『ストレッチは簡単なようで簡単でない』
とにかくストレッチを頑張ればいい、ではない
一宮市の鍼灸院、青葦(あおい)治療院です。
セルフケアと聞いて、おそらく最も多くの人が思い浮かべるのが
「ストレッチ」
でしょう。
筋肉を伸ばす、関節の可動域を広げる、血流を良くするといった効果が期待でき、何より「動作とそれに伴う結果」がイメージしやすいため、患者さんからすると非常に気軽に行えるセルフケアです。
しかし、実はその「気軽さ」が、逆に身体に不利益をもたらすことが多々あります。
「とにかく筋肉を伸ばせばよい」という思考停止
ストレッチが身体を壊す原因、それは『ストレッチとは、とにかく筋肉を伸ばせばよい』という思考の単純化にあります。
深く考えず、どのような目的でどんな風にやるべきかを考慮せず、
「とにかく一生懸命筋肉を伸ばせばいい」
「可動域の限界に挑めばいい」
と思考停止してしまっている方が非常に多いのです。
そのような方のやり方を、患者さんの脳内での言葉にすると、
「筋肉が伸び切った感じがするまでストレッチをし、さらに、その伸び切った感覚が強くなるようにやればよい」
となります。
一見正しいように思えるかもしれませんが、ここには大きな落とし穴があります。
可動域には「正常値」がある(首の側屈の例)
人間の身体の関節可動域には、ある程度の「正常範囲」というものが存在します。
例えば、首を横に倒す(側屈させる)ストレッチを例に挙げてみましょう。
首の側屈の可動域の正常値は「50度前後」です。
本来、それ以上は曲がらなくても何も問題はありませんし、それ以上の可動域を出そうとすると「やりすぎ(過剰)」になる可能性があります。
ところが、「伸び切った感じがするまでやる」という思考のまま首の側屈ストレッチに挑むとどうなるでしょうか。
すでに正常値の50度に達していたとしても、本人が
「まだ伸び切った感じがしない」
「ストレッチをしている気がしない」
と感じれば、さらに限界を超えて首を強く曲げてしまうことにつながります。
感覚に頼るセルフケアが身体を壊す
このように、主観的な「伸びている感覚」だけを頼りにやりすぎてしまうことで、身体に良いと思って実行していたはずのストレッチが、逆に組織を痛め、身体を壊す原因になってしまうのです。
「とりあえず痛気持ちいいところまで伸ばせばいい」と思考を単純化し、思考停止してしまった方が頭は楽です。
しかし、それは確実に身体へ悪影響を及ぼします。
安全で効果的なストレッチの「妥当なやり方」
では、そうならないためにはどうすれば良いのでしょうか。
ストレッチをより効果的かつ安全に行うのであれば、自分の関節が今どれくらいの角度まで動いているのかを、スマホなどで撮影し、客観的にこまめに確認する必要があります。
正直に言って、これは非常に手間です。
これをやってしまうと、ストレッチの一番の利点であった「気軽さ」は完全に失われてしまうでしょう。
ですが、適当にやって身体を壊してしまうよりはるかにマシです。
感覚に頼らず、客観的な事実(角度)を確認しながら行うこと。
それが、最も妥当で安全なストレッチのやり方なのです。
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