望はある、ということです。

専門用語の解説

『バイアスリスクとは?』

簡単に言うと、

『ある特定の方向に偏った見方や考え方をしてしまう危険性』

のことです。

例えば、皆さんが何か新しいことを判断したり、過去の出来事を思い出したりするとき、完全に客観的に、何の偏りもなく行うのは難しいですよね。

無意識のうちに、自分の経験や信じていること、周りの意見などに影響を受けてしまうことがあります。

この『無意識の偏り』が、判断や結論を歪めてしまう可能性のことを

『バイアスリスク』

と呼びます。

日常生活での例え話

例えば、友達との待ち合わせの場面をイメージしてください。

いつも遅刻してくる友達がいたとします。

『どうせ今回も遅れてくるだろう』

と思ってしまうのは、過去の経験によるバイアスです。

もしかしたら今回は時間通りに来るかもしれません。

でも、『無意識の偏り』が、そう思わせない可能性は十分にあります。

ニュースの見方

例えば、自分が支持する政党の良いニュースばかり信じてしまい、批判的なニュースをあまり見ようとしないのは、自分の意見に合致する情報を重視するバイアスです。

商品の評価

有名な人が『すごく良い!』と言っていた商品があると、

『きっと良いものに違いない』

と思ってしまうのは、権威へのバイアスです。

実際に自分に合うかどうかは別かもしれません。

論文における『バイアスリスク』

研究論文では、研究の進め方や結果の解釈において、様々なバイアスが入り込む可能性があります。

研究者が意図的に偏らせることはもちろん、無意識のうちに偏ってしまうこともあります。

例えば、

・特定の治療法を支持する研究者が、その治療法の効果を高く評価するような結果が出やすい研究デザインにしてしまう(研究デザインのバイアス)

・都合の良いデータだけを取り上げて、都合の悪いデータは見過ごしてしまう(選択バイアス)

・過去の出来事を思い出す際に、自分の都合の良いように記憶を歪めてしまう(回想バイアス)

論文を読む側としては、この『バイアスリスク』を考慮しながら、研究の結果を鵜呑みにするのではなく、

『この研究には、こういう偏りが含まれている可能性があるかもしれない』

という視点を持つことが大切になります。

まとめると

『バイアスリスク』とは、私たちの判断や研究結果が、無意識の偏りによって歪んでしまう危険性のことです。

日常生活でも研究の世界でも、完全に客観的であることは難しいため、常にこのリスクを意識することが重要になります。


『盲検化とは?』

例えるなら、

・『誰が誰だかわからないようにして、公平な目で判断する』ための工夫

です。

想像してみてください。

あなたが新しいお菓子Aと、今までのお菓子Bのどちらがおいしいかを判断するとします。

もし、あなたが

『これが新しいお菓子Aですよ』

『こっちは今までのお菓子Bですよ』

と事前に教えられていたらどうでしょうか?

『新しい』という言葉に期待して、Aを実際よりおいしく感じてしまうかもしれません。

あるいは、『今までのお菓子Bはもう飽きたな』と思って、Aに有利な判断をしてしまうかもしれません。

このように、事前に情報があると、判断する人の気持ちや先入観が結果に影響してしまう可能性があります。

そこで、

『盲検化』

という方法を使います。

盲検化とは、

・『誰が誰だかわからない状態』を作り出すこと

です。

お菓子の例で言うと、あなた(評価する人)には、どちらが新しいお菓子Aで、どちらが今までのお菓子Bかは知らされません。

例えば、区別がつかないように同じ形や色にして、単に『お菓子1』『お菓子2』として提示されます。

こうすることで、あなたは先入観なしに、純粋に味だけでどちらがおいしいかを判断できるようになります。

論文における『盲検化』

医学や心理学などの論文では、新しい薬や治療法の効果を調べることがよくあります。

この時、

・患者さん:『自分が新しい薬をもらっているのか、偽の薬(プラセボ)をもらっているのか』を知らない状態にする

・お医者さんや研究者:『どの患者さんが新しい薬をもらっていて、どの患者さんが偽の薬をもらっているのか』を知らない状態にする

といったような形にすることで、

・患者さんの『良くなった気がする』という気持ち(プラセボ効果)が、薬の効果と混ざってしまうのを防ぐ

・お医者さんや研究者の『新しい薬が効いてほしい』という期待が、患者さんの状態の観察に影響してしまうのを防ぐ

ことができます。

つまり、盲検化は、

・実験や調査の結果をより客観的で信頼できるものにする

ための、とても大切な方法なのです。

『誰が誰だかわからないようにする』ことで、公平な判断を下し、真実を見極めようとする工夫、と覚えておくと良いと思います。

偏頭痛の鍼灸治療

・偏頭痛発作の予防のための鍼灸治療

 

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