身体から心に好影響を導く
愛知県一宮市の青葦【あおい】鍼灸院の加藤です。
治療において患者さんの心理面を考慮する場面は多くありますが、
【治療で心に変化を与える】
ことはできるのか、というテーマで考えることはよくあります。
身体の動きと心
まず、治療で改善すべき課題としては
・身体の構造的問題
・身体の機能的問題
・身体の力学的問題
・気血の流れ(東洋医学的観点)
などにしぼられますが、上記の問題はおよそ
【身体の動き】
に支障をきたします。
つまり、治療においては身体の動きを改善する方向性ですすめていけば、問題解決に結びついていくということです。
そして、身体の動きというものは心ともつながってきます。
これは想像しやすいと思います。
スポーツなどで、
【緊張すると普段の動きが出来なくなる】
といったような具合に、
【心と身体の動きがつながっている】
ということは多くの人に実体験として知られています。
身体感覚が心を生み出す
身体の動き(行動)と心の動き(意思や感情)の関係では、どちらが先なのかという問題に対して、
【心の動きがあってそれに従って身体が動く】
と思われている方は少なくないと思います。
意思(心)→行動(動き)
ですね。
ですが、ヒトを含めた動物を進化論的に見てみると、そもそも心というのは後付けで、身体の動きが先に獲得されています。
『動く』『もの』と書いて『動物』です。
生物(単細胞生物など)は、環境に適応する為に身体の動きを身につけました。
そして、環境の情報を分析する為に、
感覚器官
を発達させました。
さらに、その感覚器官から得られる情報が脳で統合され、環境に対する状況判断として
情動(心の働きの一つ、不安や恐怖など)
などがもたらされました。
心というものは、
身体が外界の環境の中で動いた際に得た感覚情報が統合された結果生まれたもの
です。
心と身体の動きであれば、身体の動きのほうが先なんです。
そして、感覚情報の中でも特に
身体感覚
が心を作り出す基になっています。
身体感覚とは
・筋肉の緊張や弛緩の感覚
・関節の動きや位置関係(固有感覚)
と定義します。
外の環境の中で身体が
・どう動いたか
・どんな状況にいるか
その感覚情報が合わさって処理され、その状況を判断する気分のようなものとして心というものが形成されたようです。
ですので、身体の動きと心は切っても切り離せないものになります。
身体感覚とボディワーク
身体の動きと心に深いつながりがあるとすれば、
身体の動きに変化をもたらすことで心にも変化をもたらすことができるかもしれない
とも考えられます。
そうなってくると、心にとって重要なのが
身体感覚
です。
その身体感覚は自分の身体が今どんな状況にあるかを教えてくれる感覚です。
つまり、外部の環境の中で
『どんな状況にいて何を感じているか』
といった情動や気分の元になっている感覚です。
この身体感覚を引き出す施術、それがボディワークなのではないか、と加藤は考えています。
ボディワークは、
身体への気づきから自己の意識の変容
を促すといった一面があります。
そこで、固有感覚を刺激する為に、ボディワークでは身体の動きを誘導したり、固有感覚の感覚受容器を持つ筋膜をリリースしたりします。
そうすることで、身体感覚を変化、活性化し、心の変化をもたらすのだと思っています。
身体の動きと心の関係、患者さんの今と未来の健康をサポートする為に、これからも追及していきたいと思います。
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