『持論、推論を多く含みます』
少しマニアックなお話
興味のある方はご一読ください。
ここでは
・身体が凝る=身体(関節)が固まる
と一旦定義して、身体が凝ることにもメリットがあるというお話をしていきます。
身体が凝ると聞くと悪いイメージしか湧かないと思いますが、メリットも実はあります。
例えば、ミリ単位、またはそれ以上に細かい単位での正確性が求められる職人さんの作業などでは、身体が凝っているほうが実は正確性は高まります。
ある作業をする際の、ある動作を行う場合、その動作を作る身体の関節の動きを数字で表すとします。
身体の関節はいくつもあるので、『10』の動きをする必要があるのであれば
・A+B+C+D+E+F+G+H=10
というように表現できます(あくまで仮定の話です)。
A~Hの8個の変数があるため、10になるパターンはたくさんあります。
つまり、身体の関節の動きのパターンもたくさんあるということです。
そして、身体の動きのトータルを10にするために、それぞれの関節の動きを調整して10にする必要があるので、その調整は難しくなります。
ところが、身体が凝っていて関節が固まり、動きが無くなってしまった関節があるとどうなるでしょうか。
例えば、C=0、D=0、E=0、F=0、G=0、H=0というふうに関節が固まっていると
・A+B+0+0+0+0+0+0=10
となり、その場合はAとBの関節の動きを調整するだけで良くなります。
調整が簡単になる分、動きの正確性は高まるんですね。
これは状況によっては十分なメリットになり得ます。
患者さんを見ていても、細かい作業をする方の身体は固まっていることが多いのですが、その理由の一つが身体を固めるメリットだとも考えられます。
とはいえ、健康的な生活を送る上では、身体が固まっていないに越したことはないので、デメリットのほうが大きいとは思います。
ただ、メリットもあると理解しておいたほうが時には優位に働くということも重要なポイントだと思います。
病院や鍼灸院、整体院あるあるなのですが、患者さんの中には
・(患者さんの)自己診断を正しいと言って欲しい
という方が少なくありません。
例えば、
・患者さん『自律神経が乱れていると思って来たんですが…(合ってますよね?)』
・先生『そうですね、確かに自律神経が乱れてますね』
というような感じです。
患者さんの立場になって想像すると
・自分の考えが合っていると安心する
といった心理状態かと思いますが、正直にお話させていただくと、それは患者さんが損をする考え方だと思います。
分かりやすいので病院の先生を例に、患者さんの立場と比較してみると
【 比較表 】 | 医者 | 患者 |
---|---|---|
医学的知識 | 多い | 少ない |
身体の観察経験 | 多い | 少ないor無い |
視点 | 客観的 | 主観的(になりがち) |
といった形におおよそなります。
この比較表を見て、お医者さんと患者さんの判断の妥当性を判断するなら
・お医者さんの判断のほうが妥当である
となるのではないでしょうか(絶対に、とは言えませんが)。
そうなると、
・(患者さんの)自己診断を正しいと言って欲しい
と考えて病院に行かれるのは少し危険な気がします。
そういった考えでお医者さんと向き合うと
『自分の自己診断に賛同してくれないから良い先生ではないかも?』
となってしまい、より妥当なことを伝えてくれているにも関わらず『良い先生ではない』と評価してしまう可能性が出てきます。
そういった現象は、鍼灸院や整体院でも起こり得ます。
私たち医療従事者に対して、その判断などに不安を感じてしまうことは仕方のないことだと思いますが、だからといって自己判断を過信することは危険ですしもったいないことだと思います。
患者さんの自己診断とは違っても、より良い判断や提案をしてくれるお医者さんを始めとした医療従事者の方はいらっしゃいますので、拒否反応を抑えて冷静に話を聞いていただくほうが患者さんにとってメリットがあるのではないかと思います。
『病は気から』という言葉は、よく使われますが、その言葉は
・気持ちが弱ると病気になる
と解釈することがほとんどだと思います。
ですが、私はその解釈は妥当ではないと考えています。
というのも、東洋医学の整体観は
・気の流れが整うことで病気が良くなる
なのですが、逆に考えると
・気の流れが悪くなることで病気になる
となります。
つまり、『病は気から』ということです。
『病は気から』という言葉は、実はそういう意味合いなのだと思っています。
実際には、東洋医学における『気の流れ』の『気』には、『気持ち』の概念も入ってくるのですが、『病は気から』は『気の流れが悪くなると病気になる』という意味合いのほうがしっくりきます。
正直、気持ちが弱ると病になるということだと、
『病になるのは気持ちが弱い証拠だ』
みたいな暴論が出てきそうで、個人的には嫌いな言葉でした。
気の流れが悪くなって(乱れて)、病気になるのであれば納得です。
病気になりたいくない、と考えるのであれば、気持ちの強さに頼ろうとせず身体の状態に注力してケアすることが大切です。
また、気持ちの弱さについて考えるなら、『気が病むのは身体から』だと思っています。
・気持ちが弱くなるのは身体が弱っているから
ということです。
風邪をひいて身体が怠かったり、痛かったりすると、弱気になってたり落ち込んだりした経験がある方は多いと思います。
身体の不調に心が引っ張られてしまっているんですね。
もし『自分の気持ちは弱いんじゃないか』と悩んでいる方がいたら、私は『まずは身体をもっと元気にしましょう』とアドバイスしています。
気持ち、メンタルの強さに対する価値観は、社会的には中々に厳しいものがありますが、気持ちやメンタルのことは一旦置いておいて、もっと身体自体を大切に、労わってあげましょう。
治療において、傾聴やカウンセリングなど、患者さん話を聞くことは大切であると言われていますし、患者さんからしても話をしっかり聞いてほしいというニーズはあると思います。
確かに話をしっかり聞くことは大切なのですが、『なぜ大切なのか?』の理由についてはあまり深く考えたことがないのではないでしょうか。
結論からお話しすると、
・治療のヒント(原因)を見つけるために
話を聞くことが大切なんですね。
そこがブレてしまうと本末転倒です。
ブレてしまうとどうなるかというと
・患者さんの話したいことを全部話してもらう
といった状況になってしまいます。
患者さんは全部話して気持ちがスッキリするかもしれませんが、患者さんが来院する目的は
・身体の不調を治すこと
であり、気持ちをスッキリさせることではありません。
気持ちがスッキリするのは、体調が良くなればこそ、でもあります。
また、患者さん自身も話すことに集中してしまい、こちらがお話しする身体状況などの説明が頭に入りにくくなってしまいます。
加えて、予約された時間、施術に使える時間は決まっています。
話をすることに集中しすぎると、その時間が長くなってしまい、実際に施術を行う時間がどんどん減っていってしまいます。
『それでもいい』と言われるのであれば、予約された時間をそう使っていただいても良いのですが、多くの患者さんにとって、それは望ましくない状況だと思います。
最後にしっかりとお伝えしておきたいのは、決して『患者さんの話を聞くのはムダである』、『話をして気持ちがスッキリしても意味がない』ということを主張したいわけではありませんので、誤解のないようお願いいたします。
美容鍼灸や姿勢改善などの施術効果を見せるために
・ビフォーアフター
の画像を載せることはよくあるのですが、まずはその比較画像をしっかりと疑って見ていきましょう。
例えば、ビフォーアフターの但し書きとして
『目や耳などの大きさを合わせているので縮尺は同じなので、骨格が小さくなっています』
などの文言も載っていますが、自分で縮尺を再度合わせて確認してみると、実際には骨格のサイズが変わっていないことがほとんどです。
美容鍼灸で言うなら、『顔の浮腫みが軽減して顔が小さくなる』のであれば分かるのですが、骨格が小さくなることはありません。
また、ビフォーとアフターの写真を見比べた時に、同じアングルで撮っていても背景の明るさが違うことも多々あります。
それによって、ビフォーに比べてアフターのほうが肌のトーンが明るくなっているように見えてしまいます。
そもそもビフォーアフターの比較画像を正確に作ること自体が難しいです。
そういったことを踏まえて、ビフォーアフターの画像を見るようにしていきましょう。
全部が全部、そうではないのですが、注意が必要です。
特に骨格自体が小さくなるという謳い文句には注意してください。
骨格を小さくできるとしたら、それは美容整形外科での施術だと思います。
エビデンスという言葉の意味を知っておきましょう
個人的に今回の記事の内容は、非常に重要なものだと思っています。
医療において、何か治療を施す際に
・エビデンス
というものは非常に重視されます。
というのも、エビデンスがあるからその治療法を施す意味がある、と言えるからです。
ところで、ここでいうエビデンスというのは
・薬や治療法、検査方法などについて、その有効性や安全性を判断する科学的証拠のこと
です。
医療においてエビデンスが重要なのは、
『ちゃんと科学的証拠のある治療を行っていますよ』
と治療における効果や安全性を謡うためです。
確かにこれは非常に重要なことです。
では、科学的証拠とはそもそも何なのかはご存じでしょうか?
その答えは
・臨床研究や臨床試験、治験などの研究を重ねることで創られるもの
・複数の研究が同様の結果を指し示した場合に、信頼に足る証拠とされるもの
です。
つまり、エビデンスとは
・実験データによって効果を検証されたもの
なんですね。
医療におけるエビデンスを考える際には、患者さんにはこれを忘れないでいただきたいと思っています。
実験データありきのものが医療におけるエビデンスです。
エビデンスの解釈が違うときがあるので要注意
さきほどの説明したのが、医療におけるエビデンスという言葉の意味と使われ方なのですが、このエビデンスという言葉の意味をちゃんと理解しておかないと、鍼灸や整体の施術を受ける際に勘違いが起きてしまうことがありますので、要注意です。
エビデンスという言葉、英単語には医療的な意味合いを除くと
・証拠
・根拠
・証明
という意味があります。
そこに証拠という意味が含まれていますが、紛らわしことにそれは
・証拠=科学的証拠、ではない
になります。
例えば、肩こりには僧帽筋のマッサージが有効だというエビデンスがあったとします(実際にはないですよ)。
ここでいうエビデンスは、本来の医療的な意味であれば
・僧帽筋のマッサージをして肩こりが軽減したというデータがある(科学的証拠)
とになるのですが、エビデンス=証拠と単純に考えてしまうと
・肩こりを起こしているのは僧帽筋である
・僧帽筋という筋肉は解剖学上、確かに存在している(解剖学的な証拠、科学的証拠ではない)
という証拠があるので、肩こりには僧帽筋のマッサージが有効である、となってしまうんですね。
肩こりに僧帽筋が関係しているという証拠は見つけられるものの、肩こりが僧帽筋のマッサージで軽減するという科学的証拠はない、という解釈にもなります。
これも非常に重要なことなので、ぜひ覚えておいてください。
意味がよく分からなければ何度も読み返して考えてほしいところです。
そして、鍼灸や整体の施術においてエビデンスがあると謡われている場合のほとんど(なんなら全て)は、科学的証拠の意味でなく、単なる
・証拠
という意味合いです。
残念ながら、それが現状です。
私たちとしても、科学的証拠のある鍼灸や整体を施したいのですが、それがまだ存在しないのが現状です。
鍼灸や整体にエビデンスが創れないワケ
鍼灸や整体にエビデンス(科学的証拠)がないことは残念なことですが、それも実は仕方のないことなんですね。
というもの、鍼灸や整体では客観的な実験データを取ることが非常に困難だからです。
鍼灸や整体の施術においては、必ず
・人
が関わることになります。
そして、人が関わるということは
・それだけで心理的な変化が起きてしまう
ということです。
さらに、心理的な変化が起きてしまうということは
・身体症状にも変化が起きてしまう
可能性があるということです。
つまり、人が関わることで治験者さんに起きる変化が
・鍼灸や整体に施術による変化なのか、人が関わることによる変化なのかが判別できない
ということです。
ですので、なかなかエビデンス(科学的証拠)のある鍼灸や整体の施術を提供できないんですね。
何とか改善するための『証拠』としてのエビデンス
鍼灸や整体にエビデンス(科学的証拠)は無いに等しいですが、それでも鍼灸や整体によって身体の症状が好転することはよくあることです。
逆に、エビデンス(科学的証拠)のある治療法でも良くならないこともあります。
正当化したいわけではありませんが実際に良くなる人が存在する以上、エビデンスが無いから行ってはいけない、ということではないと思っています。
そこで、少しでも鍼灸や整体の効果を信じてもらうために、効果を期待してもらうために
・解剖学(身体の構造)などの知識という証拠を基にした施術
を提供していきます。
科学的証拠よりは弱いものの、身体の構造や仕組みから推測、想像される治療法は試す価値が十分にあると思っています。
エビデンス(科学的証拠)がないことを嘆いても仕方ないので、それよりはエビデンス(知識という証拠)で裏付けして、さらにそこに経験則を組み合わせて、少しでも良い施術が提供できるようにしていきたいと思っています。
【短所を克服するよりも長所を伸ばす】という言葉は、一理ありますし、人の教育面であったり生き方の指針としては、納得のいくものではあります。
ですが、残念ながら健康面に関して言うなら、全く妥当な考え方ではありません。
健康面を改善していくのであれば、まず何よりも
【短所を克服する(無くす)】
ことを優先しないといけないんですね。
例えば、ダイエットで考えると分かりやすいですが、ダイエットに取り組んでいる明らかな肥満体型の方が
・1日1時間、毎日運動をするという長所がある
・毎日、スナック菓子を大量に食べることを止められない短所がある
という人が、その状況ではまだまだダイエットが上手くいかないため
・1日2時間運動をするようにして長所を伸ばした
という風に取り組んだ場合、果たしてその人のダイエットは成功するでしょうか。
おそらく、そのダイエットは失敗すると思います。
確かに、運動時間を増やすという取り組みは素晴らしいのですが、その長所はお菓子を大量に食べてしまう短所を打ち消すこともできないですし、短所の作用を上回ってダイエット効果を出すこともできません。
ダイエットを例に挙げましたが、飲酒の習慣が止められない人が肝臓の調子を崩した際に、飲酒を止めないで肝臓に良いサプリを飲む習慣という長所を付けたしたしても、肝臓の調子が良くならないということも例としては想像しやすいと思います。
【短所を克服するよりも長所を伸ばす】という言葉は、非常に耳障りの良い言葉なので、その考え方は使いやすいのですが、健康面においては絶対に当てはめないでください。
まず間違いなく、長所を伸ばすよりも短所を克服する(無くす)ことが大切です。
自分の体調管理の為にストレッチなどのセルフケアを行っている方は多いと思いますし、治療院でセルフケアの方法を教えてほしいというニーズも実際のところ多いようです。
ですが、ここで一つ知っておいてほしいことは
・セルフケアはそもそも難しい
ということです。
単純に自力で継続することが難しいという面もありますが、それに加えて
・自分のやっている運動(ストレッチなど)の動きを自身で把握できてない
ことがほとんどだからです。
つまり、
・その指示された(またはYouTube動画で見た)運動を正確にやれていない
いうことです。
やっているようでやっていない、そんな状況にセルフケアはなりやすいです。
それを防ぐためには
・指示されたことを正確に記憶する
・正確に記憶した動きを自分の身体で正確に再現する
必要がありますが、それほどの記憶力と身体操作能力を持った人というのは、ほとんどいません。
さらに言うと、人の身体には個人差がありますので、モデルになった人の体型と自分体型とのズレもあったりしますので、正確に記憶して正確に再現しようと思っても、やはり手本からズレてしまう可能性もあります。
そういった状況で、もし仮に鍼灸院などに行ってセルフケアを教えてもらおうとした場合、そのセルフケアの実施はさらに難しくなります。
なぜかというと、
・教えられたことを一回で覚えられる人はほとんどいない
からです。
ほとんど人は、過去にテスト勉強というものをしたことがあると思います。
なぜテスト勉強が必要かというと、授業で習ったことを一回で覚えれないし、理解できないからです。
だから、復習が必要なのですが、セルフケアを頑張ろうとする人の大半は復習をすることは基本的にありません。
『一回で覚えた』『もう大丈夫』と自分がやっているセルフケアが教わったことと同じなのか、の確認をしないんですね。
もちろん、セルフケアの肝は継続するか否かですので、教わったものと違っていたとしても継続すれば、ある程度の効果は期待できます。
ですが、
・より正確に
・より自分の動きを把握(理解)して
セルフケアに取り組んだほうがより良い結果に結びつきます。
また、その人の症状が難しければ難しいほど、その改善のためのセルフケアは教わった通りに行う必要が出てきます。
では、どうやったらセルフケアをより良いものにできるのか、ですが、その具体的なやり方は
・セルフケアを行っている自分の姿を動画に収めて後で確認する
ことです。
そして、それをこまめにやることです。
その繰り返しをしているうちに
・自分の身体のライン(姿勢)や動き
・セルフケアの動画などと自分の違い
などの理解が深まり、自分の身体に対する認知も良くなります。
自分の身体や動きを把握すればするほど、健康は高まりますし、ケガなどもしにくくなります。
セルフケアは大切なことであり気軽に行えるものではありますが、実は難易度が高いものということを念頭に置いて、面倒くさがらず自分のやっている姿を動画でこまめに確認することをオススメします。
健康法として
・1日2リットルの水を飲む
というのはかなり有名なもので、取り組んでいる方もたくさんいらっしゃいます。
私も試していた時期があるのですが、その時に気づいたことがありまして、それは
・やたらお腹が空く
ということです。
後になって気づいたことなのですが、よくよく考えると
・血中の水分量が増えることで血糖値が下がる
ことになるんですね。
血糖値が下がることは、糖尿病という病気があることで良いことのように思われがちです。
確かに良い一面はあるのですが、血糖値が下がることの弊害も当然あります。
分かりやすいところでいうと
・ダイエットが成功しにくくなる
ということが挙げられます。
水分量が増えて血糖値が下がっている状態は、血糖の総量的には十分だったとしても、脳が認識する血糖値は低い状態として捉えられることになります。
それが結果として食欲を増してしまうんですね。
・血糖値が低いと脳が認識する⇒血糖を補わないといけない⇒食事をもっと摂らないといけない
という流れです。
ですので、ダイエットをしている方、ダイエットがなかなか上手くいかない方で、水を2リットルを飲む習慣をつけている場合は、一度やめることを検討することをオススメします。
夏によるある体調不良の中で多くの人が感じるものとして
・夏バテ(夏の暑さに適応できていない状態)
がありますが、そこまで身体に悪いことはしてないようでもなってしまうのが悩みどころだと思います。
ですが、身体のシステムを考えると実は当たり前のように身体に悪いことをしている可能性があります。
その一つが
・室内で自然にかいた汗をエアコンで冷やすこと
です。
この行為は、お風呂上りなどでしたことのある人がほとんどだと思います。
この行為に対して『何が悪いの?』と思う人もほとんどだと思いますが、汗の本来の役割を考えると身体にあまり良くない行為なんですね。
汗の役割として一番大きいのは
・身体を冷やすこと(体温調整)
です。
体温が上がると汗を身体表面に出します。
すると、その汗は身体の熱を奪って蒸発します。
『気化熱』というのですが、体温が気化熱に変換されて、その奪われた熱の分、体温は下がります。
そうやって体温を下げるのが本来の仕組みなんですね。
ところが、汗をかいた状態でエアコンで身体を冷やすと、その仕組み以上に身体が冷えることになります。
・身体の体温-気化熱-エアコンの冷風
といった具合です。
さらにいうと、エアコンで身体を冷やすことは身体を急に冷やすことになります。
本来であれば、汗が乾く際の気化熱で緩やかに身体が冷やされるのに、です。
身体の冷える程度も重要ですが、急に身体が冷えて体温が変化することも身体には良くないことです。
身体の恒常性を保つシステムは、基本的に緩やかに働くものだからです。
かいた汗をエアコンで冷やすことは、身体のシステムにとってはエラーを引き起こしやすくするものだからこそ、その結果として体温調整が上手くいかずに夏の暑さに身体が対応できなくなるんですね。
これは扇風機でも同じですが、扇風機のほうがまだマシかと思います。
汗を一気に冷やすことは気持ち良いですし、汗でベトベトする感じから早く解放されたくなる気持ちは十分に共感できます。
ですが、身体にとっては不自然な体温変化をもたらしますので要注意です。
では、夏場に室内で汗をかいた際のより良い対処方法は何かというと
・タオルなどで汗を拭くこと
です。
要は気化熱を発生させないようにするんですね(エアコンで体温は下がります)。
ありふれた行為ではありますが、効果的な方法です。
これをするだけで、気化熱で体温が下がる分が減りますので、エアコンで冷えても体温の変化は緩やかになります。
洗濯物が増える手間はありますが、夏バテを防止、予防できるなら手間をかける価値はあると思います。
夏バテに良くなる人、夏バテがキツイ人は一度お試しください。
身体のケアとして人気のある
・ヨガ
ですが、本質的なところから見ると一般的なヨガは、ヨガであってヨガではないんですね。
※だからダメ、ということが言いたいわけではないので、ご理解ください。
ヨガは本来、
・瞑想
という面が強く出るものです。
自分の心身との対話です。
色々なポーズをとるのも、そのポーズの意味をイメージしながらやることに意義があります。
さらに、そのポーズをとっている際に自分の身体と心がどう感じているかを探る(メタ認知)ことも大切です。
ですので、ポーズをとることそのものが目的ではないんですね。
そのポーズを取れるだけの柔軟性ももちろん大切なのですが、そこだけに注力してしまうとヨガをやる意義が半分くらい無くなってしまいます。
ヨガという名のストレッチをやっているだけ、になってしまいます。
ただ、本格的なヨガはマンツーマンで教わる形が良いと思いますので、体操教室的な形で大勢でヨガをやるのは本来向いていないエクササイズだと思います。
みんなでワイワイやるのは楽しいですが、自分自身と向き合う時間にはならないと思いますので。
※大事なことなので2回言いますが、ヨガはダメ、ということではありません。
余計なお世話になりそうな気もしますが、ヨガをやるのであれば身体の柔軟性や可動性などのストレッチ要素に目を向けるよりも、瞑想の部分に目を向けて取り組むほうがオススメです。
自分の心身と対話して、自己理解を深めることは当然健康に結びつきますので一石二鳥になります。
ぜひ、瞑想でもあることを意識してヨガに取り組んでください。
突発性難聴を起こし、その後遺症である
・耳鳴り
・難聴
などで悩む方が多数来院されていますが、話を聞いていると
・耳掃除を頻繁にする習慣がある
という方がけっこういらっしゃいます。
エビデンスがあるわけではないのですが、そういった方をたくさん診ていると何か関係があるのでは?と思ってしまいます。
そこで色々と考察をしてみたのですが、その結果導き出された推測は
・耳掃除の際に耳の中に小さな傷がつき、そこから菌やウィルスが入り込み感染する
というものです。
何度も言いますが、エビデンスがあるわけではありません。
ですが、あり得そうな現象だと思います。
耳掃除を頻繁に行う方は、耳垢を徹底的にとろうとする方が多いようです。
その結果が、綿棒などで必要以上に力を加えているの?と想像できます。
顔で考えると分かりやすいのですが、洗顔などでなるべく力を入れないで洗うと気を付けている方はたくさんいると思いますが、顔に対してそう扱うなら、耳に対してもそうしたほうが良いと思います。
さらに言うなら、基本的に耳掃除はする必要はありません。
放っておくと耳垢で耳が詰まってしまうくらいの方は別ですが、本来は放っておいても自然と取れていくものです。
耳の健康を考えるなら、耳掃除はしないでいいくらいのものだと頭の片隅に置いておきましょう。
耳掃除に拘り過ぎると、突発性難聴になってしまうかもしれませんよ。
漠然として、ですが、クラシックバレエをやっている方は姿勢が良い、と思われている方が多いのではないかと感じます。
クラシックバレエをやっている本人も、姿勢が良いということに自信を持っていることも少なくありません。
ですが、際のところ、クラシックバレエをやっているからといって、姿勢が良くなるわけではないんですね。
簡単に言うと、
・クラシックバレエの中での良い姿勢と日常生活を送る上での良い姿勢は全くの別物
だからです。
クラシックバレエで作っていく姿勢は、あくまでクラシックバレエ用の姿勢です。
クラシックバレエの姿勢は、真っ直ぐ立つのが基本です。
ただ、その真っ直ぐは背骨にも適応されます。
背骨を真っ直ぐに伸ばすことは、身体の構造上良くないことです。
背骨は軽くカーブしているのが良い状態だからです。
ストレートネックが悪い姿勢、と言われていますので、それを連想すると分かりやすいと思います。
ということで、結局何が言いたいかというと『姿勢を良くするためにクラシックバレエを習うのはやめましょう』ということです。
日常生活を送る上での良い姿勢が身につくわけではありません。
ちなみに、クラシックバレエをやっている方の多くは、肩こりや首こり、頭痛などに悩まされていることが多いので、そういった私の経験則的にもそう言えます。
鍼灸治療は代替医療(補完医療、伝統医学)に分類されます。
西洋医学との違いは、『治療効果の根拠が薄い』ことですが、西洋医学には無い可能性を感じで鍼灸治療を選択する方もたくさんいらっしゃいます。
※ちなみに、私は西洋医学を全く否定しておりません。東洋医学も西洋医学も良いところがあると思っています。
その選択が間違っているとは断言できませんが、実際のところ代替医療には懸念点がいくつかあります。
その懸念点を挙げていくと
・経済被害
・機会損失
などが挙げられます。
経済被害
経済被害というのは簡単に言うと
・自己負担金が多い
ということです。
代替医療の多くは健康保険が使えず自由診療(実費治療)です。
安価な健康保険を使った治療があるが故に、その対比として代替医療は高額な印象を与えてしまいます。
そして、その高額な印象に見合うような治療効果が得られれば良いとは思いますが、実際には金額に見合わないこともしばしばあるようです。
そういった状況になってしまうと、代替医療を受けることによる経済被害だと言うこともできてしまいます。
機会損失
機会損失も代替医療を受けることの懸念点としては大きなものになります。
これは
・代替医療に拘るあまり、標準治療を受けるタイミングを逃し、さらには病状が悪化してしまう
というケースなどで言えることです。
『早期に、医療における標準的な治療を受けていれば本来治っていたはずなの』ということは少なくありません。
実際には、逆も起こり得るのですが(例えば、ヘルニアのオペをせずに鍼治療を受けて改善したというケースなど)、癌などの治療で代替医療を選択することで、代替医療を継続していった先に病状が取り返しのつかないくらい進行する、といったことがあり得ることは考慮すべきだと思います。
懸念点の解消
経済被害と機会損失、どちらも重要な問題ですが、まず機会損失に関してはシンプルに
・セカンドオピニオン(サードオピニオン)
をしっかりと取ることで解消できます。
西洋医学的な診断も、代替医療の立場からの見立て、両方の視点からの意見を参考にどちらを選ぶかを決めれば良いと思います。
私自身もそう促していますが、代替医療では明らかに無理と思われるケースや進行することで命の危機になってしまうケースなどは、病院受診、精密検査をしっかりと受けることが大切です。
また、代替医療をまず試してみて、2、3回受けて効果がイマイチであれば病院受診をするという形も良いかと思います。
代替医療の立場からは、代替医療で無理なものは無理としっかり伝えることも大切だと思っています。
経済被害は意外とない
経済被害に関しては、自己負担金は病院での治療と比べると確かに高くなりますが、そこに時間という観点を加えると、そこまで差はないのではないかと思っています。
腰痛を例に挙げると、病院に掛かって健康保険の自己負担が3割だとして
・診察料:1200円
・検査:630~6500円
・治療薬、リハビリ:200~500円
くらいになり、例えば腰痛で病院受診をしてレントゲンを2枚撮り、痛み止めなどを処方してもらうと2500円ほどになるようです。
実は健康保険を使っても意外とお金は掛かっているんですね。
ちなみに、リハビリは1回、20分、550円ほどです。
60分に換算すると、1650円です。
鍼灸治療と比較すると、1回、60分、6000円ですので、金額だけを見ると分かりやすく高くなっています。
ですが、病院に掛かることには、掛かり続けることには多くの時間を使うことになります。
通院するための移動時間、診断、治療までの待ち時間は蓄積されるとかなりの時間数になります。
『時は金なり』という言葉がありますが、その通院に掛かった時間分アルバイトでもできたら、と考えたら分かりやすくなります。
腰痛を例に考えると、鍼灸治療では1回で改善するケースもありますので、そうなると健康保険を使った治療よりもかなりお得になります。
健康保険を使った治療と代替医療では、代替医療のほうが費用や時間が掛からないケースもありますので、経済被害が絶対にあるとは言えないということです。
比較的最近になって、瞑想(メディテーション)が認知度を上げてきていますが、瞑想と聞くとどうしても
・スピリチュアル
なものとして扱われてしまい、どこか怪しいもの、信ぴょう性のないものとして思われがちです。
ですが、私としては、瞑想はスピリチュアルなものではなくフィジカルなものだと考えています。
瞑想でポイントとなるのは
・呼吸
・身体感覚
です。チャクラがどうとかオーラがどうとか魂がどうとか、ではないんですね。
もちろん、そういったキーワードを元に瞑想をしたほうが効果がある人は、そうしたほうが良%8と思いますが、呼吸や身体感覚に注力して瞑想したほうが分かりやすくなるのでオススメです。
呼吸も身体感覚も、自身の身体を軸としたものです。
そして、多くの人が普段意識しないものでもあります。
自分の呼吸を真剣に感じようと思ったことのある人も、身体の感覚に真剣に目を向けようと思ったことのある人も、おそらく少ないはずです。
そこに目を向けると、気づいていなかったけど実は自分の身体がこうなっている、ということが分かってきます。
呼吸であれば楽に呼吸をしていると思っていたけれど、肩や首に力が入っていることに気づくかもしれませんし、自分で思っているより胸や背中に空気が入ってこないことに気づくかもしれません。
また、身体感覚であれば無意識レベルでの身体のムダな力みなどに気づくかもしれません。
そこに気づいて、今度はなぜそうなったのか、どうやってそれを改善していけばいいのか、という風に考え方を広げていっても良いのですが、そこまでしなくとも
・とにかく自分の身体を感じる
ことに集中すれば大丈夫です。
さらに言うと、
・そうやって感じている今この瞬間に集中する
となお良いです。
それができたからといって、今すぐに体調不良が治るとは言えませんが、少なくとも自分の身体なのに自分で把握できていない人の体調不良は治りにくいものになります。
瞑想をやったからといって意味がない、と考えてしまうのは『今この瞬間に集中していない』ことにもなってしまいます。
先のことは考えなくとも、瞑想を続けていくうちに身体を感じたことの記憶が蓄積されて、あの時の今の身体の違い、状況の違いなどにも気づけるようになります。
余計なことを考えず、瞑想では呼吸や身体感覚に注力して自分をただただ感じるようにすればOKです。
何か重たいものを持つ時など、精一杯力を出す際には
・息を止めて(息んで)力む
ということを行うことがあります。
ところが、この息む行為を息む必要がない時にも行ってしまっている方が実は多くいます。
理由は色々考えられますが、
・気持ち的に何かにおびえている状態
・いつでも力を出せるように備えている状態
など、自分の身を守ろうという意識が、潜在的に強いとそうなるのではないかと考えています。
最近では特に、お金や政治のニュースなどで生きている上での恐怖感、不安感に襲われることが多くなっていますので、余計にそういった反応が出やすくなっているのではないかとも想像できます。
息むこと自体に害はないのですが、不適切に息んでいるのであれば身体に悪影響を及ぼします。
頭痛や肩こり、不眠、疲れやすさなど、原因がはっきりしない症状を引き起こすことが考えられます。
常に息んでいるということは、常に身体に余分な力みがあることになり、私の考えでは
・気の流れが悪くなっている状態
と捉えられます。
息を止めることが気の流れを滞らせているイメージです。
息むことを悪とせず、ただ不要な息みは無くすように心がけていくだけでも、身体の不調が改善する可能性もありますので、やはり自分自身の身体と向き合うこと、マインドフルネスであることは大切だと思っています。
バルザルバ効果、という医療用語があるのですが、簡単言うと
・息を止めて力むことでいつも以上の力が出る
というものです。
身体に起こっている反応としては
1.息を止めていきむことで胸腔内圧が上昇する。
2.胸腔内圧の上昇により心臓の拡張が阻害され、拡張期血圧が上昇する。
3.胸腔内圧の上昇により血管が圧迫されるため、収縮期血圧も上昇する。
4.息を止めることで静脈系は血液を送り出す力が弱くなり、上大静脈・下大静脈に血液が流れにくくなる。
5.灌流できなくなった血液が鬱滞して静脈がパンパンに膨れ上がる。
6.静脈還流量が減ると左室容積も次第に減り、1回拍出量の低下から血圧が下がると、交感神経が緊張してカテコラミンリリースが起きる(交感神経反応を高める)。
といった具合なのですが、その結果として筋肉の緊張が高まりやすくなり、力が出しやすくなるという形になります。
このバルザルバ効果ですが、一番の要点は
・胸腔内圧が高まる
という部分です。
つまり、胸腔内圧が高まるのあれば、息を止めなくても起きる現象だということです。
鍼灸院に来院される方に多い、よく見かける身体の特徴として
・体幹部が薄い(平坦)
というものがあります。
この体型に該当する方は、エビデンスはありませんが
・症状が慢性化しやすい
・原因がはっきりしない症状を持っている
ことが多いです。
そこで推測されることが
・普段からバルザルバ効果を使っているのでは?
ということです。
体幹部が薄いということは、心臓や肺の入っているスペースが狭いということです。
狭いスペースの中で心臓や肺が膨らむことは、胸腔内圧を高める可能性があります。
そうなると特別、運動などをしていない安静時にも、バルザルバ効果が表れる可能性もあります。
つまり、身体のおかれている状況に対して、不適切な反応を引き出してしまっているということです。
それでは、身体のバイオリズムは狂いますし、狂ったままで保たれてしまいます。
その結果として、
・症状が慢性化しやすい
・原因がはっきりしない症状を持っている
といったことが起きているのではないか、と考えています。
当院では、しばしば呼吸の状態を確認し、呼吸機能の改善を狙って施術をしますが、そこにはバルザルバ効果についての考察から得た推論が含まれています。
呼吸は基本的に無意識に行うものであり、普段はあまり気に留めるものでもありません。
だからこそ、なかなか治らない症状の原因として、あり得るものだと思っています。
医療や介護の仕事では、どうしても
『人の命が係わる領域でお金儲けをするな』
という意見が出てきます。
この意見に関しては、確かにそう言いたくなる気持ちは分かるのですが、医療に関わる当事者としては
『しっかりお金儲けはさせていただきます』
とお答えするしかないと思っています。
病院などの事情は分からないので、鍼灸院、治療院、整体院の立場で考えていくと
・お金儲けをしないと簡単に潰れる(閉店する)
ということがよくあります。
だからこそ、お金儲けはしっかりとしないといけないんですね。
当然、医療に関わる人にも生活がありますので。
では、医療というものが人の中でどんなものとして扱われているかを説明していきます。
実は、医療、健康に関わるサービスというものは、多くの人にとって優先順位が低いものになっています。
痛みなどの症状が無ければ治療を受けたいと考えないのが、おおよその人の行動パターンで、わざわざ健康状態を高めるために鍼灸院などに通う人はごく僅かです(最近では少し増えてきていると思いますが)。
明確な不具合が身体に無いのであれば、そこにお金と時間を使うくらいなら、
・美味しい食事
・楽しい旅行、レジャー
・趣味
などにまずお金を使うことがほとんどです。
そして、そこにお金をしっかり使ってしまっては健康増進に使うお金はどんどん無くなっていき、使うことは無くなります。
さらに、鍼灸院などに通う人は、症状が改善すれば通うことは一旦無くなります。
また、セラピストの腕が良ければ良いほど、通う回数も少なくなります。
そういった状況では、鍼灸院などの経営は非常に難しいものになります。
そして、経営が厳しくなれば、そこで働くセラピストの生活も危うくなります。
つまり、医療に関わるサービスで生活していこうと考えると、しっかりとお金儲けについて考えておかないと危ういということです。
油断していると、鍼灸院などは簡単に潰れます。
腕が良くても、治療を頑張っても、です。
それは理解していただきたいところです。
もっと言うと、経営が厳しく、生活を送っていくのも難しくなっている、余裕の無いセラピストに果たして身体を診てもらいたいと思うでしょうか。
余裕の無い人間に、冷静な判断ができるでしょうか。
私なら、そんな余裕の無い人に身体を診てもらいたいとは思いません。
危ない、と思ってしまうからです。
セラピスト側に、ある程度の余裕があるほうが良い医療サービスが受けられると思っています。
以上の観点から、医療や介護などの人の命に係わる領域であっても、お金儲けは考えないといけないですし、お金儲けはしないといけません。
ご理解いただけると幸いです。
姿勢で悩む方は多いようですが、姿勢を直そうとするのであれば、まずは
・肥満解消
から始めなければいけません(肥満の方は)。
身体にムダな脂肪があればあるほど、姿勢を整えても上手くいかなくなります。
お腹に脂肪がつき、大きくなれば、その重さに腰が引っ張られますし、大きなお腹を引っ込めようと頑張ることで腹筋の緊張が強くなりすぎて、それも姿勢のバランスを崩してしまいます。
腕についた余分な脂肪も同じで、腕が重くなれば、それだけ腕の位置を保つために筋肉の緊張を高める必要があります。
腕に関しては、腕の脂肪が腕の周径を太くしますので、本来であれば体幹の側面に沿うように位置している腕が、外に広がるようになります。
その状態では、腕の位置が落ち着かないので、今度は肩をすくめたり、脇を占めるように身体を緊張させますので、肩こりが強くなる原因にもなります。
身体の重さと体積の問題は、想像以上に大きな問題です。
気づかないところで、身体のバランスを大きく崩していますので、姿勢を直したい方で肥満の方は、まずは肥満解消して、その後姿勢改善に取り組んでください。
メカニカルストレス、という言葉は多くの人にとって馴染みのない言葉だと思いますが、身体の健康状態を考える上では重要な概念になります。
メカニカルストレス、日本語に訳すと
・機械的刺激
となりまして、訳してもまだ馴染みのない言葉だと思います。
では、機械的刺激とは、どんな刺激かと言いますと主に
・圧迫(圧力、静水圧など)
・伸展(伸長)
・せん断(ズレを与える)
・重力(重さ)
・振動
となっています。
例を挙げてもやはり馴染みのない言葉だと思いますが、このワードがどの専門分野で使われているかというと
・細胞力学(メカノバイオロジー)
という学問になります。
細胞力学も馴染みのない言葉だと思いますが、簡単にいうと
・細胞に加える力が細胞をどう変化させるか
を問う学問です。
その細胞に加える力が
・メカニカルストレス(機械的刺激)
ということです。
前置きがかなり長くなってしまいましたが、このメカニカルストレスは鍼灸治療や整体を考える上でも参考になる概念です。
人間の生体としての最小単位は細胞ですが、その細胞が代謝を変化させる際のスイッチの一つが実は
・メカニカルストレス
なんですね。
実際には、そのメカニカルストレスが細胞の働きを変えるスイッチの大部分を占めています。
つまり、細胞へ何かしらの影響を与えたければ、メカニカルストレスを考えましょうということです。
そして、そのメカニカルストレスは鍼灸や整体の施術によっても確かに生まれています。
鍼灸治療などが身体の代謝や免疫の状態を変化させ、健康状態を好転させるのはメカニカルストレスを細胞に与えているから、という要因があるということです。
身体の生体としての最小単位が細胞である以上、細胞の状態が整うように仕掛ければ自然と身体の調子は良くなり、健康状態も高まるという理屈です。
細胞に対するメカニカルストレスの影響を考えるメカノバイオロジーの領域では、例えば
・細胞周辺の組織などの状態の【硬度が高い】と、その細胞は代謝機能を落とす
という現象が起きることも分かっています。
再生医療の領域でも、幹細胞をいかに狙った細胞に変化させるかを考える際に、どんなメカニカルストレスが条件になっているかを検証することがあります。
それくらい、メカニカルストレスが身体に与える影響は大きいということです。
身体の健康を考える際に、一般的には
・血流
・体温
などを考慮してセルフケアなどを行いますが、それも突き詰めていくとメカニカルストレスに結びつく一面があります。
運動が健康に良い、というのも運動によって生まれるメカニカルストレスが細胞の状態を整えることで健康に結びつくということも十分にあり得ます。
自律神経の働きなどを考慮するのも大切ですが、個人的にはそれよりもメカニカルストレスについてもっと理解を深めたほうが健康増進につながると思っています。
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