一宮の青葦治療院(鍼灸院)
痛みや自律神経、薄毛など慢性化した症状に鍼灸を
愛知県一宮赤見2丁目1-31にある、鍼灸を得意としている鍼灸院です。
鍼灸治療と整体治療を組み合わせた施術をメインにしています。
・頭痛
・薄毛
・自律神経
・耳鳴り
・メニエール
・腰痛
・肩こり
など、慢性化した症状でお悩みの方が多数来院されています。
saya Saya2024-10-04Trustindex は、レビューの元のソースが Google であることを確認します。 先生いつもお世話になっております。 仕事の疲労と肥満で不具合ばかりの体ですが、先生に施術していただくと痛みも和らぎ軽くなります。 体に触れただけで色々と分かってしまうようで不思議な先生です。 鍼は初めての時は痛くないよう施術してくださいましたが、2回目の時はめちゃくちゃ痛かったです笑 けれど翌日になり体の痛みや疲労感が無くなったので、今後も利用させていただきたいなと思います。 かさ岸田2024-09-06Trustindex は、レビューの元のソースが Google であることを確認します。 病院で適応障害と診断を受けて、薬以外で何とかしたいと思い、青葦さんに伺いました。 心よりもまずは身体を、という説明を受けて、正直腑に落ちないところもありましたが、続けてみないと分からないなと思い、現在も通っています。 身体の無意識の力みが、だいぶ治まってきているとのことで、それに伴って体調もどんどん良くなってきています。 しのだや2024-08-23Trustindex は、レビューの元のソースが Google であることを確認します。 口コミが表示されないので、あえて☆4にして投稿しています。 パニック障害で何度か利用させていただきました。 自分で全くコントロールできない症状で、いつ治るのか不安でしたが、勇気を出して青葦さんに通って良かったと思っています! パニック障害に対して独特の見立てをして施術してくれました。 それが功を奏したのか、今では症状は完治しています。 同じような症状で苦しんでいる方は一度施術を受けてみることをオススメします! ナギ2024-08-21Trustindex は、レビューの元のソースが Google であることを確認します。 様々な不調にも快く対応してもらえるので大変ありがたいです。 終わった後は状態がよくなります。 鍼治療と整体をしてもらえるので それも気に入ってます! 不調の時だけではなく、やはり体を良い状態を維持するには定期的に通う方がいいなと、今回の不調で実感しました。 身体の不調で悩む方にはぜひオススメしたい治療院です。 定期的にしっかり通うことで 身体の不調をなくしていきたいと思います。これからもお世話になります! 吉村暢仁2024-07-02Trustindex は、レビューの元のソースが Google であることを確認します。 いつもお世話になっています。 最初は偏頭痛とめまいで施術していただいていました。 なかなか良くなりにくい症状でしたが、随分良くなり普通の生活が送れるようになりました。 また肩こりや腰痛、眼精疲労などが酷くなると、すぐ先生に診て頂いています。 施術中に、これはどこに効くのでしょうか?などと質問しても、嫌な顔一つされず、丁寧に説明して頂けます。 古くからある鍼灸院の中には少々高圧的な先生もいらっしゃる中、加藤先生は物腰柔らかでとても優しく、施術は超一流だと私は思います。 きぬたよう2024-06-12Trustindex は、レビューの元のソースが Google であることを確認します。 鍼は初めてでしたが、私には全然問題ない痛みでした。 頭痛の症状で伺いましたが、頭と顔と首をメインに施術してもらいました。 鍼を刺してもらってしばらくすると、頭の痛みが引いていき、すぐに効果を感じられました。 期待していた以上の効果があったので、頭痛の治まりが悪い時はお世話になろうと思います。 やまさきさやか2024-05-21Trustindex は、レビューの元のソースが Google であることを確認します。 眼精麻痺で通院しました。とても親切、丁寧な施術で3ヶ月ほどかかると言われていた眼球の麻痺も2ヶ月ですっかり、よくなりました。 右目が開かない状況でとても不安に思っていましたが、毎回劇的に改善していきました。 また、耳や鼻などの症状が出ていない部分も指摘していただき、慢性的な不調が改善されました。 このたびは、ありがとうございました!! Kiyoji2024-05-18Trustindex は、レビューの元のソースが Google であることを確認します。 身体の調子が良くなって、気付いたらメンタルの調子も前より良くなってました笑 身体の大切が身に沁みました。 ありがとうございます!もっと読み込む
予約はこちらから
▼LINE公式アカウントはこちら▼
を一番の目標に治療に取り組んでいきます。
そのため鍼を使った治療を推奨しています。
※鍼が苦手な方は遠慮なく整体を選んでください。鍼を受けなければダメというわけではありません。
当院の治療の考え方などについて

読んでいただいたほうが、施術が受けやすくなると思います。
健康と生きる気力
私は以前に介護の仕事をしていたのですが、その仕事の中で
・生きる気力を失くしてしまった高齢者の方
に何人も出会いました。
その時に気づいたことは、
・身体が健康を損なえば損なうほど、生きる意欲も損なわれる
ということです。
寝たきりの方ほどその傾向が強かったからです。
・健康を損なったことが生きることを苦しくしてしまった
のだと思います。
健康で自分らしく
そこからさらに深く考えていくと
・健康を損なうことは自分の一部を失うこと
にも通ずるのではないかと思いました。
おそらく、多くの人は『幸せになりたい』と願っていると思いますが、その『幸せ』の中には
・自分らしく生きたい
という願いも込められていると思います。
健康を損ない自分の一部を失うことは、自分らしさを失うことにも繋がります。
それで結果として生きる意欲も失ってしまうことは、とても悲しいことだと思います。
『そんな未来が訪れないように』
『自分らしさ(健康)を失い生きることが苦しくならないように』
という思いをもって患者さんの身体と向き合っていきます。
健康で楽に生きる
健康を損なうことで生きることが苦しくなるのであれば
・健康であることは生きることを楽にしてくれる
ということになります。
生きていく上で、若い方ほど健康の優先度は低くなってしまうのですが、先のことまで考えると身体が健康であることの価値は想像以上に高いです。
毎日健康に気遣って生きるとなると、正直、相当窮屈な生活をしなくてはいけないので、そこまで突き詰めてやる必要はないと思います。
長い人生を楽に生きていくために
ですが、身体の健康に全く気を遣わないというのは怖いことです。
人間の寿命はおおよそ90年ほどあります。
それだけの時間を自分の身体と共に過ごすことは、頭の片隅に置いておくべきです。
『楽に生きたい』と考える時、心の問題であったり心の健康に目がいきがちです。
ですが、その生き方の基礎になるのは身体の健康です。
身体の健康も心の健康もどちらも大切ですが、身体の健康こそ生きていく上での軸になると考えています。
信じていなくても救われる
当院での施術には効果が期待できる部分が十分にあると思っていますが、その根拠(そう思わせる要因)として
・患者さんからの信用を得ていない状態でも効果を実感する患者さんがたくさんいるから
というものが挙げられます。
その根拠について説明していくと、まず鍼灸院に通われる方の多くは、初めて鍼を受ける方がほとんどです。
そして、『痛いのかな?』『怖いな』『どんなことされるんだろう』というような不安や疑問を抱えて来院される患者さんがほとんどで、基本的に皆さん半信半疑で来院されます。
実際のところ『半信』も無いかもしれません。
いきなり初対面の人を信用することは基本的にあり得ないことです
ただ、少なくとも当院で施術を受けようと予約されていますので、僅かながらの信用はあると思っていますが。
それでも僅かな信用であることには違いありませんので、私は心構えとして
・患者さんからの信用が仮になかったとしても力を尽くそう
というように考えています。
ですので、仮に信用されていなくとも施術の質が下がることはありません、安心してください。
患者さんからの信用が得にくい状況は思わしくないように感じるかもしれませんが、結果としてその状況が施術の効果を証明していると思っています。
なぜかと言いますと
・患者さんからの信用がないかもしれない状況でも治療効果を実感する患者さんがたくさんいる
からです。
そして、その状況から
・患者さんの心理状態に関係なく治療効果を出すことができる
と推測できます。
身体の痛みなどの症状は、当人の心理状態に大きく影響されますので、患者さんの心理状態が良ければ施術が良くなくても効果を実感してしまう可能性があります。
それはそれで良いことなのですが、それが施術の効果だったのかは分かりにくくなります。
ですが、患者さんがこちらを信用していない心理状態であっても効果を実感するのであれば、それは心理状態の影響ではなく、施術の効果である可能性が高いことになります。
その状況自体が施術の効果の信ぴょう性を高めてくれているということです。
患者さんからの信用が無いからこそ逆に施術の効果には信用が生まれる、という面白さがあります。
治療における一番の価値
まず一番に追求することは
・治療(施術の)効果
です
それがなければ、当院に通う価値が無いと考えるからです。
その次に
・費用対効果(コストパフォーマンス)
・時間対効果(タイムパフォーマンス)
です。
来院される方にとって、お金と時間は大切なものです。
その大切なものを使って得られる治療効果を少しでも高められるように努めていきます。
当院では鍼治療をオススメしていますが、それはその目的に沿っているからです。
患者さんが一番の求めているもの
その他に
・院内の清潔感、衛生状態
・安全な施術
などにも気を付けています。
・セラピストの人柄
・付加サービス
なども大切なことかとは思いますが、患者さんが一番に求めているものは何かに注力して、本来の目的を見失わないように対応していきます。
人柄が身体を治すことはない
誤解されるかもしれませんので先にお伝えしておきますが、セラピストの人柄がどうでも良いと思っているわけではありません。
ただ、現実問題として
・人柄が身体を治すことはない
と思っています。
病院でも同じですが、患者さんは人柄の良い先生やセラピストがいるところを好みます。
※この場合の人柄とは、あくまで患者さんの好みに合っているという意味です。
そのメリットとしては
・通院しやすい(通院することの抵抗が無くなるor減る)
が挙げられますが、ここで一度考えていいただきたいことは
・人柄の良い人に診てもらったら、治る可能性は高まるのか
ということです。
私が出す答えは『NO』で、人柄の良さと治す力は比例しません。
私も人柄の良いセラピストは何人も知っておりますし、そういった方たちの施術を受けたこともありますが、特別効果が高い(他の人と比べて)ということはありませんでした。
人柄の良さと治す力は、基本的に関係ありません。
※重要なことなので何度も言いますが、セラピストの人柄がどうでも良いと思っているわけではありません。
患者さんが病院や鍼灸院に通う目的は、『人柄の良い先生(セラピスト)に会うため』ではなく『身体を治すため』だと思います。
その目的に沿った選択をするのであれば、『先生の人柄が良いから通う』という判断はしないほうがオススメです。
もちろん人柄が良いに越したことはないのですが、そこを中心に考えてしまうのはもったいないと思います。
その選択が、自身の治る可能性を低くしてしまっているかもしれません。
好かれることよりも嫌われないこと
人柄が病を治すことは無いことから、人柄に最も重きを置くことはしていないのですが、それでも注意していることは
・患者さんに嫌われない
ということです。
もちろん患者さんに好かれるに越したことはないのですが、それを追求していくと
・患者さんに嫌われないか常に顔色を伺いながら治療する
ということになってしまいます。
そういった心持ちでは、治療に対して気の散った状態では、患者さんの悩みを解決するために全力を尽くせなくなります。
※あくまで私の考え方です。
患者さんに好かれるかもしれないけれど、治療で結果を出しにくくなるのであれば、それは患者さんにとって不利益なことだと思っています。
ですので、私は
・患者さんに嫌われない程度の人柄であれば良い
という考え方で患者さんと接しています。
それが私なりの患者さんへの誠意です。
運動(セルフケアなど)指導はほとんど行いません
私なりの施術の質の高めるための方針なのですが、
・積極的に運動指導や生活指導は行わない
ことにしています。
言い換えると
・施術時間を削ってまで指導をしない
ということです
身体のケアの方法を丁寧に伝える場合、そこに多くの時間を割く必要が出てきます。
つまり、実際に施術を受ける時間が大きく減るということです。
なんなら、実際の施術の時間は無くなってしまう可能性もあります。
そうなってくると、そこまでして運動指導などを受けたいのか、という話になってきます。
多くの患者さんにとって、それは望ましくないことだと思っていますので、当院では積極的に運動指導や生活指導を行わない方針でやらせていただいております。
簡単、手短な指導は行うことはありますし、LINE公式アカウントに登録いただいて『こんなセルフケアもありますよ』とYouTubeの動画を探してお伝えすることはありますが、それくらいのものだと思っていただければと思います。
『餅は餅屋』と言いますが、多くの鍼灸院、整体院における運動指導などに思うことですが、その道の専門家に指導を受けるのが一番良いと思います。
運動指導であればパーソナルトレーナーなどにしっかり教わりましょう、ということです。
患者さんを否定します
体調不良を改善させるためには、どうしても
・患者さんを否定しなくてはならない
という側面が治療にはあります。
これは病院でもそうだと思いますが、基本的に体調不良が引き起こされ、それが続いているということは
・その人自身や生活習慣などに何か間違っていることがあるから
と考えられます。
※遺伝などの先天的な要因によるものは除きます。
となると、その体調不良を改善するためには
・その間違いを正す、修正する必要がある
ということです。
そして、その際には
・その間違いを指摘する必要がある
ということでもあります。
つまり、患者さんが『なぜ体調不良になったのか』という問いへの答えの根本には
『あなたは間違っていますよ』
という意味合いがどうしても込められてしまいます。
患者さんを否定することになってしまうということです。
これは当然やりたくないことではありますが、やらざるを得ないことでもあります。
患者さんの体調不調を改善させるためにも、患者さんを否定する必要があることをご理解いただけると幸いです。
鍼灸の『気の流れ』は分かりにくい
鍼灸を始めとした東洋医学をベースにした治療の方針は
・気の流れが整うことで様々な症状が治る
というものです。
気の流れさえ整えば何でも治る、と解釈してしまうのは拡大解釈しすぎになってしまうので注意が必要ですが、それに加えてご理解いただきたいのは
・具体性が無い治療をする
ということです。
気の流れ、という目に見えないものを指標としていますし、その気の流れが整うということもイメージしにくいものでもあります。
こちらとしては、気の流れを
・身体の動き
・身体の緊張度合い(力み)
・呼吸
・身体の寒熱
などでを参考に総合的に観て、分析して捉えていますが、それは患者さんにとって馴染みのない知識や感覚なので、具体的に理解するのは難しいと思います。
曖昧だからこその多様性
具体性がないことは、良くないことのように思う方も少なくないと思います。
確かにそれは一理あるのですが、具体性がないからこそ良い、という面もあります。
具体的過ぎることで、そこ当てはまらないから対応できない、といったように治療が限定的なものなってしまう可能性があるからです。
東洋医学はあいまいな部分がありますが、そのあいまいさがあるからこそ様々な症状に対応できる可能性があると思っています。
慢性的な症状で苦しんでいる患者さんの多くは、その原因がハッキリしない状況にいます。
原因がハッキリしないからこそ、あいまいな要素がある東洋医学的な整体観とは相性が良いのではないかと思っています。
施術者 加藤 浩
青葦治療院・整体院の加藤です。
実は私自身も【腰部椎間板ヘルニア】を患っていました。
当時はとても辛く、特に足腰の痛みとしびれで歩けないほどでした。
まともに歩けない自分が情けなくなり、気持ちもずっと落ち込んだままでした。
ですが、そこから
・身体の使い方
・リハビリ(運動)
・神経ブロック
・鍼灸治療
の組み合わせにより、現在では症状は治まっています。
身体の調子としては、ウルトラマラソン(71km、100kmコース)にも挑戦できたくらいです。
ちなみに、71kmは完走、100kmは途中リタイヤ×2です。
2021年は、ウルトラウォーキング(104km)に挑戦し、無事に完走しました。
足の爪は2、3枚ほど剥がれましたが…。
4ラソンなどは長時間の有酸素運動であり、繰り返しの動作で負荷が蓄積されやすいスポーツですので、ケガは何度かしていました。
そういった経験やヘルニアの症状を克服した経験から分かったことは
・身体に不調があることでメンタルやその他全てに悪影響が出る
ということです。
ヘルニアになって心底落ち込んだ時のことを振り返って、身体が壊れることで『ここまで自分が変わってしまうのか』と思い知りました。
当たり前のことではありますが、人生何事においても身体が資本です。
健康な身体があってこそ、より良い人生が歩めます。
健康な身体さえあれば、困難に陥っても戦い続けることができます。
最後の最後に頼ることができるのは自分自身の身体です。
自分の身体を、もっと労わってあげてほしいです。
趣味は『食』
加藤の最も興味があるものは
『食』
です。
とは言っても、特別グルメなわけではありません。
単純に、食べることが好きであり、料理をすることが好きであり、自分で作ったものが美味しければなお良い、という感じの『食が趣味』です。
そこに加えて、できるだけ健康を損なわないように、食と関わるという部分もあります。
完璧に管理された食事では、せっかくの食事が楽しめなくなってきます。
ですので、ほどほどに管理して、たまに栄養バランスを気にせず食べて楽しんでいます。
ある程度の食事管理の目安として
・PFCバランス
を中心に考えています。
・P=Protein(プロテイン)=タンパク質
・F=Fat(ファット)=脂質
・C=Carbohydrate(カーボハイドレート)=炭水化物
で、その摂取割合(摂取カロリー)の適度なバランスは
・P:15~20%
・F:20~30%
・C:50~60%
になるのですが、実は意外とC(炭水化物)を摂っても問題ないんですね。
お米などはそこまでカツカツに切り詰める必要はないということです。
というような感じで、食をある程度管理しながら、食べたいものも時には食べるという感じで食を楽しむようにしています。
鍼灸師・マッサージ師
1.問診(問診票の記入)
分かる範囲で大丈夫ですので、ご自身の身体の状態を文字に起こしてください。
・どこが痛いか(どんな症状か)
・動作や状況によって症状が変化するかどうか
・いつからその症状があるか
を特に重視してください。
2.触診、動作、姿勢、力みなどを観る
身体に触れることで得られる情報を一番に重視します。
特に、過度な力み(無意識の緊張)には、その人の潜在的な不調も表れますので重要です。
3.問診と、触診などから得る情報を統合し施術方法を提案する
身体から得た情報を元に、症状改善のための施術のやり方を提案します。
できるだけ簡素にお伝えするようにしています。
※簡素に説明する理由
症状に対する説明をできるだけ簡素にしたい理由としては
・施術時間を圧迫しないように
・話を聞くことに集中力を使ってほしくないから
です。
症状に対して事細かに説明することも大切なことだと思いますが、患者さんが完璧に理解し、納得できるところまで持っていくためには、膨大な時間が必要となります。
それをやろうと思うと、症状の説明をするだけでまず、その日の予約時間を全部使ってしまうことになります。
つまり、
『施術を受けに予約したのに、説明だけ受けて終わって、お金を払った』
という状況になるということです。
医療的な知識がほとんどない患者さんに一から説明するとなると、結果として患者さんの目的を邪魔することになってしまいます。
もっと言うと、事細かに説明をするなら60分や120分でも全く足りません。
説明を細やかにすればするほど、患者さんの時間とお金が消費されていきます。
当院では一度、身体の健康相談と運動指導を行うコースを用意したことがありますが、そのコースをご利用になった方は一人もいませんでした。
その結果を踏まえると、『身体、症状についての説明を事細かにしてほしい』というニーズはほぼ無いということだと考えています。
そういった状況や結果を踏まえて、当院では症状に対しては簡素に説明し実際の施術に取りかかるようにしています。
また、人の話を黙って聞くという行為は思った以上に集中力を使ってしまうことも大きな要因です。
その話に、自分の知らない知識がたくさん含まれていれば、なおさらです。
患者さんの症状に対して事細かに説明すると、それを聞いている患者さんはそれだけで疲れてしまいます。
そして、その疲れを伴ったまま実際の施術に移ることになります。
それでは、身体の力も上手く抜けませんので、それが施術の質を下げることにつながります。
主に2つの理由からですが、当院では、簡素な説明で終えることでサービスの質を高めるようにしていきます。
4.施術
主に鍼と整体を組み合わせた施術を行います。
施術をすすめながら身体の変化を捉えて、その変化に合わせて施術のやり方を変えていくこともあります。
5.施術による身体の状態の変化を確認し、その後の通院などを提案する
慢性的な症状で来院される方が多いので、継続した施術になることがほとんどです。
通院のペースなどについて説明させていただきます。
鍼を中心とした施術
当院のメインの施術法は
・鍼治療
になります。
これは単純に効果を期待してのことで、
・できるだけ効果の高い治療
・できるだけ効果の続く治療
・できるだけ効果を実感しやすい治療
となるように、という目的があるからです。
鍼治療におけるデメリットとしては
・痛みが多少ある
・鍼治療後に疲労感を感じることがある(好転反応)
・内出血(青あざ)ができることがある
などが挙げられますが、それ以上のメリットがあると思っています。
また、鍼を刺した際の痛み以外にも
・響き(鈍痛のような感覚、ズーンと響く感覚)
・電気がビリっと走る感覚
が出ることもあります。
その鍼の独特の感覚が苦手な方が多いのですが、響きが出たほうが痛みの軽減は期待できる、という部分もあります。
それでも、人によっては受け入れがたい感覚だとは思いますので、その際にはお声掛けしていただければ対応を変えさせていただきますので、ご安心ください。
鍼治療がメインとなりますが、鍼が適さない部位や女性の方は触れられたくない部位もありますので、整体(マッサージ、手技療法)も組み合わせていきます。
整体も組み合わせる
整体におけるポイントは
・身体の力み(余分な力)を取り除くこと
・身体の力みが抜けるのを待つ感覚を持つ
ことです。
簡単に言うと、力づくで身体を緩めようとしないということです。
これは身体の防御反応をできるだけ引き起こさないようにするためです。
身体の不調の原因の一つとして、
・防御反応が過度に表れ、かつ収まらない
というものがありますので、そちらに配慮してのやり方です。
自分の身体と対話しながら
施術を受ける際の一番重要なポイントは
・脱力
です。
身体の力をできるだけ抜いておいたほうが治療の効果は高まります。
『身体を鎮める』と表現しても良いかもしれません。
身体の力みが強い状態は、【戦うか逃げるか反応】への結びつきが強く、こちらの施術に対して素直に受け取れない状態でもあります。
※簡単に言うと、交感神経反応が強いということです。
脱力感覚を実践できることで、治療による自分の身体の変化を捉えやすくもなります。
また、鍼治療における鍼を刺した際の痛みも出にくくなります。
脱力感覚を得るためには、自分の身体に意識を向ける必要があります。
外交的であるよりも内向的になる、という具合です。
実際に脱両感覚を引き出しにくい人は、外向性が強く意識が自分の外側に向く傾向が強いです。
外向性が生きていく上で重要であることは間違いないですが、治療においては内向性も重要ということを念頭に施術を受けていただければと思います。
※不快に感じる『かも』しれない内容になっておりますが、参考にしていただければ幸いです。
受け手の心構えで効果が変わる
鍼灸治療は『健康保険が使えない治療』となっておりますので、その分効果を高めた施術を提供することを目指していますが、患者さん自身の心構えによっても効果は高まりますので、その心構えについてお話していきます。
自我が治療を妨げる
自我の強さが身体に出ることも
一旦、自我を捨てて施術を受けてみる
『自我』を強く持っているかいないかの違いで、治療効果も違ってくると感じますので、施術を行ける際には一旦『自我』を捨てていただいて、こちらに任せていただければ、と思います。
それで上手くいかなければ、また考えましょう。
少なくとも私の経験上は、任せていただいたほうが治療効果は出やすいと感じますので、余分な思考に囚われずに施術を受けていただきたいです。
鍼灸の副作用(副反応)について
鍼灸治療に対して不安などを感じて、その治療を受けたくないと思わせてしまう一つの要因として
・鍼灸治療による副作用(副反応)
があります。
その副作用について説明していきますが、まず大前提として、副作用が出たとしても危険なものではないということをご理解の上、読み進めていただけると幸いです。
鍼灸治療による副作用として挙げられるのは
・倦怠感(だるさ)
・一時的な症状の悪化
・めまい、ふらつき
・吐き気(悪心)
・下痢
・発熱
・かゆみ、発汗
などになります。
鍼灸治療を受けた際に、そういった経験のある方もいると思います。
では、それぞれの副作用が起きるであろう理由を話していきます。
※私の持論、推測です。
倦怠感
まずは
・倦怠感
です。
倦怠感が鍼灸治療を受けて起きる、であろう理由は
・免疫、代謝の変化
・鍼灸治療を受ける際の身体の緊張
です。
免疫や代謝の働きが良くなれば、それに伴ってより多くのエネルギーを使うことになります。
エネルギーを多く使えば疲労感が出る、というのはイメージしやすいことだと思います。
また、鍼灸、特に鍼治療は鍼を刺すというところから、痛みや不安、恐怖を感じさせやすいものですので、それを受けている際は身体にいつも以上に力が入り、身構えるような形になります。
いつも以上に力が入り、かつそれが施術が終わるまで継続することになるので、これもまたエネルギーを多く使うことになります。
上記の理由などにより、鍼灸治療を受けた後に倦怠感を感じることがあると考えられます。
一時的な症状の悪化
次に、
・一時的な症状の悪化
についてです。
これに関しては、推測の入る部分が大きいのですが、おそらく
・身体の状態が変化したことを脳(神経系)が異常と捉えている
のではないかと考えています。
特に症状が慢性化している方は、になるのですが、慢性化しているということは不健康な状態が普通になっているということです。
その普通の状態から、仮に良い状態に身体が変化してとしても、それは普通から普通ではない状態に移行したことになるので、身体が異常を感じたとしてもおかしくはありません。
その結果として、身体が危険だというシグナルのようなものを発して、症状が悪化したように感じているのではないかと考えています。
ですので、身体の状態を良くするにしても、一気に変えることには考慮しないといけないということでもあります。
めまい、ふらつき
次に
・めまい、ふらつき
についてです。
これに関して考えられるのは
・ただの立ち眩み
・身体の姿勢や動きに血流の変化がついていかない
といった理由が考えられます。
立ち眩みは、鍼灸治療は基本的に小一時間ほどベッドに横になっている状況が続きます。
その状況から、施術が終わり急に立ち上がり動き出すとしたら、その動きや姿勢に血流の変化がついて来ず、立ち眩みを起こしてしまうのではないかと考えています。
心肺機能が低下した患者さんほど起きやすいのも、それが理由だと考える要因の一つです。
また、鍼灸治療によって局所的に血流が良くなることは多々あります。
そうなると、血流が良くなった部分以外の血流量は減る傾向にあります。
となると、施術が終わり動き出そうとしたときに、脳への血流が普段よりも不足して立ち眩みを起こす可能性があるということになります。
吐き気(悪心)、下痢
次に、
・吐き気
です。
これに関しても、推測が大部分を占めますが、おそらく
・消化器系の蠕動運動が活発になるから
だと思われます。
普段の消化器系の調子が悪い人が鍼灸治療を受けて、その蠕動運動が活発になると、逆に違和感を強く感じることになっても不思議ではありません。
胃は特に、違和感を感じやすい消化器ですし、胃が大きく膨らむことからも分かるように、大きく動く臓器です。
活発になり、いつも以上に胃が大きく活動してしまった結果、吐き気などの違和感となって表れているのではないかと考えています。
さらに、このことは
・下痢
についても同じようなことが言えます。
消化器である腸の蠕動運動が活発になり、排便までの時間が短くなった結果、完全に消化吸収しきれずに下痢になる、といった形です。
これも十分にあり得ることだと思います。
発熱、かゆみ、発汗
次に
・発熱
についてです。
これに関しては、倦怠感と近いものがありますが、鍼灸治療によっていつも以上に免疫や代謝が活性化しますので、その結果体温が上がることがあっても不思議ではありません。
その他にあり得そうなことは
・実は潜在的に風邪のウィルスが増殖し始めていた
ということも考えられます。
要は風邪気味の状態の身体に、鍼灸治療で刺激を与えて免疫や代謝が活性化した結果、体内の風邪ウィルスを退治しようと発熱したといった具合です。
発熱についての推測は
・かゆみ、発汗
についても同じようなことが言えると思っています。
免疫や代謝が上がり、体温が上がる方向に進んでいくことで、その際の血流の変化などが、かゆみや発汗を引き起こしやすくしているのではないかと考えられます。
かゆみに関しては、もしかすると金属アレルギーの可能性もありますので、病院での検査が必要になってくるかもしれません。
あらゆる症状を普通のものと捉える鍼灸治療
鍼灸治療は、東洋医学の領域にある治療法で、
・気の流れなどを扱う整体観
・経穴、経絡を治療の基準にする
ものなのですが、東洋医学の視点で病気やケガを考えるとすると、実は
・あらゆる病気、症状の中に特別なものは無い
ということになります。
気の流れが乱れれば病気になるし、気の流れが整っていれば健康である、とするのが東洋医学の整体観であるため、病気やケガがどういうものなのか、というよりは
・気の流れがどうなっているのか
を注力して診ているということになります。
そして、気の流れを考えて治療をするため、病気がどういうものだとかケガがどういうものだとかは関係なく治療をすすめることになります。
※あくまでも東洋医学的な視点で考えると、ということです。
ですので、例えば
・不妊症
などは難しい症状であり、治療が難しい特別なものと考えられますが、鍼灸治療では
・普通の症状の一つ(気の流れが乱れた結果の一つでしかない)
となります。
この考え方に対しては、不快に思う方もいるかもしれませんが、
・普通の症状なら普通に治るはず
という希望を与えらえる可能性もあると思っています。
西洋医学的な視点で考えると可能性が見つからなくても、東洋医学的な視点で考えると可能性が見つかるというのは、鍼灸治療の強みの一つだと思っています。
鍼灸治療を受ける際には、西洋医学的に視点による固定観念を捨てて、施術を受け入れていただけばと思っています。
※西洋医学よりも東洋医学のほうが優れていると主張したいわけではありませんので、ご了承ください。
炎症を鍼灸で抑える
身体の不調、ケガ、病気(疾患)のおよそ全てに関わる
・炎症
そんな炎症と鍼灸の関係についてのお話しです。
炎症と鍼灸
鍼灸治療の効果の一つに
・抗炎症作用(炎症を抑える)
があります。
炎症を抑える、というのはあくまで過剰な炎症を抑えるという意味です。
炎症自体は、身体の免疫などに関わる仕組みなので。
とはいえ、健康を語る上で、過度の『炎症』は大敵になります。
そんな大敵である『炎症』と戦える鍼灸治療が、色んな病気や症状に効いてくれます。
慢性炎症と鍼灸
過度な『炎症』とはどんな炎症かというと、それは
『慢性炎症』
です。
炎症とは本来、傷ついた組織の修復や免疫の働きなどにより、一時的に起きるものです。
それが、一過性のものではなく、長期的なものになる(慢性化)とどうなるか。
身体が(身体の一部が)、常にとろ火にで煮込まれているような感じになります。
つまり、常に身体にダメージを与え続けてしまう状況です。
鍼灸治療の『抗炎症作用』は、慢性炎症に対して効果を発揮してくれます。
『原因がはっきりしないけど、なんだが調子が悪い』といったような時は、慢性炎症が起きている可能性があります。
そんな症状には鍼灸治療を試してみるといいかもしれません。
炎症と難病
慢性炎症と関係のある病気には
・難病
が多く存在します。
『自己免疫疾患』といって、本来であれば自己を外敵から守るための免疫が、何らかの原因によって自己を攻撃してしまう病気が多いのですが、この『自己免疫疾患』でも『慢性炎症』が体内で起こっています。
難病に対して鍼灸治療が効果を出せる理由を探すとしたら、やはり『抗炎症作用』がポイントになってくると思います。
身体を常に、そして徐々にむしばんでいく『慢性炎症』を抑えることは、難病に限らず、身体の健康を保ち、向上させていく上で大事なことになっていくので、鍼灸治療に『抗炎症作用』があるということを知っておいて損はないと思います。
鍼灸が効く理由
鍼治療がなぜ効くのか。
それを説明する分かりやすい理屈の一つが
・ホルミシス効果
です。
それが分かると鍼が効く理由がイメージしやすくなります。
ホルミシス効果とは?
ホルミシス効果とは
・わずかな刺激(物質など)が身体によい働きを持たらす
というものです。
薬が適量なら身体に良く、過剰な投薬が毒になる、というところに似ています。
ワクチンが効く理由にも共通点があります。
このわずかな、というのがポイントです。
仮に身体にとって毒になりえるものだとしても、わずかな量であることが身体にとって程よい刺激になり、身体機能を活性化させることがある、ということです。
鍼灸のホルミシス効果
わずかな刺激が身体にとって良い効果をもたらす、それは鍼刺激にも同じことが言えます。
鍼は髪の毛以下の細さで、身体に刺したところでその刺激は微々たるものです。
※痛みや響きという【感覚】は強く感じるかもしれませんが、刺激そのものは微々たるものです。
その微々たる刺激が、
・代謝
・免疫
・血流
などを活性化させて治癒力を引き出してくれます。
そこに加えて、鍼を刺すことで身体に極わずかなキズがつくこともポイント。
キズがつけば身体はそのキズを治そうとします。
その時、身体に治癒力は活性化してます。
具体的な炎症反応が起きています。
あえてキズをつけることで身体の治癒力を引き出しているわけです。
※極わずかなキズ、というのがポイントです。
あえて身体に鍼を刺して治癒力アップ
なんで症状を治すために鍼を刺して痛い思いをしないといけないのか。
そう思う方は少ないないと思います。
その理由はホルミシス効果をイメージしてください。
身体にあえて極わずかなキズをつけ刺激を与え、治す力を引き上げる。
ちょうど現代社会の生活は身体的な負荷が少なすぎて、身体の機能が引き出しにくい状況なので、鍼治療はオススメできます。
※移動なんかは最もそれが顕著です。車や電車での移動は身体には楽すぎます。
痛いとか怖いとかのイメージはあると思いますが、根深い症状には鍼治療を一度試してみて欲しいです。
肩こりとは一体何なのか?
体調不良の基本、肩こりとはそもそも…
・肩こり
ですが、
・そもそも凝っているとは?
・なぜ凝るのか?
などの部分に関しては深く考えずに
『肩が痛いから肩こりだ』
『肩が張っている感じがするから肩こりだ』
『肩が固まっている感じがするから肩こりだ』
というような形で、肩に違和感があれば肩こり、と反射的に考えていることがほとんどだと思います。
反射的に考えてしまうこと自体が悪いことだとは思いませんが、『自分が感じているこの肩こりが一体どういうものなのか』を少しでも深く理解できれば、肩こり改善の可能性、確率は高まるはずです。
※現在更新中
パニック障害の鍼灸
鍼灸でパニック障害(発作)対策を
鍼灸院に治療に来られる患者さんには
・パニック障害
で治療に来られる方が少なくありません。
特に女性に多いです。
精神疾患の一種ですが、パニック障害に対しても鍼灸治療は対応しています。
なかなか治らなず苦しんでいる方、パニック障害は治らない症状ではありません。
※少なくとも、当院で治療を受けた方には症状が治まった方がたくさんいらっしゃいます。
パニック障害の症状
パニック障害の症状は主に
・パニック発作(予期しない、突発的な発作)
・予期不安(いつ発作が起きるか分からない不安)
・広場恐怖(行動の自由が束縛されて、発作が起きたときすぐに逃げられない場所や状況が怖い )
です。
まとめると
突発的に起こる『かもしれない』発作に不安になり、広場恐怖が強くなる
といった形になります。
パニック発作を起点に、予期不安になり、広場恐怖につながっていくのがパニック障害です。
パニック発作というものが『自分の理解の及ばないもの』でもあり、パニック発作の身体的症状そのものから来る恐怖と、その『分からなさ』がその恐怖をますます強めてしまう状況です。
そういった精神状態の悪化に伴って
・突然の激しい動悸や胸の苦しさ
・息苦しさ
・めまい
などの身体症状もあらわれます。
パニック障害の原因
パニック障害の原因として考えらえているのが
・社会的要因
・心理的要因(精神的ストレスなど)
・脳機能異常
と言われています。
鍼灸は脳機能には好影響を与えることもできますし、心理的な作用もありますので、その部分でも期待はできますが、それ以外の部分で
・心肺機能を整える
ということがパニック障害の改善には重要だと考えています。
なぜかと言うと、心肺機能が低下することでもパニック障害のような症状が起きることがあり得るからです。
パニック障害と心肺機能
比較的想像しやすい部分で説明していくと、呼吸が仮に止まるとどうなるかを想像してみてください。
呼吸が止まりきってしまえば、生命維持は困難です。
それだけ危険な状況です。
その危険な状況では、どんな心理状態になるかというと
・強い不安
・強い恐怖
といった感情が高まります。
加えて、呼吸が止まらなくても呼吸が困難な状態になれば
・息苦しさ
・胸の苦しさ
も出てきます。
さらに、呼吸機能が低下している時は心臓の機能も低下していることが多いです。
そうなると、血圧のコントロールも弱くなるため
・めまい
などの症状も出やすくなります。
以上のことから、パニック障害と心肺機能には関連があることが推測できます。
実際に私はその推測の元、パニック障害に対応して良い結果が出たケースを何人も見ています。
社会的な要因であったり、心理的な要因を改善するよりは、改善が想像しやすい捉え方ですので、実際に治療を受ける患者さんにとっても、希望の持てる方針ではないかと思っています。
自律神経についてもっと詳しく
自律神経とポリ・ヴェーガル理論
自律神経と聞くと、
・交感神経=緊張、副交感神経=リラックス
と連想することが多いと思いますが、当院での自律神経に関連する症状の施術では
【ポリ・ヴェーガル理論(多重迷走神経理論)】
を主に自律神経を考えて施術をすすめていきます。
※交感神経(緊張)、副交感神経(リラックス)という二つの分類で考えない理論です。
ですので、自律神経失調症などの症状に対して単純に、副交感神経を優位に、リラックスできるように、といったことはしませんので、ご了承ください。
そういったことは一切忘れて、施術を受けていただいたほうが良いかと思います。
ポリ・ヴェーガル理論とは
ポリ・ヴェーガル理論とは、自律神経系を三つの階層に分けて考えます。
1.腹側迷走神経系
2.交感神経系
3.背側迷走神経系
の三つに分けて分類し、かつ、この順番に上から並んだ階層構造になっています。
腹側迷走神経系の働きが良ければ、その下の階層である交感神経系も背側迷走神経系の働きも正常範囲内のものになりますし、逆に腹側迷走神経系の働きが悪ければ、その下の階層の神経系も働きが悪くなる(過度に活動する)、という形です。
三つの神経系の中で、特に腹側迷走神経系が健康的な生活を送るためには最も大切、と覚えておけば良いかと思います。
腹側迷走神経系とは
自律神経系の中で、健康を考える上で最も大切な神経系です。
一般的に認知されている、副交感神経と同じような働きとも言えますが、単純なリラックスに対応したものではありません。
4の部分が最も重要です。
1. 安心・リラックス状態を促進する
心拍数や呼吸数、血圧などを低下させ、体をリラックス状態へと導きます。
腸の蠕動運動を活発にし、消化吸収を促進します。
免疫機能を高め、病気に対する抵抗力を向上させます。
2. 社会的なつながりを促進する
顔の表情を穏やかにし、相手への共感や信頼感を高めます。
声のトーンを優しくし、コミュニケーションを円滑にします。
脳内の報酬系を活性化し、幸福感や充実感をもたらします。
3. トラウマからの回復を助ける
過去のトラウマ体験、などによる恐怖や不安を和らげ、心を落ち着かせます。
自己受容を促進し、自分自身を大切にする気持ちを高めます。
回復力やレジリエンス(忍耐力)を高め、困難を乗り越える力をもたらします。
4.社会交流システム(特に重要)
腹側迷走神経系が優位な状態のことを『ソーシャルエンゲージメント状態(社会交流)』と呼びます。
この状態では、人は周りの人と安心してつながり、心身ともに健康で幸福な状態を維持することができます。
人とのつながりを感じられるからこそ自分は安全だと認識でき、さらにその安全だという認識が身体の健康状態を保ち、高めるように神経系に作用します。
逆に、腹側迷走神経系が十分に働かない状態では、『闘争・逃走反応』や『凍結反応(シャットダウン』と呼ばれる防衛反応が起こりやすくなります。
※シャットダウンは、蛇ににらまれた蛙のように、命の危機への恐怖が強いがゆえに全く動かなくなる反応です。
※動物は動くものに対してよく反応(攻撃)しますので、微動だにしないことで逆に身を守ろうとする本能です。
交感神経系とは
交感神経系は哺乳類が出現した際に発達したシステムで、「闘争・逃走」の反応を司ります。
心拍数や血圧を上昇させ、筋肉にエネルギーを供給することで、危険から身を守るための行動を可能にします。
1.「闘争・逃走」反応の活性化
危機的状況に直面すると、交感神経系が活性化し、心拍数、血圧、呼吸数の上昇、瞳孔の散大、筋肉の緊張などを引き起こします。
これらは、危険から身を守るために必要な行動を可能にする生理的な変化です。
2.エネルギーの供給
交感神経系は、肝臓や筋肉などの臓器に指令を送ることで、グルコースや脂肪酸などのエネルギー源を血液中に放出します。
これにより、筋肉が十分なエネルギーを供給され、素早く行動できるようになります。
3.免疫機能の抑制
危機的状況下では、免疫機能が抑制されることが知られています。
これは、交感神経系が免疫細胞の働きを抑制するホルモンであるコルチゾールの分泌を促進するためと考えられています。
背側迷走神経系とは
背側迷走神経系は、ポリヴェーガル理論において、3つの階層(生命維持システム、防御システム、社会システム)のうち、防御システムに属する神経系です。
生命維持システムを担う脳幹と延髄から始まり、内臓や血管などを支配し、以下の機能に関与します。
背側迷走神経系の考え方が、一般的な自律神経の認知からは遠いと思いますので、理解するのが少し難しいかもしれません。
1.不動化反応
危機的状況に直面した際、「戦うことも逃げることもできない」と判断したときに発動する反応です。
心拍数や呼吸数が低下し、筋肉が硬直したり、意識が朦朧としたりします。
「死んだふり」をすることで、捕食者から身を守る防御反応と考えられています。
2.消化・吸収機能の亢進
胃腸の蠕動運動を活発にし、消化吸収を促進します。
促進と聞くと、良い反応のように思えてしまいますが、過度に促進(亢進)すればそれは逆に
【消化不良を起こす】
ことになります。
具体的には下痢が起きるということです。
また、蠕動運動が亢進すると腸管内の圧力が高まり、腹痛を引き起こす可能性もあります。
さらに、胆汁の分泌を促進し脂肪の消化を助けます。
これも良い一面もあるのですが、脂肪の消化が高まりすぎると、それはそれで脂肪が不足することにもなり得ます。
特に女性にとっては悪影響が出るかもしれません。
私の経験則としては、背側迷走神経系の働きが強い(不動化反応、凍結反応)方は、身体が細く脂肪も筋肉も少ないイメージがありますので、その経験則とも合っていると思っています。
3.保全
「危険が去った」と判断した際に発動する反応です。
凍結反応から徐々に回復し、心身が休息状態へと向かいます。
4.凍結(シャットダウン)
極度の恐怖によって、「思考停止状態」に陥る反応です。
不動化反応よりもさらに深い防御反応であり、記憶喪失や解離性障害などの症状を引き起こす可能性があります。
施術では呼吸を目安に
自律神経系の症状、訴えを改善する際には
・呼吸
を目安に施術をすすめていきます。
呼吸によって
・心肺機能
・腹腔内の内臓の可動性
・腹筋群の緊張のレベル
・横隔膜が使えているかどうか
・鼻呼吸かどうか
などをチェックしていきます。
呼吸に自律神経の全てが反映されるわけではありませんが、チェックのしやすいことや、内臓のお腹の中の在りようなども察知しやすいので、施術を分かりやすくしてくれます。
呼吸をチェックし、そのまま呼吸の不具合を改善することで、心肺機能も整いやすくなります。
心肺機能も当然、自律神経系と関連してきます。
顔の筋肉(表情筋)を整える
自律神経系の状態は、顔の筋肉の緊張度合いにも表れます。
表情は心理状態を表しますので、顔の筋肉が固まっている人は、自律神経のバイオリズムが狂いやすくなります。
そのため、顔への施術も自律神経系を整えるためには重要です。
顔の神経は主に
・顔面神経
・三叉神経
になりますので、それらの神経の走行に合わせて、鍼を打ったり整体を施したりしていきます。
腕の脚の、前面の緊張
後は、手足末端の緊張の緩和です。
身体を動かす際に手足を含めた筋肉が緊張するのは、当然のことですが、ベッドに横になっている時など安静時に緊張が高まっていのは、身体の闘争・逃走反応が不必要に出ているということです。
自律神経的には、適切に働いていない状態です。
※大事なこととしては、交感神経が優位になっているからといって悪いわけではないことです。
手足の緊張を緩和したいのは、人間の動作、行動の結果として手足を使うことが多いからです。
手足の緊張が高まっているということは、いつでもとっさに動けるように構えているような感じです。
ベッドに横たわっている時などの安静時は、とっさに動く必要はありませんよね。
自律神経を直接コントロールすることは不可能ですので、安静時の身体の状態を目安に、安静時であるのに何かに対して構えている状態を解除することで、自律神経を整えていきます。
大事なことなので何度も伝えますが、
・自律神経が乱れている=交感神経が優位⇒リラックスが必要、を目的としない
施術を行います。
自律神経が乱れている、そして交感神経が優位になっている、だから調子が悪いと考えている方は一度
・休みの日に1日中ベッドで寝ている
ということをお試しください。
リラックスすることで自律神経が整うのであれば、それでOKかと思います。
それで調子が整わないのであれば、『自律神経が乱れている=交感神経が優位⇒リラックスが必要』という考えを捨てることをオススメします。
まとめると
まとめると、当院の、自律神経を整える施術の考え方は
・ベッドに横になった状態を目安に考える
・安静時にも関わらず闘争・逃走反応が出ている、強い部分の緊張を緩和する
ということになります。
また、『自律神経が乱れているからリラックスが必要とは考えない』ことも重要です。
※1日中寝ていて身体をリラックスさせることで、自律神経が乱れている方の調子が整ったという話は私は聞いたことがありません。
気づいていない不調の原因?
自分では悪いと思っていないことが原因になり得る
・身体の不調が慢性化している
・原因に心当たりのない症状がある
・色々試してみても体調が良くならない
という方は、自分でも気づいていない悪い習慣などがあるかもしれません。
そこで、よくある無自覚だけど悪い習慣などで、身体の不調の原因になり得るものを紹介していきます。
ヒールの高い靴を履くことが多い
ヒールが高い靴は主に女性がよく使用しますが、踵が高いだけでも実は身体の負担は多くなりますし、その負担は慢性化しやすくなります。
まず、ヒールが高いと歩行の効率がかなり悪くなります。
歩行時に足を蹴りだし前進するタイミングでは
・足首の関節は背屈位から底屈位に大きく動く
ようになっています。
※簡単に言うと、アキレス腱が伸びた状態から縮む動きです。
背屈位ではアキレス腱は伸び、自動的にゴムのように縮む力をため込みます。
その縮む力が解放されて底屈位になることで、足は地面を押し身体を前進させます。
※筋肉を強く収縮させることなく力を生み出せるのがポイントです。
ところがヒールの高い靴を履いていると、常に底屈位(アキレス腱が縮んだ状態)になりますので、アキレス腱を伸ばして縮む力が自動的にため込まれなくなります。
そうなると、身体を前進させる力が弱くなり、かつ、その分の前進する力を裏ももの筋肉を使ったりして作り出すことになります。
その結果、非常にバランスの悪い身体の使い方、脚の使い方になり、ヒールが高い状態ではない時より疲れやすくもなります。
口呼吸がメインになっている
これもよくあるケースですが、人間は本来
・鼻呼吸
がメインなのですが、それが出来なくなって、または忘れてしまって口呼吸がメインになっている方がいます。
激しい運動をしている時やその後に、息が上がって口呼吸になるのは問題はありません。
もちろん、出来るだけ鼻呼吸にしておいたほうが良いですが。
では、口呼吸の何が問題かというと
・息を吸う効率が悪い
・肺に入る空気が温まらない
などの点で身体にとってマイナスです。
息を吸う効率は悪い、という点に関しては
・鼻と口が開いている
・鼻だけが開いている
状況を比較して、どちらが息を吸いやすいかを考えてみて下さい。
鼻と口の両方が開いていると、口から息を吸うにしても鼻と口はつながっていますので、口から吸った空気が鼻のほうに流れても不思議ではありません。
つまり、口呼吸は鼻と口が開いているため息が吸いにくいということです。
そして、息を吸いにくい状態でしっかり息を吸い込もうと思うと、副呼吸筋である肩や首の筋肉を使って呼吸する傾向が強くなります。
その結果が、いわゆる肩こりや首こりにつながっていきます。
もう一点の、肺に入る空気が温まらないという点に関しては、本来であれば息を吸う際に鼻に空気を通すと鼻の粘膜から熱と湿気を取り込みます。
それがもし口から息を吸うと、肺に入る空気が温まらない(温まりにくい)ため、肺が冷えやすくなります。
冷えやすくなると肺がどうなるかというと、肺が縮こまって膨らみにくくなります。
膨らみにくいということは、息が吸いにくいということです。
となると、ここでも結果的に息を吸う効率が悪くなり、副呼吸筋を使いやすくなってしまいます。
呼吸は1日に、1~2万回ほど行っていますので、一つのエラーがあると積み重ねられるものも大きくなりますので、じわじわと身体の不調を引き起こしていきます。
肩甲骨を内側に寄せる
悪い姿勢の代表格である
・猫背
がありますが、その猫背を直すために
・肩甲骨を寄せる
という動きや姿勢に取り組む方は少なくないようです。
確かに一定の姿勢改善効果はありますが、私の経験上だけで見るとむしろ姿勢を悪くするように作用していると思います。
というのも、仮に猫背であったとしても、その丸みが強くなった背骨のカーブはその部分だけの問題ではなく
・背骨全体の問題
でもあります(もっというと全身のバランス、重心の位置などの問題でもあります)。
猫背になっている部分だけが悪くて、猫背になっているわけではないんですね。
例えば、骨盤の前傾が上手く作れていないこともありますし、腰の背骨(腰椎)の前弯カーブのバランスが崩れている、というような土台に問題があるケースが多いんですね。
そうであるにも関わらず、猫背になっているから背中の丸みが強まった部分を引っ込めようと肩甲骨を内側に寄せるということを試みても、骨盤や腰椎の問題を置き去りにしているので、逆に身体のバランスが崩れてしまいます。
ですので、もし姿勢を本当に何とかしたいと願っているのであれば安易に肩甲骨を寄せる、寄せれば直るとは考えないようにしてください。
腰を反らせる
これも意外と多い、無自覚な不調の原因ですが、姿勢を気にするあまり
・腰を反らし過ぎる
ことも身体には良くありません。
アレルギー反応のように、姿勢に対して過度に反応してしまっている結果だと思いますが、腰はそこまで一生懸命反らす必要はありません。
実際のところ、緩やかに前側に沿っていれば良いだけです。
※具体的な数値を上げても当院では数値を測定できませんし、分かりにくいので割愛します。
腰をしっかり反らして姿勢を作ろうとすることはやめる、くらいに考えておいてください。
※当院での施術においては、こちらでカーブの状態をお伝えします。
さらに、腰を反らし過ぎてしまうことについて言及すると、
・腰椎(腰の背骨)を前に動かすことでカーブを作る
こともNGです。
というのも、腰椎は骨盤の上に、仙骨の上に乗っかっています。
腰椎を前に出してカーブを作ることは、仙骨の存在を無視した姿勢の作り方になってしまいます。
無理矢理カーブを作るのは良くないんですね。
そして、仙骨が前傾すれば自然と腰椎の前カーブも作られていきます。
意識すべきは骨盤、仙骨です。
腰のカーブを整えたいのであれば、腰ではなく骨盤を意識したほうが良いです。
腰椎を前に出すことで無理矢理カーブを作ることで、腰痛が起きているケースは非常に多いです。
関節やその間の椎間板が過度に圧縮されやすくなるため、擦り減りやすくもなります。
腰のカーブを意識することは素晴らしいことですが、自分で思っているより腰はカーブしているものではないので、注意してみて下さい。
鍼灸はスピリチュアルなのか?
鍼灸の持つスピリチュアルな一面
鍼灸治療は東洋医学を基にしたものであり、東洋医学では『気』というものを重視します。
気というものは目に見えるものではなく、明確に定義できるものではありません。
そういったものは、魂やオーラなどのスピリチュアルなものに通ずるものがあります。
ですので、鍼灸と聞くとスピリチュアルなもの、と連想して『なんか怪しい』と思われることがあるわけです。
※私としては、気はスピリチュアルなものと思っていませんが、そういった側面があることは理解しています。
そこで、改めて鍼灸とスピリチュアルの関連について考えてみたのですが、まず、鍼灸がスピリチュアルなものだと仮定します。
とすると、その施術の効果としては
・心の癒し:ストレスや心の傷を癒し、心のバランスを整える効果が期待されます。
・エネルギーの浄化:負のエネルギーを浄化し、心身の状態を改善する効果が期待されます。
・潜在能力の開花:自分の中に眠っている潜在能力を引き出し、自己成長を促す効果が期待されます。
・直観力の向上:直感力を高め、より良い判断を下せるようになる効果が期待されます。
・スピリチュアルな目覚め:スピリチュアルな側面に気づき、自己理解を深める効果が期待されます。
・健康増進:心身のバランスが整うことで、健康状態が改善される効果が期待されます。
・人間関係の改善:人間関係の悩みを解消し、良好な人間関係を築く効果が期待されます。
などが挙げられます(AIに確認しました)。
上記の例で、『心の癒し』と『健康増進』に関しては鍼灸がスピリチュアルなものでなくても期待できる効果ですので、除外しておきます。
その他の『エネルギーの浄化』『潜在能力の開花』『直観力の向上』『スピリチュアルな目覚め』『人間関係の改善』はスピリチュアルな効果と想定できます。
鍼灸でそのような効果が出せるなら、鍼灸はスピリチュアルなものと言えるかもしれません。
スピリチュアルはただの身体の変化
ですが、私はそういう風には考えていません。
というのも、上記のスピリチュアルな効果は、実は身体の健康状態が高まった場合も同じように出る可能性があるからです。
『エネルギーの浄化』であれば、身体が健康になれば元々持っていた不安感などは解消しやすく、負の感情(エネルギー)よりも正の感情のほうが高まりやすく、前向きになりやすくなります。
不健康な時ほど、気持ちが落ち込みやすいのは多くの人が経験のあることだと思います。
『潜在能力の開花』であれば、健康になったほうが自分の持っている能力を発揮できますし、不健康な時には気づかなかった自分の才能などに気づく可能性があります。
不健康な時ほど、自分の能力を含めて自身を深く理解しようとする余裕はなくなりますので。
『直観力の向上』『スピリチュアルな目覚め』も同様です。
『人間関係の改善』に関しても同様で、あまり想像がつかないかもしれませんが、不健康な時ほど余裕がなくなり、余裕がなくなると人間関係においても相手のちょっとした言動が許せなかったり、攻撃的になったり、歩み寄れなくなったりしてしまうことはよくあることです。
さらに、不健康であると自身の態度にも悪影響が出てしまいますので、相手からなんか不機嫌そうと思われたり、攻撃的と思われたり、ちゃんと話を聞いてくれてるのかなと思われたりすることにもつながります。
鍼灸はスピリチュアルなものと思われる一面は確かにありますが、逆に鍼灸がスピリチュアルなものでなくとも同じような効果が出ることはありますので、最終的にはスピリチュアルなものであってもなくても、どちらでも良いのかなと思います。
患者さんにとって受ける価値があり、受けて得をするものであれば何でも良いと思います。
それが一番重要なことではないでしょうか。
鍼灸と気と物理
鍼灸の『気』をエネルギーとして考えるなら
東洋医学では
・気
が一つの大きなテーマですが、『気』と言われても目に見えないものですし、少し怪しい雰囲気が出てしまいます。
そこで、少しでも『気』を分かりやすく考える方法として
・気=エネルギー
と置き換えてみます。
アインシュタインの方程式と気
どこかで見たことがある数式だと思いますが
・E=mc²
というアインシュタインが見つけ出した物理学の方程式があります。
・E=エネルギー
・m=質量
・c=光速
となっているのですが、簡単に表現すると
・極わずかな物質であっても大きなエネルギーを持っている
となります。
さらに簡単にすると
・物質=エネルギー
となります。
何か(物質)が存在していれば、そこにはエネルギーが存在するということです。
ここで身体は何で構成されているかを考えると
・身体=物質
とすることができます。
タンパク質、水などの物質で身体は構成されています。
となると
・エネルギー=物質=身体
となり
・エネルギー=身体
とすることもできます。
つまり、身体そのものがエネルギーの塊だということです。から
アインシュタインの方程式から考えると、かなり膨大なエネルギーの塊が人の身体です。
そう想定すると、人の身体の状態を把握することは
・(身体という)エネルギーの状態を把握すること
になります。
ここで、『気』という概念を考えると
・気にはエネルギーとしての一面がある
ことは比較的イメージしやすいと思います。
となると、身体を観て、身体というエネルギーの状態を把握することは
・身体の『気』の状態を把握する
ことになります。
こんな風に、アインシュタインの方程式を身体に当てはめると、東洋医学の『気』という概念から怪しさが大分無くなるのではないでしょうか。
個人的は、この考え方は非常に腑に落ちるものだと思いました。
私は実際に、そういう見方も使いながら患者さんの身体を診て、施術をすすめています。
身体の状態の変化はエネルギー(気)の変化
身体の持つエネルギーは、基本的に一か所に留まらず、ある程度動いているはずです。
そして、身体全体に均一に分布してもいないはずです。
エネルギーというものは、増えたり、減ったり、流れたり、そして偏ったりしているはずだからです。
その変化は、ある程度の変動の中に収まっている状態ですので、
・不安定で安定している
とも言えます。
揺らぎがある、とも言えます。
不安定で安定しているということは、実は普段の生活の中でも起きています。
例えば直立不動で地面に立っている時にも起きています。
ただただ、じっと動かずに立っているように見えますし、立っている本人もそう感じるかもしれませんが、実際には身体の重心の位置は前後左右に揺らいでいます。
揺らいでいたとしても真っすぐ立ていられるのは、その揺らぎの幅が身体が倒れるほどの重心の移動になっていないからです。
身体の状況は完全には安定していないけれど、そんな中でも保たれているということです。
エネルギーという言葉を見聞きした時に、石のような固体を想像するのではなく、何か漠然とした定まっていない力のようなものを想像することになると思いますが、人の身体に対しても、そういう見方をします。
その見方で人の身体の健康状態を観察する時は、まず、身体の中で
・どこにエネルギーが偏っているか
・どこにエネルギーの不足があるか
を観ていきます。
シンプルにエネルギーの強い弱いを観ていくということです。
その際の目安になるものが
・体型
・身体(関節)の動きの滑らかさ
・筋肉の固さ
・腹部(腹筋)の張り具合
・腹部の脂肪の固さ
・呼吸の際の胸郭の動き
・呼吸の際の腹部の動き
などになります。
まとめると、
・身体の質感を観ていく
といったところでしょう。
ここで再び
・E=mc²
を使って身体のエネルギーの強弱を観ていきます。
薄毛鍼灸YouTube
薄毛、抜け毛などの将来的な髪の悩みに鍼灸を
男性も女性も、髪の毛の悩みには根深いものがあります(特に男性は)。
髪の毛の変化というのは、老化の分かりやすいサインでもありますし、見た目の変化も大きいので、その変化を自覚したり、他人に指摘されることはメンタルへの悪影響も大きいです。
髪が白髪になる、であれば、そもそもヘアカラーをする人が多いので、黒く染めることもそこまで抵抗はないかもしれませんし、分かりやすく白髪を修正することができます。
ですが、薄毛、抜け毛はそうはいきません。
ウィッグや植毛など、対応策はありますが、それを実行するのには心理的な抵抗が大きく、そこに手を出せない人もい多いです。
となると、育毛剤やサプリメントなど髪の毛に良いものを試してみたり、最近ではAGA治療薬なども広まっていますので、そちらを利用する人も少なくないです。
AGA治療薬も効果は期待できて良いものなのですが、色々な副作用が気になって使いたくない人も多いようです。
そこで、薄毛や抜け毛で悩む人が行きつくのが、鍼灸治療による髪の毛のケアです。
このような薄毛(AGA)、抜け毛の症状でお困りではないですか?
・髪の毛を洗うと、ごっそり毛が抜ける
・洗髪後にドライヤーをかけた時の毛が抜ける量が増えた
・朝の起床時に、枕を見ると髪の毛がたくさん付いている
・髪の毛の分け目から、頭皮が透けて見える感じが強くなった
・生え際が後退してきているような気がする(額が広くなる)
薄毛(AGA)、抜け毛の患者さんの共通点
・後頭部、側頭部の筋肉が固い
・顎の動きが悪い
・呼吸が浅い
・年齢を重ねるほど治りにくい
・遺伝的要因が強いほど治りにくい(親族に薄毛の人がいるなど)
・頭皮に余裕がない(頭皮に厚みがないなど)
薄毛(AGA)、抜け毛の鍼灸施術
施術のポイントは
・頭皮のテンション
・頭皮の血管の走行
・頭皮の神経の走行
・首の筋肉(後頭下筋群、胸鎖乳突筋など)
などです。
加えて、髪の毛の変化をできるだけ分かりやすくするために
・写真で確認する
・マイクロスコープで確認する
といった作業も行い、把握していきます。
通院ペースについて
髪の毛への施術の効果は、非常に緩やかに表れます。
髪の毛には、そもそも毛周期があり、その周期に沿って髪の毛は変化します。
ですので、治療を受ける際の心持ちとして
・即効性を期待しない(毛周期がある)
・薄毛、抜け毛のケアは効果に個人差がある
といったことを念頭に置いていただけると良いかと思います。
通院ペースは
・週に1回(遅くても2週に1回)
・3か月から1年ほど継続する
というのを目安にしてください。
効果には当然個人差があり、改善しても理想通りまで改善しなかった、というケースもありますので、しっかりとご自身で症状の変化に注力していただき、治療を継続するかどうかを決めていただければと思います。
薄毛の状態の経過を見られます。

薄毛患者さんの経過再生リスト
鍼灸に関する疑問、質問など
身体が教えてくれる
私が患者さんを診る際に、最も重視しているのは
・触診(身体を触って情報を集める)
です。
もちろん、問診(話を聴くこと)も大切なのですが、実際のところ人間というものは
・10分間に3回ほど嘘をつく(初対面)
といったようなデータがあるんですね。
※患者さんが嘘を言っている、と常に疑っているわけではないですよ。そういうデータがあるという事実に基づいて考えています。
そういったデータも参考になりますし、さらに言うと
・患者さんが自分の身体の状態を正確に把握していることはほとんどない
ということもあり、問診した内容を真に受けてはいけないため、触診を重視している部分もあります。
※自分自身の身体を客観的に観ることは思った以上に難易度が高いです。
他にも、鍼灸院に来られる患者さんのほとんどは、慢性化した症状をお持ちで、かつその症状の原因がハッキリしない方がほとんどです。
原因がハッキリしない症状に対しての問診から得る情報には、果たしてどれくらい参考にして良いものなのか、と思うようになりました。
※大事なことなので2回言いますが、患者さんが嘘をついていると疑っているわけではありません。
そこで、何を参考にして身体を診ていけばいいのだろうか、と考えて自分の感覚の中でもっとも人の身体の情報を集める力があるのは
・触診
だということに気づいて、何よりも触診を大事にするようになりました。
身体にはその人自身が自覚していない
・緊張(無意識の力み)
・不安
・防御反応
・他人との関わり方(距離感)
・意欲
・習慣
などが表れます。
そういったものを何かしらの形で感じ取り認識することが、
・気の流れ
を捉えることなのではないか、とも思っています。
ですので、気の流れを具体的に説明してくださいと言われても、説明するのは難しいのですが、何かしらの違和感を感じていると思っていただければ大丈夫です。
その他には、望診(目で観察すること)によって動きの滑らかさや姿勢などを観ることも大切にしていますが、やはり触診が一番かなと思っています。
鍼灸は世界的に認められている
・鍼灸治療は何にでも効く
というのは言い過ぎですが、色んな症状に効くので多くの患者さんの力になれます。
鍼灸院に通われる方の多くは、薬などでも良くならなかった慢性的な症状でお悩みですが、鍼灸治療は慢性的な症状こそ効果の期待できる治療法です。
また、鍼灸は難病のケアとして受ける方もいます。
難病そのものを治すことは難しくとも症状を軽くするように、または進行を遅らせるように身体のケアをしていきます。
目指すのはQOLを高めるサポートです。
痛くない、とは言えない鍼灸
鍼治療には
というイメージがどうしてもつきまといます。
確かに『鍼は全く痛くないです』とは言えません。
ですが、それを差し引いても鍼治療はオススメしたい治療法です。
実際に鍼を試した患者さんからは
『鍼の効果に驚いた』
との声を多くいただいています。
イメージしやすい効果としては
・血流の改善
・神経系の働きを整える
・白血球など免疫系が整う
・炎症が抑えられる
・筋膜(結合組織)のバランスが整う
といったものがあり、それらが相乗効果を生み出します。
痛いか痛くないかよりも重要なこと
鍼治療は
・痛い
・怖い
という理由で嫌厭されがちですし、鍼灸院を避けてしまう方も少なくないです。
だとするなら、『痛くない鍼』『怖くない鍼』をすればいいのでは?と思われるかもしれませんが、そうしないことには理由があります。
それは
・患者さんにとって重要なのは『痛くない』ことではなく『体調が良くなる』こと
だからです。
となると、私たちが追求すべきなのは
・『痛くない鍼』よりも『治療効果の高い鍼』
ということになります。
これはあくまでも優先順位であり、『痛くないし効果も高い鍼』というものがあれば一番良いということは十分に理解しています。
ですが、鍼を刺すという施術であったり、主にツボに鍼を刺すという状況から、痛みを全くのゼロにすることは不可能だと考えています。
※私個人の経験上、どんなに鍼を打つのが上手いと言われている人でも、多少の痛みは出てしまいます。
※また、どれだけ細い鍼を使ってもチクッとした痛みの感覚はゼロにはなりません。
※わずかでもチクッとすれば、それは『痛みがない』ことにはなりません。
鍼を刺すということは皮膚に傷がつくということであり、痛覚が反応する可能性のある行為です。
そして、鍼で狙うツボという場所は、おおよそ神経や血管の通り道です。
ですので、そこを刺激することは痛みが出てもおかしくない、ということになります。
鍼治療には、そういった事情があることをご理解の上、施術を受けていただければと思います。
そして、そういった事情を加味して、患者さんにとって最もメリットがあるように施術をすすめていくとしたら、
・鍼が打たれるのは痛いから受けたくない
という感情的な判断に関しては、一旦、考慮しないようにすべきだと思っています。
私が集中すべきなのは、
・患者さんの痛みなどの症状をいかに改善するか
であって、
・いかに鍼治療の痛みを無くすか
ではないと考えています。
痛みを無くすために鍼を打つべき場所に打てない、というような状況になり効果が出にくくなるのであれば、それは本末転倒です。
優先すべきは効果です。
もちろん、鍼の痛みがないに越したことはありませんので、全く配慮しないということはありませんが。
私としては
『鍼って痛くない。すごい』
という感想よりも
『鍼ってよく効く。すごい』
という感想が嬉しいですし。
もっと言うと、
『鍼って痛くない。すごい』
という感想をもらったところで効果がないのであれば
『そもそも何のために鍼治療を受けたんだっけ?』
となってしまいますよね。
そして、痛くない鍼だ(効果はない、効果があったかどうか分からない)という評価をしていただいても、当院の評判が良くなるとは思えません。
患者さんにとっても、当院にとっても良い状況を作っていくためには、やはり
・痛いか痛くないか
よりも
・効果があるか無いか
に注力すべきだとということです。
気の流れと筋膜
気の流れは東洋医学による治療では一つのポイントなりますが、気のイメージが掴めない方がほとんどだと思います。
私も何となく、感覚的に捉えているのですが、できるだけ視覚や触覚に変換して気を捉えるようにしています。
・皮膚の色(血色、黒ずみ、肌荒れなど)
・皮膚の質感(肌ざわり、寒熱など)
・姿勢
・身体を揺らした際の振動の伝わり方
・過緊張(力み)
・ちょっとした動作(立ち上がり、しゃがみこみ、歩行など)
・関節を動かした際の皮膚と筋肉の突っ張り感
などは視覚や触覚で認知できます。
それらの情報は、全身を流れる気の状態に通ずるものがあります。
気は全身を巡って循環しているものなので、視覚や触覚で捉えた情報は
・身体全体を見て比較した時にどうなのか
という考え方をして分析します。
最終的には色々な情報を統合して『ここが悪いんじゃないか』『ここがもっと良くなるといいんじゃないか』と判断します。
それらの情報を統合した時に頭の中に浮かぶのが
・全身の気の流れ
です。
全身のあらゆる組織は各々の力だけで成り立っているのではなく、他の組織とのつながりがあって存在できますので、その連続性が整っていることが
・気の流れが整っている
状態と言えます。
身体の組織で全身のつながりをイメージしやすくするものとして
・筋膜
が挙げられます。
筋膜は身体の表面を覆ったり、組織と組織の隙間を埋めています。
組織と組織をつなげたり、組織と組織の程よい距離感を作ってくれています。
ですので、筋膜には
・連続性
・拡張性
・滑走性
があり、それらの性質は東洋医学的な整体観を補完し、身体のつながりを分かりやすくしてくれます。
気の流れはイメージしにくいものですが、実際にある身体の構造物を当てはめて考えていくことも一つの方法です。
経絡を構造的に
東洋医学における治療では
・経絡
というものを目安に治療していきます。
経絡には体表を走るものもあれば、それがさらに体内へとつながっている部分もあります。
といったような内容を勉強していくのですが、
・そもそも経絡はどうやって見つけたのか?
という疑問が出てきます。
古典に書いてある、昔からの言い伝え、伝統、などとしてしまってもいいのですが、それでも何か理由があって、経絡という概念を作ったと考えました。
そして、経絡という概念を作り出した理由や目安などが何がないだろうかと、考えていくうちに閃いたのは、
・身体の構造を観察している際にその構造からインスピレーションを受けたのでは?
ということです。
健康に対する欲求は今も昔も強いですが、その健康を追求する際には当然のことながら人体の仕組みを知る必要があります。
そして、昔は今ほど検査機器などが発達していなかったので、その仕組みを知る方法として
・解剖
を頻繁に行っていたのではないかと思われます。
人体を解剖していくことで、筋肉の分かれ方や内臓の位置や大きさなど、その役割ははっきりせずとも構造的なものは観察すれば分かります。
そして、その構造の中で、身体中を、全身を巡る構造がいくつか見つけられます。
それが
・血管
・神経
です。
血管や神経や身体の中で連続的に存在する組織です。
例えば、足へと向かう神経は腰から出ていますし、腰の中の脊髄は脳へとつながっています。
その、つながっているという風に見えるというのがポイントで
・つながっているのだから足への刺激が腰に伝わる可能性はあるし、さらに脳へと伝わる可能性もある
という想像ができるんですね。
そういった想像から仮説を立てて、身体に対する刺激がどこに伝わるかなどを突き詰めていったのではないか、と思っています。
さらに、どこに伝わるか、を考えてい内に、あるポイントとあるポイントへの刺激が、別の場所からの刺激なのに同じような効果を及ぼす、といったことが起きてきたのだと思います。
そういったポイントをたくさん見つけて、つなげていった時、何か規則的なものがあるのだから身体を診る一つの指標にできるのでは、と作られたのが
・経絡
なのではないか、ということなんですね。
身体の構造や仕組みを正確に知る術がなかったので、たくさんの解剖と試行を繰り返して見つけていったと思うと大変だったと思います。
私は経絡を考える時に、特に神経系を目安にするのも、当時のことを想像して経絡を考えるからです。
血管を目安に経絡を考えると、ただ血流がコントロールされて効果が出る、ということになってしまいますが、神経系であれば単純に想像される効果以外のものが出るのもあり得そうです。
そういった感じで私は経絡を捉えているのですが、だからこそ経絡を真に受けて治療をするのも考え物だなと思ってしまいます。
人体のことがまだよく分からない時代に作られたものですので、完璧でなかったとしてもおかしくありません。
先人たちの知恵、知識は大いに参考にしつつ、それに傾倒しないように経絡と関わっていくのが良いかと思います。
不健康で損しないように
病気やケガによる経済損失は年間およそ【3兆円】です。
健康問題を放置することは、【借金が利息でどんどん膨れ上がる】イメージです。
例えば、身体のどこかが痛いと
・仕事に集中できない
・家事育児がイヤになる
・楽しいことをしてるはずなのに楽しくない
なんてことはないでしょうか。
仕事に集中できなければパフォーマンスが下がり、稼ぎにくくなります。
身体の不調があって、どこかに出かけても楽しめなければ、そこに費やしたお金がもったいないです。
特に仕事の面では、これから先の高齢社会では高齢になっても仕事を続けてお金を稼ぐ、といったことも十分にあり得るため、できるだけ健康を保って年を重ねることが大切です。
緊張しても問題ないです
鍼灸やマッサージ、整体の施術を受ける時というのは、実は非常に違和感のある状況です。
まず、鍼灸師(セラピスト)と患者さんの関係というのは、基本的に赤の他人同士です。
誇張すると真っ赤な他人同士です。
にも関わらず、セラピストは患者さんの身体にしっかりと触れます。
整体やマッサージであれば、施術時間中はほとんど触れているくらいです。
ここでその距離感について考えていただきたいのですが、触れられる距離感というのは実際の人間関係では親密な関係の距離感なんですね。
物理的な距離と人間関係の親密さは比例します。
ですが、セラピストと患者さんは親密な関係ではありません。
親しい赤の他人同士とも言えます。
親密な関係ではないのに、身体には触れる(触れられる)という状況は、おそらく潜在的に違和感を感じさせていると思います(お互いに)。
特に患者さんは違和感を感じやすいと思います。
ただ、セラピストに関しては、そういった状況に慣れてますし、それが当たり前になっている仕事なので感じにくいとは思います。
何なら、セラピストは慣れによって全く違和感を感じないかもしれません。
その感じ方の違いは、患者さんとセラピストが施術の際にお互いに歩み寄っていくことを阻害するかもしれません。
さらにそれが、患者さんの不安感を高めてしまう可能性もあります。
ですので、施術を受けられる際には、お互いに距離感などの感じ方のズレがそもそもあることを前提にしてもらったほうが良いかと思います。
親しく無いけれど親しい関係のような距離感になってしまう、施術にはそういう一面があることを頭の片隅に置いておくのが良いかと思います。
ある程度不安を感じるのは当然のことですし、そういった患者さんがほとんどです。
ですが、その不安感を気にしすぎてしまい施術に対して防御的になってしまうと、身体の変化を促しにくくなってしまいます。
それは、もったいないことだと思います。
自分の身体に集中する
施術中どんな心持ちでいれば良いか、患者さんは困ることがよくあると思います。
これは正直仕方のないことで、施術中は当然ではありますが、患者さん自身で何かをすることはほとんどありません。
それに対して、セラピストは身体に触れたり、圧を加えたり、患者さんの身体を操作をしたりしているので、頭の中も忙しい状況です。
誇張して表現すると、暇そうにしている患者さんと忙しいセラピスト、という状況になります。
ですので、患者さんは施術中は基本的に手持無沙汰なんですね。
そして、施術中はじっとしていないといけないので、その手持無沙汰を誤魔化すこともできません。
そこで、患者さんとセラピストで会話が盛り上がれば良いのですが、それはそれで問題です。
セラピストの頭の中は、患者さんの身体の情報で溢れています。
施術による身体の変化を捉えていくと、さらに溢れます。
その情報を処理する中では、患者さんとの会話にさけるリソースはかなり少なくなってしまいます。
会話が盛り上がっているけど施術には集中できていない、という状況です。
それを避けるためなら、会話が盛り上がらなくても仕方ないと考えています。
患者さんとセラピストの趣味などの相性がよっぽど合っていれば、会話に集中しなくてもスムーズに会話できると思いますが、そんなことは実際にほとんどないと思います。
よく、『セラピスト(先生、医師)が合わなかった。だから通院しなくなった』という話を聞きまず。
それははおそらく『会話が盛り上がったかどうか』、『会話がスムーズにいったかどうか』で合うか合わないかの判断をしているのではないかと考えていますが、その判断の中で施術中に何かしらの気まずさを感じると『この人は合わない』と評価されている、のではないでしょうか。
話が少し脱線しましたが、私の意見としては施術中に気まずさを感じることは普通のことだと思いますし、患者さんにもそう思ってもらったほうが、考え込まずに楽に施術を受けられると思います。
さらに言うなら、施術中何もしなくて良いと考えているかもしれませんが、ご自身の身体の変化をできるだけ感じていただいたほうが施術の効果は出やすくなりますので、手持無沙汰であれば自分の身体と会話していただくことをオススメします。
不妊鍼灸治療の大前提
不妊治療で悩んでいる方、苦しんでいる方は、成果の出ない不安を抱えて日々を過ごしているかと思います。
私も不妊治療に関わることがあるのですが、その際に感じることは
・そもそもの体調を気にしていない方が多い
ということです。
※あくまで私の一意見に過ぎませんので、ご理解ください。
言い換えると、妊娠できるかどうかに注力するあまり、元々ある身体の不調に関して、それを改善しようとする取り組みをしていない方が多い、ということです。
当然のことながら、身体の調子が良いほうが妊娠の可能性は高まります。
ですので、妊娠する確率を上げるためには、そもそもの身体の調子を高めていく取り組みをしたほうが良いかと思います。
不妊治療という目的ですので、どうしても妊娠するか否かということに目がいってしまうのは仕方のないことなのですが、本質的には(鍼灸における不妊治療は)いかに体調を良くして妊娠しやすい身体に整えていくか、が不妊治療です。
『急がば回れ』という言葉がありますが、不妊治療はまさにそうだと思います。
さらに言うなら、念願叶って妊娠した後のことを考えても、元々ある身体の不調を改善しておくことは大切です。
胎児の成長を考えた時に、当然のことながら母体の健康状態は重要になってきます。
母体が健康であればあるほど、胎児への影響も良くなります。
ですが妊娠の大変さを考えると、妊娠中に自分の身体の健康を高めようと取り組む余力は無いかもしれないですし、無いとは言えなくともそれほど余裕はないかもしません。
つまり、妊娠する前から妊娠後のことを考えて、健康状態を高めておいたほうが良いということです。
私は不妊治療に関わる際には、
・妊娠するか否かよりも、まずは身体の調子を整える
そこを重視してきます。
不妊治療に来たのに頭痛改善?腰痛改善?呼吸機能改善?と思われる方も少なくないですが、鍼灸などによる不妊治療はそこが肝だと思っています。
妊娠のしやすさや妊娠後のことを考えてまでの取り組みが大切です。
根本治療の過大評価
よく鍼灸院や整体院のキャッチコピーなどのコピーライティングに
・根本治療
というワードが含まれていますが、そのワードを見た時に
『根本治療を受けさえすれば、その後ずっと体調不良にならないようになる』
と思う方は少なくないように感じます。
※実際に、そういった意図を持たせるように根本治療というワードを使っているかは私には分かりませんが。
ですので、根本治療と書くとお客さんの食いつきは良いと思います。
病院の治療においても、
『原因療法(根本治療)じゃなくて、対処療法なのか。じゃあ受けても意味ないな』
と思われる方もいるように、根本治療というワードに対する期待は大きいようです。
ですが、残念ながら
『根本治療を受けさえすれば、その後ずっと体調不良にならないようになる』
というようなものは基本的に存在しません。
上記のような意味合いの根本治療は幻想です。
分かりやすく例えると、ダイエットで考えた時、
・一度ダイエットが成功して理想的な体型になったから、その後もずっと(何もしなくても)理想的な体型を維持できる
ということはあり得ないことです。
ダイエットを肥満の根本治療とした時、それが成功したとしても、その後また生活習慣が乱れればダイエットが必要な体型になってしまいます。
がん治療で考えても分かりやすいと思います。
がん治療において、がん細胞を一つ残らず全摘出すれば、身体からがん細胞は無くなるので根本治療にも見えます。
ですが、その後身体にがん細胞が出来なくなる、ということにはなりません。
なんなら、がん細胞を摘出した部分が再び癌化する可能性すらあります。
鍼灸院や整体院の治療も同じです。
確かに一旦、病気や症状が治まることは十分にありますが、それで根本治療が成功したとはならず、その後の生活習慣などによっては再発することも十分にあり得ます。
根本治療というワードには、体調不良の人を惹きつける強い力があるようですが、そんな都合の良いものはありませんので、そのワードを見た時は一度冷静になって考えてみていただくのが良いかと思います。
筋トレで力む癖が
もっとも健康管理に効果の期待できるセルフケアであり、セルフケアの代表でもある
・筋トレ
ですが、筋トレを好む方には、実はある問題点があります。
それは
・身体を力ませることが好きになってしまうこと
です。
多くの人に自覚はないかもしれませんが、身体を不必要に力ませることが体調不良の原因になることが多々あります(私の経験則ですが)。
筋トレは一般的にいかに身体を力ませるか、になってきます。
特にウェイト・トレーニングはそうですね。
ウェイト・トレーニングを好む人は、筋トレをしていない時でも身体を力ませている傾向にあるように感じます。
これも私の経験則ではあるのですが、筋トレを好む人、ウェイト・トレーニングを好む人には体調不良を抱えている人が少なくありません。
筋トレをし過ぎて疲労が抜けきらないというパターンもありますが、身体を力ませることが普通になってしまっており、安静時にも身体を不必要に力ませて日々を過ごしているのではないかと考えています。
筋トレは健康管理にオススメのセルフケアですが、筋トレで行っている身体を力ませる行為を日常生活には持ち込まないようにするのが良いかと思います。
例えば、寝ている最中に身体を力ませているとしたら、よく寝れない、睡眠の質が悪くなりそうな気がしますよね。
筋トレする時間とそれ以外の時間の、メリハリが大切です。
難病はキュアよりケア
当院では
・難病の方の治療
も行っておりますが、治療というワードによって少し誤解されてしまうことがありますので、まず最初に謝らせていただきます。
※この場合の難病は、難病指定されている疾患のことになります。
難病治療という言い回しを使っておりますが、当院の施術には
『難病を治す力はない』
というのが事実です。
治療というワードは、『病気を治す』という連想をさせてしまいますが、実際のところは
・難病の方の身体のケアをする
ということに留まります。
当院の難病治療は
・治すのではなくケアする
ものだと思って施術を受けていただきたいです。
難病の方の治療においては、病気そのものが治らなくとも、それに随伴する症状が軽減したり、進行が遅くなったりするだけでも価値があることだと思われる方もいらっしゃいます。
そういった部分を期待して難病治療を受けていただけると良いのですが、過度な期待をさせてしまうこともありますので、先に説明させていただきました。
仮に治せなかったとしても、少しでも日々の生活が送りやすくなるよう身体を整えていきます。
鍼はおそらく、どの治療院で施術を受けたとしても
・痛みが全くのゼロでない
と思われます(多少はチクっとするものです)。
痛みの大小はあれど、痛みのある施術が鍼ですが、鍼治療は痛みがあるがゆえに
・危ないのではないか
・神経が痛んでいるのではないか
・内臓まで鍼が刺さるのではないか
といった不安を持たれる方も少なくありません。
ですが、実際には危ないものではないですし、神経が痛むこともありません。
※鍼を刺すのが危険な場所にはそもそも鍼を打ちませんし、当院で使用する鍼の強度では神経や内臓を傷つけることもできません。
鍼によって痛みが引き起こされるのは、あくまでも
・鍼刺激によって神経が反応しているだけ
です。
ですので、安心して鍼治療を受けていただければと思います。
多少の痛みは、頑張って受け入れていただきたいと思っております。
身体は歪むのか?
身体の歪みは、鍼灸院や整体院で言われたことがある方は少なくないと思います。
そして、多くの方はその歪みという言葉をすんなりと受け入れているように感じます。
ですが、そこで一度ゆっくりと
『歪んでいるとはどういうことなのか?』
ということを考えていただきたいと思っています。
『歪む』という表現が今の身体の状態に合っているかどうかを理解、イメージできていないと、自分の身体を変化させる上での障害になり得るからです。
『歪む』という言葉を辞書で調べると
・物の形がねじれたり、たわんだりして、正しくなくなる
となっていますが、これを身体に当てはめると
・身体の形がねじれたり、たわんだりして、正しくなくなる
となります。
では、身体というものは果たして
・ねじれる
・たわむ
といったことはあるのかというと
・十分にあり得ること
となります。
例えば、膝の【関節】であれば歪むことはあり得ます。
膝には曲げたり伸ばしたりの動き以外にも実は
・ねじれる動き
もあるのですが、そのねじれる動きが強く出ていれば、それは
・身体(膝)の形が歪んでいる
ことになります。
X脚やO脚が分かりやすいと思います。
では、最もよく聞く話である
・骨盤が歪んでいる
という考え方はどうかと言いますと、結論としては
・歪むことはあり得る
となります。
骨盤は複数の骨で構成されており、その結合部(関節)が
・靭帯
などのコラーゲンの強固な線維で強く固定されています。
結合部は強固ではあるものの、靭帯である以上、その靭帯が何かの原因で
・伸びてたわむ
ことはあり得ます。
となると、結果として
・骨盤の形が歪むことはある
と言えると思います。
とはいえ、強固なものには違いないので、歪んだとしても僅かなものではあると思いますが。
といった具合で身体が歪むという現象は十分に起こり得るものなのですが、歪む対象は限られてくることを理解していただきたいです。
関節であれば歪んだとしてもおかしくないですし、関節が歪んだ結果、身体の形が歪むことも起こり得ます。
顎関節を構成する骨や歯がすり減ることで、顎関節が歪み、顔の形が歪むといったケースもあります。
ここでさらに理解していただきたいことは
・骨や靭帯が変化(変形)してしまった場合、鍼灸や整体では治らない
ということです。
これはどうしようもない現象なのですが、だからといって
・歪んだ身体による症状が治らないということは無い
のですぐに諦める必要はありせん。
できること(施術、治療)はたくさんありますので、お気軽にご相談ください。
身体が歪むという表現は、よく耳にするものですが、多くの方はその現象を把握できておらず、かつ歪んでいると思い込んでいることが多いです。
その思い込みが施術、治療の妨げになることが多いですので、できたらその思い込みを一旦仕舞っておいていただけると身体の改善はしやすくなります。
また、歪むという現象を把握することが難しければ、分からないまま一旦置いておいて、いっその事深く考えずに、こちらの施術方針を受け入れてもらえればと思っています。
身体に危険な施術は行いませんので、ご安心ください。
鍼灸治療は安全ですが…
鍼灸治療は安全性の確保されている治療法ですが、当然鍼を刺すと危ない部分はあります。
まず一番分かりやすい部位を挙げると
・眼球
ですね。
眼球に鍼が刺さることは当たり前ですが危険ですので、眼球周辺のツボなどに鍼を打つ時は慎重に行っています。
慎重に鍼を打つという部分を具体的にすると
・顔の骨の上にしか鍼を打たない(骨に当たればそれ以上深く刺さらない)
・鍼先が眼球とは反対側に進むように鍼を打つ
などといった形になります。
その他の危険な部位としては
・肺(胸膜)
が挙げられます。
肺に鍼が刺さるケースは
・肋骨と肋骨の間に鍼が刺さる
になります。
ですので、背中に鍼を打つ際には注意が必要なのですが、
・背中に鍼を打つ際には背骨の上からしか打たない(背骨に当たればそれ以上深く刺さらない)
という形で慎重に鍼を打っていきます。
それ以外の部位に刺激を入れた場合は、鍼を使わずに手で施術(整体)していきます。
肺へ鍼施術の配慮としては他にも
・肩甲骨の骨折部に注意する(骨折の仕方によっては穴が創られているかもしれない)
・胸骨に先天的に穴が空いている場合があることを念頭に置いておく
などが挙げられます。
鍼灸治療は基本的に安全ではあるものの、危険な部位は避けることが前提ですので、危険な部位やその周辺には十分に注意して、慎重に施術をしていきます。
鍼灸治療で健康寿命アップ
鍼灸治療は守備範囲が非常に広いですが、身体の悩みを抱えてる方だけでなく、体調が悪いと感じていない人にも効果が見込めます。
それは、鍼灸治療で身体のメンテナンスをすることで、
・健康な人がもっと健康に
・日常生活がもっと快適に
・仕事のパフォーマンスがあがる
・病気になりにくくなる
と、より健康的な生活を送れるようになるからです。
さらに、これからはもっと高齢化が進んでいるため、より多くの人が高齢者になった時に健康を保てている必要もあります。
社会的も、個人としても、です。
特に自分のために健康寿命は延ばしていったほうが良いですし、そこにお金や時間を費やす価値は高いと思います。
鍼灸治療で健康寿命を高める
現在は、平均寿命はどんどん上がってきてますが、健康寿命はまだまだそれに追いついていない状況です。
長生きできても、身体が自分の思ったとおりに動かせないと、人生を楽しむことが難しくなってしまいます。
寝たきりの方が自分の人生に絶望を感じてしまっていることも少なくありません。
『長生き』と『健康(寿命)』を両立する取り組みが、こらからの社会には絶対に必要です。
鍼灸治療の健康増進効果で健康寿命を高めて、高齢社会でも最後まで楽しんで生きられるように、人生を逆算して取り組んでいくのがオススメです。
スポーツのケアに鍼灸を
スポーツの現場でも活躍する鍼灸師。
オリンピックに出るようなアスリートも、鍼灸の力を借りて結果を出した、といった話もよく目にします。
スポーツと鍼灸と痛み
スポーツの現場で鍼灸が最も役に立つ場面は
・痛み
です。
よくあるケガとしては
・捻挫
・肉離れ
・疲労骨折
などで、急性のケガ(スポーツ外傷)が多いです。
また、
・スポーツ障害
といった、慢性的な痛みを引き起こすものも多いです。
鍼灸の効果で最も分かりやすく、効果が高いのが、
・痛みを取り除くこと、軽減すること
です。
そして、痛みがあることで
・練習ができない
・痛みで動きが崩れる
・痛みで集中できない
などといった状況に陥ってしまいます。
スポーツにおいて、痛みは一刻も早く取り除いたものがよいものです。
※痛み自体は『身体にとっての危険を知らせてくれるシグナル』なので、痛みが絶対悪というわけではありません。
スポーツと鍼灸と動き
鍼灸治療は、スポーツにおいて大切な
・動きの質(パフォーマンス)
を高めることもできます。
痛みを取り除くことも動きの質を上げることにつながりますが、
・関節の可動域が上がる
・筋肉、神経の反応が良くなる
といった面でもパフォーマンスアップにつなげることができます。
特に、筋肉の過度な緊張(筋肉のコリなど)は、自己弛緩が難しいことが多いので、鍼灸でしっかりと弛緩させることで、バランスのとれた動きやすい身体作りをすることができます。
鍼灸治療は画一的なものではない
鍼灸院に来られる患者さんの多くが
『どの鍼灸院に行っても同じ治療が受けられる』
と思って鍼灸院を選んでいるように感じます。
その上で、クチコミの良い鍼灸院を選んでいるのではないでしょうか。
では、『同じ治療』とは具体的にはどのようなものかと言うと、
【どこの鍼灸院で治療を受けても~】
・痛みがない鍼治療を受けられる
・同じツボ(経穴)を使って治療をする
・どの症状に対しても同じ見立て(評価)をする
といったものになります。
どうでしょうか、身に覚えがないでしょうか。
ですが、実際には
『どこの鍼灸院に行ったとしても同じ治療になる、ということはありません』
です。
実は全くの逆で
『鍼灸院が違えば治療内容は全然違う』
ことがほとんどです。
鍼灸治療の基本となる解剖学や東洋医学の知識のベースは同じなのですが、それをどう使うかが同じになることはほとんどありません。
特に、鍼灸治療、東洋医学の整体観は
・気の流れ
という客観視が難しいものを基準に施術をすすめますので、鍼灸師(セラピスト)の主観や経験則が大いに影響します。
そうなると、どの鍼灸院でも同じ治療を、という画一的なものにはならず、良くも悪くも個性が出ることになります。
それは、鍼灸院を選ぶ患者さんの立場からすると厄介なことだとは思いますが、それを分かった上で鍼灸院を選ぶようにしたほうが自分に合った鍼灸院を選べると思います。
鍼灸院を探し、選ぶだけでも大変なことになりますが、ぜひ下調べを怠らずに鍼灸院を選んでください。
鍼灸院がいらなくなる?
セルフケアの一つとして
・ツボ
が使われること、連想されることはよくあることですが、セルフケアとしてツボを使うことには全く賛成です。
ある程度の効果も期待できる、と思います(本当にある程度、です)。
ですが、ここで注意しなければいけないことは
・『このツボを押せば、この症状は(完全に)治る』と思い込む(信じ込む)こと
です。
言い換えると
・ツボを使えば自分で自身の身体を(完全に)治せると思い込んでいる
のであれば要注意だということです。
何故かというと、結論として
『そんなことは起こり得ない』
からです。
人の身体はそんなに簡単ではありません。
簡単にしてしまう発想は、
『このサプリを飲みさえすれば痩せる』
というようなダイエットにおける、あり得ない発想に似ています。
そんなに簡単ではないからこそ、ダイエットはなかなか上手くいかないですし、人の身体の症状も慢性化するわけです。
そういった状況が事実として、大多数のケースで存在しています。
それを踏まえてツボについても、そんな単純なことではないことを理解していただきたいです。
さらに言うと、そんなに簡単に、ツボを押して身体が治るのであれば
・鍼灸院はもちろん、病院などもどんどん潰れていく
はずです。
体調管理は簡単であればあるほど良いとは思いますが、現実はそう甘くはないです。
ツボを使ったセルフケアはオススメではありますが、その理由は
・簡単に行えるから
であり、
・絶対的な効果があるから
ではありません。
簡単に行えて、ある程度の効果があるからオススメだということです。
人によっては全然効果を感じないかもしれません。
ですので、セルフケアでツボを使う時には、過度な期待は抱かずに『効いたら良いな』くらいの心持ちで行ってください。
ちなみに、私の経験上では、
・ある症状に対して、特定のツボを一つ二つ使った施術をして劇的に改善するということはほとんどない
となっています。
私自身の治療経験からも『そんなに甘くないよな』『そんなに簡単じゃないよな』と思い知らされています。
もし、そんなに簡単になってしまったのであれば、早々に鍼灸院を畳むことになると思います。
鍼灸院では原因ははっきり分からない
鍼灸院や整体院では、病院でするような画像検査や血液検査などができませんので、『これが原因です』と明確にすることはできません(少なくとも当院では)。
こちらから説明できるのは、あくまでも
・可能性
・推測(経験則)
についてになりますが、その可能性や推測もどうしても精度が悪くなってしまうことも多々あります。
その精度を悪くしてしまう要因として大きいのが
・実際に患者さんがどんな生活を送っているか、こちらは分からない
という部分です。
こちらも当然、問診などで患者さんの情報を集めるのですが、限界はあります。
そして、その限界自体も意外と低いところにあります。
患者さんが自身のことを語るわけですので、患者さんから聞いた情報に取りこぼしはないと思うかもしれませんが、そんなことはありません。
取りこぼしはたくさんあることが多いです。
というのも、普段から自分自身や生活態度を注意深く観察している人はほとんどいないからです。
『そんなことはない、注意深く観察している!』と思うかもしれませんが、残念ながら、それが出来ている人はごく僅かだと感じます。
自分自身を観察することよりも優先順位が高いことが日々の生活の中にはあるから、ということもあります。
患者さんが実際にどんな生活を厳密に知るためには24時間そばで、こちらが観察するしかありませんが、そんなことは現実的に不可能です。
となると、どれだけ話を聞こうと本当のところは分からないということになります。
限られた情報の中から、可能性の高いものを、推測を見つけていくことになりますので、『絶対にこれが原因です!』と言うことはできませんので、そういった一面があることをご理解いただけるとありがたいです。
鍼灸のリラクゼーション効果は?
鍼灸治療が選ばれる一つの理由が
・自律神経に良いから
というものがありますが、これは多くの人にとっては言い換えると
・鍼灸にはリラクゼーション効果がある
という表現になると思っています。
※個人的には、自律神経の症状にはリラクゼーションが効果的、とは思っていませんが。
ですが、実際に鍼灸にリラクゼーション効果があるのかというと
『無さそう…』
というのが私の思うところです。
そう考える理由としては、鍼を刺すということは少なくとも
・身体を傷つける行為
になるからです。
仮に痛くなくても、刺した際にできる傷が極々小さなものであったとしても、鍼を刺している以上は必ず『身体に傷ができて』います。
そして、身体に傷がついた時には
・交感神経反応が高まる
ことになります。
身体に傷がついているわけですから、当然身体は危険や恐怖、不安を感じることになりますので、その際に
・リラクゼーションが起きるとは考えにくい
となるわけです。
ですので、鍼灸に対してリラクゼーション効果を求めるのは正直オススメしていません。
ただ、矛盾したことを言っていると思われるかもしれませんが、
・自律神経の症状に鍼灸は改善効果を期待できる
とは思っています。
その理由は鍼灸にリラクゼーション効果があるからということではなく、別の理由からです。
そもそも、自律神経の症状に対してリラクゼーションが効果的とは考えておらず、だからこそ自律神経の症状で悩む人が減らず、慢性化しているのだと推測しています。
少なくとも、リラクゼーションで自律神経の症状が解決するという思考からは、一度離れてみてはいかかでしょうか。
第一選択は鍼灸院か?
鍼灸院に来られる方は
・原因がはっきりしない症状
・慢性化した症状
・病院では診てもらっていない症状
などを抱えていることが多いのですが、中でも意外と多いのが
・病院で診てもらっていない症状
の方になります。
病院で診てもらう前に鍼灸院に頼っていただけるのは非常にありがたいなと感じています。
また、『病院では治らなかった症状が鍼灸院で治った』という声も嬉しいのですが、注意していただきたいのは
・鍼灸院に行く前に病院で診てもらう必要がある
こともある、ということです。
分かりやすいところで挙げると、例えば
・癌(がん)
・脳の疾患
の可能性がある症状の時、などです。
そういった危険な原因が想定される、その可能性が高い時は鍼灸院を第一選択としないで病院に行って診てもらう必要があります。
鍼灸院では、その危険な症状の原因を特定することはできないからです。
実際には、そういった患者さんはほぼ来院されないのですが、頭の片隅に置いておいていただけると幸いです。
病院で治らないものもありますし、鍼灸院では治らないものもある、ということです。
鍼灸に限界は当然にあります
ケガや体調不良の改善に、鍼灸を頼っていただけることは非常にありがたいことだと思っています。
ですが、当然のことではありますが
『治らないものは治らない』
のが鍼灸です。
例えば、骨折の治療に鍼灸治療を考えたとします。
骨折という状況に対して、鍼灸ができることはもちろんあるのですが、それは
・骨折が治り『やすくなる』
であり、決して
・折れた骨が鍼灸治療でくっつく
ではありません。
骨折を始めとした身体の組織の損傷が『鍼を受けたら傷がふさがる』といったことは起こり得ません。
あくまでも、
・治癒力が整って治りやすくなる可能性がある
というものです。
さらに付け加えると、治りやすくなると言っても
・どれくらい治りやすくなるかは具体的には分からない
ものでもあります。
東洋医学の整体観からすると、骨折の治療に全く効果が期待できないわけではないが、全面的に頼っていいものではないんですね。
骨折を例に挙げて考えるのであれば、
・鍼灸はあくまでも補助的なもの
と捉えてください。
骨折の治療なら第一選択は病院です。
骨折以外にもそういったケガや病気はありますので、病院と鍼灸院の使い分けは必須です。
鍼灸院で治る【可能性】
鍼灸院は病院とは違いますので、
『治ります』
といった謳い文句は使うことはできません。
使えるとしたら
『改善する可能性があります』
くらいだと思います。
ここで注意していただきたいのは、
・あくまでも可能性の話
だということです。
確率を使って言い換えるなら
・1~99%の間で定まらない可能性
ということです。
つまり、可能性という表現には
・1%かもしれない
・99%かもしれない
というような意味合いが含まれており、かつ
・どれくらいの可能性なのか具体的に数値化できない
という意味であるということです。
仮に最悪の場合を想定すると
・改善する可能性が1%しかない
ケースもあるということです。
そういったことを踏まえたうえで、可能性があることに違いなければ『改善する可能性はあります』とお伝えさせていただいております。
鍼灸ができること
病院に通うよりも鍼灸の施術を受けたほうが良い時はしばしばありますが、その状況を簡単にまとめると
・薬で症状が改善しない時
です。
鍼灸師ですので、一番に鍼灸を選んでいただくのが嬉しいのですが、
『薬で治るのであれば、手間がかからず早期に復調できる』
ことになりますので、患者さんのメリットは大きいと思っています。
実際には、薬を服用しても治らなかった方が鍼灸院にたくさん来られていますので、薬での改善が思わしくなければ、その時は迷わず鍼灸を受けることを選んでいただければと思っています。
ただ、薬で治らなかったのであれば、鍼灸を受けてもすぐに改善しない可能性も十分にありますので、ある程度腰を据えて施術を受けていただきたいです。
オススメのセルフケアは?
詳しくはこちらから←
治療メニュー ≪税込価格≫
◎ 自律神経集中コース ≪60分:8000円≫
◎ 姿勢改善コース ≪15000円≫ ※繰り返し施術する必要あり
◎ 電気を流す美容鍼 ≪5000円≫ ※初診時は6000円
◎ 【時短コース】鍼治療 ≪4000円≫ ※初診時利用不可
読むとちょっと得する話
興味のある方はご一読ください。
ここでは
・身体が凝る=身体(関節)が固まる
と一旦定義して、身体が凝ることにもメリットがあるというお話をしていきます。
身体が凝ると聞くと悪いイメージしか湧かないと思いますが、メリットも実はあります。
例えば、ミリ単位、またはそれ以上に細かい単位での正確性が求められる職人さんの作業などでは、身体が凝っているほうが実は正確性は高まります。
ある作業をする際の、ある動作を行う場合、その動作を作る身体の関節の動きを数字で表すとします。
身体の関節はいくつもあるので、『10』の動きをする必要があるのであれば
・A+B+C+D+E+F+G+H=10
というように表現できます(あくまで仮定の話です)。
A~Hの8個の変数があるため、10になるパターンはたくさんあります。
つまり、身体の関節の動きのパターンもたくさんあるということです。
そして、身体の動きのトータルを10にするために、それぞれの関節の動きを調整して10にする必要があるので、その調整は難しくなります。
ところが、身体が凝っていて関節が固まり、動きが無くなってしまった関節があるとどうなるでしょうか。
例えば、C=0、D=0、E=0、F=0、G=0、H=0というふうに関節が固まっていると
・A+B+0+0+0+0+0+0=10
となり、その場合はAとBの関節の動きを調整するだけで良くなります。
調整が簡単になる分、動きの正確性は高まるんですね。
これは状況によっては十分なメリットになり得ます。
患者さんを見ていても、細かい作業をする方の身体は固まっていることが多いのですが、その理由の一つが身体を固めるメリットだとも考えられます。
とはいえ、健康的な生活を送る上では、身体が固まっていないに越したことはないので、デメリットのほうが大きいとは思います。
ただ、メリットもあると理解しておいたほうが時には優位に働くということも重要なポイントだと思います。
病院や鍼灸院、整体院あるあるなのですが、患者さんの中には
・(患者さんの)自己診断を正しいと言って欲しい
という方が少なくありません。
例えば、
・患者さん『自律神経が乱れていると思って来たんですが…(合ってますよね?)』
・先生『そうですね、確かに自律神経が乱れてますね』
というような感じです。
患者さんの立場になって想像すると
・自分の考えが合っていると安心する
といった心理状態かと思いますが、正直にお話させていただくと、それは患者さんが損をする考え方だと思います。
分かりやすいので病院の先生を例に、患者さんの立場と比較してみると
【 比較表 】 | 医者 | 患者 |
---|---|---|
医学的知識 | 多い | 少ない |
身体の観察経験 | 多い | 少ないor無い |
視点 | 客観的 | 主観的(になりがち) |
といった形におおよそなります。
この比較表を見て、お医者さんと患者さんの判断の妥当性を判断するなら
・お医者さんの判断のほうが妥当である
となるのではないでしょうか(絶対に、とは言えませんが)。
そうなると、
・(患者さんの)自己診断を正しいと言って欲しい
と考えて病院に行かれるのは少し危険な気がします。
そういった考えでお医者さんと向き合うと
『自分の自己診断に賛同してくれないから良い先生ではないかも?』
となってしまい、より妥当なことを伝えてくれているにも関わらず『良い先生ではない』と評価してしまう可能性が出てきます。
そういった現象は、鍼灸院や整体院でも起こり得ます。
私たち医療従事者に対して、その判断などに不安を感じてしまうことは仕方のないことだと思いますが、だからといって自己判断を過信することは危険ですしもったいないことだと思います。
患者さんの自己診断とは違っても、より良い判断や提案をしてくれるお医者さんを始めとした医療従事者の方はいらっしゃいますので、拒否反応を抑えて冷静に話を聞いていただくほうが患者さんにとってメリットがあるのではないかと思います。
『病は気から』という言葉は、よく使われますが、その言葉は
・気持ちが弱ると病気になる
と解釈することがほとんどだと思います。
ですが、私はその解釈は妥当ではないと考えています。
というのも、東洋医学の整体観は
・気の流れが整うことで病気が良くなる
なのですが、逆に考えると
・気の流れが悪くなることで病気になる
となります。
つまり、『病は気から』ということです。
『病は気から』という言葉は、実はそういう意味合いなのだと思っています。
実際には、東洋医学における『気の流れ』の『気』には、『気持ち』の概念も入ってくるのですが、『病は気から』は『気の流れが悪くなると病気になる』という意味合いのほうがしっくりきます。
正直、気持ちが弱ると病になるということだと、
『病になるのは気持ちが弱い証拠だ』
みたいな暴論が出てきそうで、個人的には嫌いな言葉でした。
気の流れが悪くなって(乱れて)、病気になるのであれば納得です。
病気になりたいくない、と考えるのであれば、気持ちの強さに頼ろうとせず身体の状態に注力してケアすることが大切です。
また、気持ちの弱さについて考えるなら、『気が病むのは身体から』だと思っています。
・気持ちが弱くなるのは身体が弱っているから
ということです。
風邪をひいて身体が怠かったり、痛かったりすると、弱気になってたり落ち込んだりした経験がある方は多いと思います。
身体の不調に心が引っ張られてしまっているんですね。
もし『自分の気持ちは弱いんじゃないか』と悩んでいる方がいたら、私は『まずは身体をもっと元気にしましょう』とアドバイスしています。
気持ち、メンタルの強さに対する価値観は、社会的には中々に厳しいものがありますが、気持ちやメンタルのことは一旦置いておいて、もっと身体自体を大切に、労わってあげましょう。
治療において、傾聴やカウンセリングなど、患者さん話を聞くことは大切であると言われていますし、患者さんからしても話をしっかり聞いてほしいというニーズはあると思います。
確かに話をしっかり聞くことは大切なのですが、『なぜ大切なのか?』の理由についてはあまり深く考えたことがないのではないでしょうか。
結論からお話しすると、
・治療のヒント(原因)を見つけるために
話を聞くことが大切なんですね。
そこがブレてしまうと本末転倒です。
ブレてしまうとどうなるかというと
・患者さんの話したいことを全部話してもらう
といった状況になってしまいます。
患者さんは全部話して気持ちがスッキリするかもしれませんが、患者さんが来院する目的は
・身体の不調を治すこと
であり、気持ちをスッキリさせることではありません。
気持ちがスッキリするのは、体調が良くなればこそ、でもあります。
また、患者さん自身も話すことに集中してしまい、こちらがお話しする身体状況などの説明が頭に入りにくくなってしまいます。
加えて、予約された時間、施術に使える時間は決まっています。
話をすることに集中しすぎると、その時間が長くなってしまい、実際に施術を行う時間がどんどん減っていってしまいます。
『それでもいい』と言われるのであれば、予約された時間をそう使っていただいても良いのですが、多くの患者さんにとって、それは望ましくない状況だと思います。
最後にしっかりとお伝えしておきたいのは、決して『患者さんの話を聞くのはムダである』、『話をして気持ちがスッキリしても意味がない』ということを主張したいわけではありませんので、誤解のないようお願いいたします。
美容鍼灸や姿勢改善などの施術効果を見せるために
・ビフォーアフター
の画像を載せることはよくあるのですが、まずはその比較画像をしっかりと疑って見ていきましょう。
例えば、ビフォーアフターの但し書きとして
『目や耳などの大きさを合わせているので縮尺は同じなので、骨格が小さくなっています』
などの文言も載っていますが、自分で縮尺を再度合わせて確認してみると、実際には骨格のサイズが変わっていないことがほとんどです。
美容鍼灸で言うなら、『顔の浮腫みが軽減して顔が小さくなる』のであれば分かるのですが、骨格が小さくなることはありません。
また、ビフォーとアフターの写真を見比べた時に、同じアングルで撮っていても背景の明るさが違うことも多々あります。
それによって、ビフォーに比べてアフターのほうが肌のトーンが明るくなっているように見えてしまいます。
そもそもビフォーアフターの比較画像を正確に作ること自体が難しいです。
そういったことを踏まえて、ビフォーアフターの画像を見るようにしていきましょう。
全部が全部、そうではないのですが、注意が必要です。
特に骨格自体が小さくなるという謳い文句には注意してください。
骨格を小さくできるとしたら、それは美容整形外科での施術だと思います。
エビデンスという言葉の意味を知っておきましょう
個人的に今回の記事の内容は、非常に重要なものだと思っています。
医療において、何か治療を施す際に
・エビデンス
というものは非常に重視されます。
というのも、エビデンスがあるからその治療法を施す意味がある、と言えるからです。
ところで、ここでいうエビデンスというのは
・薬や治療法、検査方法などについて、その有効性や安全性を判断する科学的証拠のこと
です。
医療においてエビデンスが重要なのは、
『ちゃんと科学的証拠のある治療を行っていますよ』
と治療における効果や安全性を謡うためです。
確かにこれは非常に重要なことです。
では、科学的証拠とはそもそも何なのかはご存じでしょうか?
その答えは
・臨床研究や臨床試験、治験などの研究を重ねることで創られるもの
・複数の研究が同様の結果を指し示した場合に、信頼に足る証拠とされるもの
です。
つまり、エビデンスとは
・実験データによって効果を検証されたもの
なんですね。
医療におけるエビデンスを考える際には、患者さんにはこれを忘れないでいただきたいと思っています。
実験データありきのものが医療におけるエビデンスです。
エビデンスの解釈が違うときがあるので要注意
さきほどの説明したのが、医療におけるエビデンスという言葉の意味と使われ方なのですが、このエビデンスという言葉の意味をちゃんと理解しておかないと、鍼灸や整体の施術を受ける際に勘違いが起きてしまうことがありますので、要注意です。
エビデンスという言葉、英単語には医療的な意味合いを除くと
・証拠
・根拠
・証明
という意味があります。
そこに証拠という意味が含まれていますが、紛らわしことにそれは
・証拠=科学的証拠、ではない
になります。
例えば、肩こりには僧帽筋のマッサージが有効だというエビデンスがあったとします(実際にはないですよ)。
ここでいうエビデンスは、本来の医療的な意味であれば
・僧帽筋のマッサージをして肩こりが軽減したというデータがある(科学的証拠)
とになるのですが、エビデンス=証拠と単純に考えてしまうと
・肩こりを起こしているのは僧帽筋である
・僧帽筋という筋肉は解剖学上、確かに存在している(解剖学的な証拠、科学的証拠ではない)
という証拠があるので、肩こりには僧帽筋のマッサージが有効である、となってしまうんですね。
肩こりに僧帽筋が関係しているという証拠は見つけられるものの、肩こりが僧帽筋のマッサージで軽減するという科学的証拠はない、という解釈にもなります。
これも非常に重要なことなので、ぜひ覚えておいてください。
意味がよく分からなければ何度も読み返して考えてほしいところです。
そして、鍼灸や整体の施術においてエビデンスがあると謡われている場合のほとんど(なんなら全て)は、科学的証拠の意味でなく、単なる
・証拠
という意味合いです。
残念ながら、それが現状です。
私たちとしても、科学的証拠のある鍼灸や整体を施したいのですが、それがまだ存在しないのが現状です。
鍼灸や整体にエビデンスが創れないワケ
鍼灸や整体にエビデンス(科学的証拠)がないことは残念なことですが、それも実は仕方のないことなんですね。
というもの、鍼灸や整体では客観的な実験データを取ることが非常に困難だからです。
鍼灸や整体の施術においては、必ず
・人
が関わることになります。
そして、人が関わるということは
・それだけで心理的な変化が起きてしまう
ということです。
さらに、心理的な変化が起きてしまうということは
・身体症状にも変化が起きてしまう
可能性があるということです。
つまり、人が関わることで治験者さんに起きる変化が
・鍼灸や整体に施術による変化なのか、人が関わることによる変化なのかが判別できない
ということです。
ですので、なかなかエビデンス(科学的証拠)のある鍼灸や整体の施術を提供できないんですね。
何とか改善するための『証拠』としてのエビデンス
鍼灸や整体にエビデンス(科学的証拠)は無いに等しいですが、それでも鍼灸や整体によって身体の症状が好転することはよくあることです。
逆に、エビデンス(科学的証拠)のある治療法でも良くならないこともあります。
正当化したいわけではありませんが実際に良くなる人が存在する以上、エビデンスが無いから行ってはいけない、ということではないと思っています。
そこで、少しでも鍼灸や整体の効果を信じてもらうために、効果を期待してもらうために
・解剖学(身体の構造)などの知識という証拠を基にした施術
を提供していきます。
科学的証拠よりは弱いものの、身体の構造や仕組みから推測、想像される治療法は試す価値が十分にあると思っています。
エビデンス(科学的証拠)がないことを嘆いても仕方ないので、それよりはエビデンス(知識という証拠)で裏付けして、さらにそこに経験則を組み合わせて、少しでも良い施術が提供できるようにしていきたいと思っています。
【短所を克服するよりも長所を伸ばす】という言葉は、一理ありますし、人の教育面であったり生き方の指針としては、納得のいくものではあります。
ですが、残念ながら健康面に関して言うなら、全く妥当な考え方ではありません。
健康面を改善していくのであれば、まず何よりも
【短所を克服する(無くす)】
ことを優先しないといけないんですね。
例えば、ダイエットで考えると分かりやすいですが、ダイエットに取り組んでいる明らかな肥満体型の方が
・1日1時間、毎日運動をするという長所がある
・毎日、スナック菓子を大量に食べることを止められない短所がある
という人が、その状況ではまだまだダイエットが上手くいかないため
・1日2時間運動をするようにして長所を伸ばした
という風に取り組んだ場合、果たしてその人のダイエットは成功するでしょうか。
おそらく、そのダイエットは失敗すると思います。
確かに、運動時間を増やすという取り組みは素晴らしいのですが、その長所はお菓子を大量に食べてしまう短所を打ち消すこともできないですし、短所の作用を上回ってダイエット効果を出すこともできません。
ダイエットを例に挙げましたが、飲酒の習慣が止められない人が肝臓の調子を崩した際に、飲酒を止めないで肝臓に良いサプリを飲む習慣という長所を付けたしたしても、肝臓の調子が良くならないということも例としては想像しやすいと思います。
【短所を克服するよりも長所を伸ばす】という言葉は、非常に耳障りの良い言葉なので、その考え方は使いやすいのですが、健康面においては絶対に当てはめないでください。
まず間違いなく、長所を伸ばすよりも短所を克服する(無くす)ことが大切です。
自分の体調管理の為にストレッチなどのセルフケアを行っている方は多いと思いますし、治療院でセルフケアの方法を教えてほしいというニーズも実際のところ多いようです。
ですが、ここで一つ知っておいてほしいことは
・セルフケアはそもそも難しい
ということです。
単純に自力で継続することが難しいという面もありますが、それに加えて
・自分のやっている運動(ストレッチなど)の動きを自身で把握できてない
ことがほとんどだからです。
つまり、
・その指示された(またはYouTube動画で見た)運動を正確にやれていない
いうことです。
やっているようでやっていない、そんな状況にセルフケアはなりやすいです。
それを防ぐためには
・指示されたことを正確に記憶する
・正確に記憶した動きを自分の身体で正確に再現する
必要がありますが、それほどの記憶力と身体操作能力を持った人というのは、ほとんどいません。
さらに言うと、人の身体には個人差がありますので、モデルになった人の体型と自分体型とのズレもあったりしますので、正確に記憶して正確に再現しようと思っても、やはり手本からズレてしまう可能性もあります。
そういった状況で、もし仮に鍼灸院などに行ってセルフケアを教えてもらおうとした場合、そのセルフケアの実施はさらに難しくなります。
なぜかというと、
・教えられたことを一回で覚えられる人はほとんどいない
からです。
ほとんど人は、過去にテスト勉強というものをしたことがあると思います。
なぜテスト勉強が必要かというと、授業で習ったことを一回で覚えれないし、理解できないからです。
だから、復習が必要なのですが、セルフケアを頑張ろうとする人の大半は復習をすることは基本的にありません。
『一回で覚えた』『もう大丈夫』と自分がやっているセルフケアが教わったことと同じなのか、の確認をしないんですね。
もちろん、セルフケアの肝は継続するか否かですので、教わったものと違っていたとしても継続すれば、ある程度の効果は期待できます。
ですが、
・より正確に
・より自分の動きを把握(理解)して
セルフケアに取り組んだほうがより良い結果に結びつきます。
また、その人の症状が難しければ難しいほど、その改善のためのセルフケアは教わった通りに行う必要が出てきます。
では、どうやったらセルフケアをより良いものにできるのか、ですが、その具体的なやり方は
・セルフケアを行っている自分の姿を動画に収めて後で確認する
ことです。
そして、それをこまめにやることです。
その繰り返しをしているうちに
・自分の身体のライン(姿勢)や動き
・セルフケアの動画などと自分の違い
などの理解が深まり、自分の身体に対する認知も良くなります。
自分の身体や動きを把握すればするほど、健康は高まりますし、ケガなどもしにくくなります。
セルフケアは大切なことであり気軽に行えるものではありますが、実は難易度が高いものということを念頭に置いて、面倒くさがらず自分のやっている姿を動画でこまめに確認することをオススメします。
健康法として
・1日2リットルの水を飲む
というのはかなり有名なもので、取り組んでいる方もたくさんいらっしゃいます。
私も試していた時期があるのですが、その時に気づいたことがありまして、それは
・やたらお腹が空く
ということです。
後になって気づいたことなのですが、よくよく考えると
・血中の水分量が増えることで血糖値が下がる
ことになるんですね。
血糖値が下がることは、糖尿病という病気があることで良いことのように思われがちです。
確かに良い一面はあるのですが、血糖値が下がることの弊害も当然あります。
分かりやすいところでいうと
・ダイエットが成功しにくくなる
ということが挙げられます。
水分量が増えて血糖値が下がっている状態は、血糖の総量的には十分だったとしても、脳が認識する血糖値は低い状態として捉えられることになります。
それが結果として食欲を増してしまうんですね。
・血糖値が低いと脳が認識する⇒血糖を補わないといけない⇒食事をもっと摂らないといけない
という流れです。
ですので、ダイエットをしている方、ダイエットがなかなか上手くいかない方で、水を2リットルを飲む習慣をつけている場合は、一度やめることを検討することをオススメします。
夏によるある体調不良の中で多くの人が感じるものとして
・夏バテ(夏の暑さに適応できていない状態)
がありますが、そこまで身体に悪いことはしてないようでもなってしまうのが悩みどころだと思います。
ですが、身体のシステムを考えると実は当たり前のように身体に悪いことをしている可能性があります。
その一つが
・室内で自然にかいた汗をエアコンで冷やすこと
です。
この行為は、お風呂上りなどでしたことのある人がほとんどだと思います。
この行為に対して『何が悪いの?』と思う人もほとんどだと思いますが、汗の本来の役割を考えると身体にあまり良くない行為なんですね。
汗の役割として一番大きいのは
・身体を冷やすこと(体温調整)
です。
体温が上がると汗を身体表面に出します。
すると、その汗は身体の熱を奪って蒸発します。
『気化熱』というのですが、体温が気化熱に変換されて、その奪われた熱の分、体温は下がります。
そうやって体温を下げるのが本来の仕組みなんですね。
ところが、汗をかいた状態でエアコンで身体を冷やすと、その仕組み以上に身体が冷えることになります。
・身体の体温-気化熱-エアコンの冷風
といった具合です。
さらにいうと、エアコンで身体を冷やすことは身体を急に冷やすことになります。
本来であれば、汗が乾く際の気化熱で緩やかに身体が冷やされるのに、です。
身体の冷える程度も重要ですが、急に身体が冷えて体温が変化することも身体には良くないことです。
身体の恒常性を保つシステムは、基本的に緩やかに働くものだからです。
かいた汗をエアコンで冷やすことは、身体のシステムにとってはエラーを引き起こしやすくするものだからこそ、その結果として体温調整が上手くいかずに夏の暑さに身体が対応できなくなるんですね。
これは扇風機でも同じですが、扇風機のほうがまだマシかと思います。
汗を一気に冷やすことは気持ち良いですし、汗でベトベトする感じから早く解放されたくなる気持ちは十分に共感できます。
ですが、身体にとっては不自然な体温変化をもたらしますので要注意です。
では、夏場に室内で汗をかいた際のより良い対処方法は何かというと
・タオルなどで汗を拭くこと
です。
要は気化熱を発生させないようにするんですね(エアコンで体温は下がります)。
ありふれた行為ではありますが、効果的な方法です。
これをするだけで、気化熱で体温が下がる分が減りますので、エアコンで冷えても体温の変化は緩やかになります。
洗濯物が増える手間はありますが、夏バテを防止、予防できるなら手間をかける価値はあると思います。
夏バテに良くなる人、夏バテがキツイ人は一度お試しください。
身体のケアとして人気のある
・ヨガ
ですが、本質的なところから見ると一般的なヨガは、ヨガであってヨガではないんですね。
※だからダメ、ということが言いたいわけではないので、ご理解ください。
ヨガは本来、
・瞑想
という面が強く出るものです。
自分の心身との対話です。
色々なポーズをとるのも、そのポーズの意味をイメージしながらやることに意義があります。
さらに、そのポーズをとっている際に自分の身体と心がどう感じているかを探る(メタ認知)ことも大切です。
ですので、ポーズをとることそのものが目的ではないんですね。
そのポーズを取れるだけの柔軟性ももちろん大切なのですが、そこだけに注力してしまうとヨガをやる意義が半分くらい無くなってしまいます。
ヨガという名のストレッチをやっているだけ、になってしまいます。
ただ、本格的なヨガはマンツーマンで教わる形が良いと思いますので、体操教室的な形で大勢でヨガをやるのは本来向いていないエクササイズだと思います。
みんなでワイワイやるのは楽しいですが、自分自身と向き合う時間にはならないと思いますので。
※大事なことなので2回言いますが、ヨガはダメ、ということではありません。
余計なお世話になりそうな気もしますが、ヨガをやるのであれば身体の柔軟性や可動性などのストレッチ要素に目を向けるよりも、瞑想の部分に目を向けて取り組むほうがオススメです。
自分の心身と対話して、自己理解を深めることは当然健康に結びつきますので一石二鳥になります。
ぜひ、瞑想でもあることを意識してヨガに取り組んでください。
突発性難聴を起こし、その後遺症である
・耳鳴り
・難聴
などで悩む方が多数来院されていますが、話を聞いていると
・耳掃除を頻繁にする習慣がある
という方がけっこういらっしゃいます。
エビデンスがあるわけではないのですが、そういった方をたくさん診ていると何か関係があるのでは?と思ってしまいます。
そこで色々と考察をしてみたのですが、その結果導き出された推測は
・耳掃除の際に耳の中に小さな傷がつき、そこから菌やウィルスが入り込み感染する
というものです。
何度も言いますが、エビデンスがあるわけではありません。
ですが、あり得そうな現象だと思います。
耳掃除を頻繁に行う方は、耳垢を徹底的にとろうとする方が多いようです。
その結果が、綿棒などで必要以上に力を加えているの?と想像できます。
顔で考えると分かりやすいのですが、洗顔などでなるべく力を入れないで洗うと気を付けている方はたくさんいると思いますが、顔に対してそう扱うなら、耳に対してもそうしたほうが良いと思います。
さらに言うなら、基本的に耳掃除はする必要はありません。
放っておくと耳垢で耳が詰まってしまうくらいの方は別ですが、本来は放っておいても自然と取れていくものです。
耳の健康を考えるなら、耳掃除はしないでいいくらいのものだと頭の片隅に置いておきましょう。
耳掃除に拘り過ぎると、突発性難聴になってしまうかもしれませんよ。
漠然として、ですが、クラシックバレエをやっている方は姿勢が良い、と思われている方が多いのではないかと感じます。
クラシックバレエをやっている本人も、姿勢が良いということに自信を持っていることも少なくありません。
ですが、際のところ、クラシックバレエをやっているからといって、姿勢が良くなるわけではないんですね。
簡単に言うと、
・クラシックバレエの中での良い姿勢と日常生活を送る上での良い姿勢は全くの別物
だからです。
クラシックバレエで作っていく姿勢は、あくまでクラシックバレエ用の姿勢です。
クラシックバレエの姿勢は、真っ直ぐ立つのが基本です。
ただ、その真っ直ぐは背骨にも適応されます。
背骨を真っ直ぐに伸ばすことは、身体の構造上良くないことです。
背骨は軽くカーブしているのが良い状態だからです。
ストレートネックが悪い姿勢、と言われていますので、それを連想すると分かりやすいと思います。
ということで、結局何が言いたいかというと『姿勢を良くするためにクラシックバレエを習うのはやめましょう』ということです。
日常生活を送る上での良い姿勢が身につくわけではありません。
ちなみに、クラシックバレエをやっている方の多くは、肩こりや首こり、頭痛などに悩まされていることが多いので、そういった私の経験則的にもそう言えます。
鍼灸治療は代替医療(補完医療、伝統医学)に分類されます。
西洋医学との違いは、『治療効果の根拠が薄い』ことですが、西洋医学には無い可能性を感じで鍼灸治療を選択する方もたくさんいらっしゃいます。
※ちなみに、私は西洋医学を全く否定しておりません。東洋医学も西洋医学も良いところがあると思っています。
その選択が間違っているとは断言できませんが、実際のところ代替医療には懸念点がいくつかあります。
その懸念点を挙げていくと
・経済被害
・機会損失
などが挙げられます。
経済被害
経済被害というのは簡単に言うと
・自己負担金が多い
ということです。
代替医療の多くは健康保険が使えず自由診療(実費治療)です。
安価な健康保険を使った治療があるが故に、その対比として代替医療は高額な印象を与えてしまいます。
そして、その高額な印象に見合うような治療効果が得られれば良いとは思いますが、実際には金額に見合わないこともしばしばあるようです。
そういった状況になってしまうと、代替医療を受けることによる経済被害だと言うこともできてしまいます。
機会損失
機会損失も代替医療を受けることの懸念点としては大きなものになります。
これは
・代替医療に拘るあまり、標準治療を受けるタイミングを逃し、さらには病状が悪化してしまう
というケースなどで言えることです。
『早期に、医療における標準的な治療を受けていれば本来治っていたはずなの』ということは少なくありません。
実際には、逆も起こり得るのですが(例えば、ヘルニアのオペをせずに鍼治療を受けて改善したというケースなど)、癌などの治療で代替医療を選択することで、代替医療を継続していった先に病状が取り返しのつかないくらい進行する、といったことがあり得ることは考慮すべきだと思います。
懸念点の解消
経済被害と機会損失、どちらも重要な問題ですが、まず機会損失に関してはシンプルに
・セカンドオピニオン(サードオピニオン)
をしっかりと取ることで解消できます。
西洋医学的な診断も、代替医療の立場からの見立て、両方の視点からの意見を参考にどちらを選ぶかを決めれば良いと思います。
私自身もそう促していますが、代替医療では明らかに無理と思われるケースや進行することで命の危機になってしまうケースなどは、病院受診、精密検査をしっかりと受けることが大切です。
また、代替医療をまず試してみて、2、3回受けて効果がイマイチであれば病院受診をするという形も良いかと思います。
代替医療の立場からは、代替医療で無理なものは無理としっかり伝えることも大切だと思っています。
経済被害は意外とない
経済被害に関しては、自己負担金は病院での治療と比べると確かに高くなりますが、そこに時間という観点を加えると、そこまで差はないのではないかと思っています。
腰痛を例に挙げると、病院に掛かって健康保険の自己負担が3割だとして
・診察料:1200円
・検査:630~6500円
・治療薬、リハビリ:200~500円
くらいになり、例えば腰痛で病院受診をしてレントゲンを2枚撮り、痛み止めなどを処方してもらうと2500円ほどになるようです。
実は健康保険を使っても意外とお金は掛かっているんですね。
ちなみに、リハビリは1回、20分、550円ほどです。
60分に換算すると、1650円です。
鍼灸治療と比較すると、1回、60分、6000円ですので、金額だけを見ると分かりやすく高くなっています。
ですが、病院に掛かることには、掛かり続けることには多くの時間を使うことになります。
通院するための移動時間、診断、治療までの待ち時間は蓄積されるとかなりの時間数になります。
『時は金なり』という言葉がありますが、その通院に掛かった時間分アルバイトでもできたら、と考えたら分かりやすくなります。
腰痛を例に考えると、鍼灸治療では1回で改善するケースもありますので、そうなると健康保険を使った治療よりもかなりお得になります。
健康保険を使った治療と代替医療では、代替医療のほうが費用や時間が掛からないケースもありますので、経済被害が絶対にあるとは言えないということです。
比較的最近になって、瞑想(メディテーション)が認知度を上げてきていますが、瞑想と聞くとどうしても
・スピリチュアル
なものとして扱われてしまい、どこか怪しいもの、信ぴょう性のないものとして思われがちです。
ですが、私としては、瞑想はスピリチュアルなものではなくフィジカルなものだと考えています。
瞑想でポイントとなるのは
・呼吸
・身体感覚
です。チャクラがどうとかオーラがどうとか魂がどうとか、ではないんですね。
もちろん、そういったキーワードを元に瞑想をしたほうが効果がある人は、そうしたほうが良%8と思いますが、呼吸や身体感覚に注力して瞑想したほうが分かりやすくなるのでオススメです。
呼吸も身体感覚も、自身の身体を軸としたものです。
そして、多くの人が普段意識しないものでもあります。
自分の呼吸を真剣に感じようと思ったことのある人も、身体の感覚に真剣に目を向けようと思ったことのある人も、おそらく少ないはずです。
そこに目を向けると、気づいていなかったけど実は自分の身体がこうなっている、ということが分かってきます。
呼吸であれば楽に呼吸をしていると思っていたけれど、肩や首に力が入っていることに気づくかもしれませんし、自分で思っているより胸や背中に空気が入ってこないことに気づくかもしれません。
また、身体感覚であれば無意識レベルでの身体のムダな力みなどに気づくかもしれません。
そこに気づいて、今度はなぜそうなったのか、どうやってそれを改善していけばいいのか、という風に考え方を広げていっても良いのですが、そこまでしなくとも
・とにかく自分の身体を感じる
ことに集中すれば大丈夫です。
さらに言うと、
・そうやって感じている今この瞬間に集中する
となお良いです。
それができたからといって、今すぐに体調不良が治るとは言えませんが、少なくとも自分の身体なのに自分で把握できていない人の体調不良は治りにくいものになります。
瞑想をやったからといって意味がない、と考えてしまうのは『今この瞬間に集中していない』ことにもなってしまいます。
先のことは考えなくとも、瞑想を続けていくうちに身体を感じたことの記憶が蓄積されて、あの時の今の身体の違い、状況の違いなどにも気づけるようになります。
余計なことを考えず、瞑想では呼吸や身体感覚に注力して自分をただただ感じるようにすればOKです。
何か重たいものを持つ時など、精一杯力を出す際には
・息を止めて(息んで)力む
ということを行うことがあります。
ところが、この息む行為を息む必要がない時にも行ってしまっている方が実は多くいます。
理由は色々考えられますが、
・気持ち的に何かにおびえている状態
・いつでも力を出せるように備えている状態
など、自分の身を守ろうという意識が、潜在的に強いとそうなるのではないかと考えています。
最近では特に、お金や政治のニュースなどで生きている上での恐怖感、不安感に襲われることが多くなっていますので、余計にそういった反応が出やすくなっているのではないかとも想像できます。
息むこと自体に害はないのですが、不適切に息んでいるのであれば身体に悪影響を及ぼします。
頭痛や肩こり、不眠、疲れやすさなど、原因がはっきりしない症状を引き起こすことが考えられます。
常に息んでいるということは、常に身体に余分な力みがあることになり、私の考えでは
・気の流れが悪くなっている状態
と捉えられます。
息を止めることが気の流れを滞らせているイメージです。
息むことを悪とせず、ただ不要な息みは無くすように心がけていくだけでも、身体の不調が改善する可能性もありますので、やはり自分自身の身体と向き合うこと、マインドフルネスであることは大切だと思っています。
バルザルバ効果、という医療用語があるのですが、簡単言うと
・息を止めて力むことでいつも以上の力が出る
というものです。
身体に起こっている反応としては
1.息を止めていきむことで胸腔内圧が上昇する。
2.胸腔内圧の上昇により心臓の拡張が阻害され、拡張期血圧が上昇する。
3.胸腔内圧の上昇により血管が圧迫されるため、収縮期血圧も上昇する。
4.息を止めることで静脈系は血液を送り出す力が弱くなり、上大静脈・下大静脈に血液が流れにくくなる。
5.灌流できなくなった血液が鬱滞して静脈がパンパンに膨れ上がる。
6.静脈還流量が減ると左室容積も次第に減り、1回拍出量の低下から血圧が下がると、交感神経が緊張してカテコラミンリリースが起きる(交感神経反応を高める)。
といった具合なのですが、その結果として筋肉の緊張が高まりやすくなり、力が出しやすくなるという形になります。
このバルザルバ効果ですが、一番の要点は
・胸腔内圧が高まる
という部分です。
つまり、胸腔内圧が高まるのあれば、息を止めなくても起きる現象だということです。
鍼灸院に来院される方に多い、よく見かける身体の特徴として
・体幹部が薄い(平坦)
というものがあります。
この体型に該当する方は、エビデンスはありませんが
・症状が慢性化しやすい
・原因がはっきりしない症状を持っている
ことが多いです。
そこで推測されることが
・普段からバルザルバ効果を使っているのでは?
ということです。
体幹部が薄いということは、心臓や肺の入っているスペースが狭いということです。
狭いスペースの中で心臓や肺が膨らむことは、胸腔内圧を高める可能性があります。
そうなると特別、運動などをしていない安静時にも、バルザルバ効果が表れる可能性もあります。
つまり、身体のおかれている状況に対して、不適切な反応を引き出してしまっているということです。
それでは、身体のバイオリズムは狂いますし、狂ったままで保たれてしまいます。
その結果として、
・症状が慢性化しやすい
・原因がはっきりしない症状を持っている
といったことが起きているのではないか、と考えています。
当院では、しばしば呼吸の状態を確認し、呼吸機能の改善を狙って施術をしますが、そこにはバルザルバ効果についての考察から得た推論が含まれています。
呼吸は基本的に無意識に行うものであり、普段はあまり気に留めるものでもありません。
だからこそ、なかなか治らない症状の原因として、あり得るものだと思っています。
医療や介護の仕事では、どうしても
『人の命が係わる領域でお金儲けをするな』
という意見が出てきます。
この意見に関しては、確かにそう言いたくなる気持ちは分かるのですが、医療に関わる当事者としては
『しっかりお金儲けはさせていただきます』
とお答えするしかないと思っています。
病院などの事情は分からないので、鍼灸院、治療院、整体院の立場で考えていくと
・お金儲けをしないと簡単に潰れる(閉店する)
ということがよくあります。
だからこそ、お金儲けはしっかりとしないといけないんですね。
当然、医療に関わる人にも生活がありますので。
では、医療というものが人の中でどんなものとして扱われているかを説明していきます。
実は、医療、健康に関わるサービスというものは、多くの人にとって優先順位が低いものになっています。
痛みなどの症状が無ければ治療を受けたいと考えないのが、おおよその人の行動パターンで、わざわざ健康状態を高めるために鍼灸院などに通う人はごく僅かです(最近では少し増えてきていると思いますが)。
明確な不具合が身体に無いのであれば、そこにお金と時間を使うくらいなら、
・美味しい食事
・楽しい旅行、レジャー
・趣味
などにまずお金を使うことがほとんどです。
そして、そこにお金をしっかり使ってしまっては健康増進に使うお金はどんどん無くなっていき、使うことは無くなります。
さらに、鍼灸院などに通う人は、症状が改善すれば通うことは一旦無くなります。
また、セラピストの腕が良ければ良いほど、通う回数も少なくなります。
そういった状況では、鍼灸院などの経営は非常に難しいものになります。
そして、経営が厳しくなれば、そこで働くセラピストの生活も危うくなります。
つまり、医療に関わるサービスで生活していこうと考えると、しっかりとお金儲けについて考えておかないと危ういということです。
油断していると、鍼灸院などは簡単に潰れます。
腕が良くても、治療を頑張っても、です。
それは理解していただきたいところです。
もっと言うと、経営が厳しく、生活を送っていくのも難しくなっている、余裕の無いセラピストに果たして身体を診てもらいたいと思うでしょうか。
余裕の無い人間に、冷静な判断ができるでしょうか。
私なら、そんな余裕の無い人に身体を診てもらいたいとは思いません。
危ない、と思ってしまうからです。
セラピスト側に、ある程度の余裕があるほうが良い医療サービスが受けられると思っています。
以上の観点から、医療や介護などの人の命に係わる領域であっても、お金儲けは考えないといけないですし、お金儲けはしないといけません。
ご理解いただけると幸いです。
姿勢で悩む方は多いようですが、姿勢を直そうとするのであれば、まずは
・肥満解消
から始めなければいけません(肥満の方は)。
身体にムダな脂肪があればあるほど、姿勢を整えても上手くいかなくなります。
お腹に脂肪がつき、大きくなれば、その重さに腰が引っ張られますし、大きなお腹を引っ込めようと頑張ることで腹筋の緊張が強くなりすぎて、それも姿勢のバランスを崩してしまいます。
腕についた余分な脂肪も同じで、腕が重くなれば、それだけ腕の位置を保つために筋肉の緊張を高める必要があります。
腕に関しては、腕の脂肪が腕の周径を太くしますので、本来であれば体幹の側面に沿うように位置している腕が、外に広がるようになります。
その状態では、腕の位置が落ち着かないので、今度は肩をすくめたり、脇を占めるように身体を緊張させますので、肩こりが強くなる原因にもなります。
身体の重さと体積の問題は、想像以上に大きな問題です。
気づかないところで、身体のバランスを大きく崩していますので、姿勢を直したい方で肥満の方は、まずは肥満解消して、その後姿勢改善に取り組んでください。
メカニカルストレス、という言葉は多くの人にとって馴染みのない言葉だと思いますが、身体の健康状態を考える上では重要な概念になります。
メカニカルストレス、日本語に訳すと
・機械的刺激
となりまして、訳してもまだ馴染みのない言葉だと思います。
では、機械的刺激とは、どんな刺激かと言いますと主に
・圧迫(圧力、静水圧など)
・伸展(伸長)
・せん断(ズレを与える)
・重力(重さ)
・振動
となっています。
例を挙げてもやはり馴染みのない言葉だと思いますが、このワードがどの専門分野で使われているかというと
・細胞力学(メカノバイオロジー)
という学問になります。
細胞力学も馴染みのない言葉だと思いますが、簡単にいうと
・細胞に加える力が細胞をどう変化させるか
を問う学問です。
その細胞に加える力が
・メカニカルストレス(機械的刺激)
ということです。
前置きがかなり長くなってしまいましたが、このメカニカルストレスは鍼灸治療や整体を考える上でも参考になる概念です。
人間の生体としての最小単位は細胞ですが、その細胞が代謝を変化させる際のスイッチの一つが実は
・メカニカルストレス
なんですね。
実際には、そのメカニカルストレスが細胞の働きを変えるスイッチの大部分を占めています。
つまり、細胞へ何かしらの影響を与えたければ、メカニカルストレスを考えましょうということです。
そして、そのメカニカルストレスは鍼灸や整体の施術によっても確かに生まれています。
鍼灸治療などが身体の代謝や免疫の状態を変化させ、健康状態を好転させるのはメカニカルストレスを細胞に与えているから、という要因があるということです。
身体の生体としての最小単位が細胞である以上、細胞の状態が整うように仕掛ければ自然と身体の調子は良くなり、健康状態も高まるという理屈です。
細胞に対するメカニカルストレスの影響を考えるメカノバイオロジーの領域では、例えば
・細胞周辺の組織などの状態の【硬度が高い】と、その細胞は代謝機能を落とす
という現象が起きることも分かっています。
再生医療の領域でも、幹細胞をいかに狙った細胞に変化させるかを考える際に、どんなメカニカルストレスが条件になっているかを検証することがあります。
それくらい、メカニカルストレスが身体に与える影響は大きいということです。
身体の健康を考える際に、一般的には
・血流
・体温
などを考慮してセルフケアなどを行いますが、それも突き詰めていくとメカニカルストレスに結びつく一面があります。
運動が健康に良い、というのも運動によって生まれるメカニカルストレスが細胞の状態を整えることで健康に結びつくということも十分にあり得ます。
自律神経の働きなどを考慮するのも大切ですが、個人的にはそれよりもメカニカルストレスについてもっと理解を深めたほうが健康増進につながると思っています。
姿勢を直せる(努力は必要)
肩こりや腰痛を始めとした不調を抱えている方は、
・姿勢が悪いから調子が悪い
と考える方は少なくありません。
実際のところ、『全てが姿勢の所為である』ということはないのですが確かに一因にはなってきます。
ですので、姿勢を直す、整えることは身体の不調を改善するのに有効です。
可動性、力み(脱力)、身体感覚
姿勢を直す際のポイントは
・可動性(関節可動域)
・脱力(余分な力みを取る)
・身体感覚(自分の身体の輪郭など形を認識する)
になります。
上記のポイントが整えば整うほど、姿勢が自分でコントロールしやすくなり、仮に姿勢が乱れても自分で調整できるようになります。
身体の可動性
可動性がポイントになる、というのはそもそも姿勢を整えるように身体を動かす際の、関節可動域がお備わっていないと、良い姿勢を作ることができないからです。
身体の可動域が出たところで姿勢が直るわけではない、と思ってしまう方は少なくないと思います。
セルフケアでしっかりストレッチをして、可動域が改善したけど姿勢は直らなかったという声も聞いたことがあります。
そういうケースもあるのですが、姿勢を直すためには関節の可動域が正常範囲内である必要はあります。
可動域さえ正常であれば姿勢は直る、という意味ではないだけです。
脱力しても保たれる姿勢に
次に脱力です。
この脱力が正直かなり難しいポイントになります。
脱力と聞くと、
・力を全て抜く
と解釈する方もいますが、そうではなく
・必要最小限の分だけ力を入れる
というのが必要とされる脱力です。
要は力を抜いた状態で姿勢が保たれているということは、身体のパーツの位置関係が良く、余分な力を使わなくても安定している状態が作られている、ということだからです。
そのため、脱力できるかどうかが姿勢を整えるために大切なポイントになってきます。
身体の感覚を高める
姿勢を直す際の最終目標は
・自分で自分の身体をコントロールすること
です。
仮に姿勢が乱れても、それに自分で気づき修正する。
そこまで至れれば最高の結果です。
そのためには身体が今どうなっているかを感じ、認知する必要があります。
自分の身体を感じる能力を高めなければ、自分の姿勢がどうなっているかを認知することはできません。
身体感覚が弱く、自分の姿勢が今どうなっているかを感じれないということは
・スタート地点とゴール地点が分からずに目的地に向かっていく
ような形で姿勢改善に取り組むことになります。
スタートとゴールの間にあるギャップを埋めていくのが姿勢改善です。
まずは現状把握するのが大切です。
身体の感覚で姿勢を認知することができないのであれば、写真や動画で客観的に自分の身体を観察すべきです。
自分で確認するなら、下着姿か裸で身体のラインが明確に見える状態で確認するのがベストです。
なんとなく、ではなくできるだけ明確に、姿勢を把握しないといけないです。
院での施術では、そういった格好での姿勢確認は行いませんので、自分で確認する習慣をつけるのがオススメです。
姿勢を直したくても直らない
姿勢は基本的に直せるものだと思っていますが、それでも直らない人が大半を占めています。
※骨の変形などの不可逆の変化が身体に起きていればいるほど直りにくくなりますが、それは一旦置いておきます。
なぜ直らないのかを身体を観察したり今の社会状況を参考に分析してみると、その答えは
・身体(スタイル)に対するコンプレックスが意識されやすく、強くなりやすいから
というのが一つあると思います。
今の社会は、他人との比較が簡単にできてしまう時代です。
SNSがあるからですね。
自分の身体のスタイルを気にして、コンプレックスを感じることは昔からあることでしたが、そのきっかけは恐らく
・タレントやモデルのスタイルと比較することで生まれるコンプレックス
だと思います。
言い換えると、
・自分とは住む世界の違う、遠い世界の存在(のスタイル)との比較から生まれるコンプレックス
だったんですね。
だからこそ、そこにコンプレックスを感じたとしてもある意味普通のことであり、コンプレックスに対しても諦めが付きやすかったはずです。
ところが今では、SNSで自分と住む世界の同じ人とのスタイルの比較が簡単に出来てしまいますし、その頻度も激増しています。
そうなると、自分の身体のスタイルに対するコンプレックスに対してなかなか諦めが付きにくくなります。
『自分と同じような立場なのに、何でこんなに違うんだ!?』
『自分も同じようなスタイルじゃないとおかしい!』
というような思考です。
そうなってくると、何かが何でも自分のスタイルを整えようとしてしまいます。
それは潜在的に、無意識に行う可能性もあります。
何が何でも、とすることは、身体を常に緊張させることにつながります。
例えば、お腹が出ていることを気にする時、少しでも出ていてはいけないと考えるなら、かなりの力みをもってお腹を引っ込め続ける必要があります。
それを四六時中行うことにもなります。
ですが、姿勢を直すことに注力するのであれば、それは大きな障害になってしまいます。
そして、その障害はコンプレックスをどうにかしない限り無くなりません。
そうなると、こちらが姿勢を修正したとしても、コンプレックスに囚われることで身体がまた戻の身体に戻ることになります。
良い姿勢というのは、見た目が良い姿勢とは別物です。
見た目が多少悪くなっても(お腹が出たりしても)、身体が楽になることのほうが重要です。
姿勢を直す際には、直したいと考える際には、自分の身体のスタイルに対するコンプレックスに折り合いをつけてから取り組むことをオススメします。
大谷翔平選手の肘のケガ
野球選手のケガ、中でもピッチャーと言えば
・肩
・肘
などのケガが多く、大谷翔平選手なんかも肘を2回ほど手術しているくらいです。
なぜここまで肩や肘のケガが多いのかを考えると、その理由の一つは
・筋肉はすぐに成長するが他の組織はそうではない
ということが挙げられます。
他の組織とは
・靭帯
・骨
などのことなのですが、筋肉との成長速度のギャップが何を起こすのかというと
・筋肉が生み出すパワー(能動的or受動的)に靭帯や骨の強度が追い付いていない
ということです。
最近ではウェイトトレーニングで筋肥大を促進するのがパフォーマンスを上げるためによく使われますし、どんどん効率化されているように感じます。
ですが、筋肉は効率よく鍛えられたとしても、靭帯や骨はもっともっと時間をかけて変化をしていきます。
野球のピッチャーであれば、球速が高いほど有利になりますので、そこを追求する過程で筋肥大を狙いますし、早く成績を上げたいと考えますので効率良くトレーニングする必要があります。
そういった事情があるため、靭帯や骨の強度が追い付いてくるのを待っている時間がないのかもしれません。
あくまでも一つの要因ではありますがん、球速の高いピッチャーほど肘などの故障は多いように見受けられますので、十分にあり得る話かと思います。
これは一般の方が、実生活に落とし込むことも可能なことです。
骨や靭帯は緩やかに変化していきますので、身体は急に強くならない、時間をかけて強くしていくものだと思って、自分の健康管理を行うと良いかと思います。
良い姿勢の認知のズレ
姿勢を気にする人は多く、メディアでも姿勢について取り上げられることもよくあります。
それだけ姿勢についての関心が高いのだと思いますが(メディアで取り扱うことが多いから気にすする人が多いのかもしれませんが)、私が姿勢について感じることとして
・良い姿勢の定義がズレている
というのがあります。
具体的に言うと
・見た目が良い姿勢のことを『良い姿勢』としている
ということです。
つまり、モデルやバレリーナの方のとる姿勢を良い姿勢としてしまってるんですね。
ですが、多くの人が求めている『良い姿勢』は
・身体への負担が少ない姿勢
です。
鍼灸院や整体院に来られる患者さんは、身体の症状を治したいと考えて、そのための方法の一つとして
・姿勢を直したい
・良い姿勢にしたい
と考えるわけですから、
・見た目の良い姿勢
になりたいわけではないはずです。
にも関わらず、姿勢を直したい、良い姿勢にしたいと考える際に、患者さんは
・見た目の良い姿勢
をイメージしてしまいます。
見た目の良い姿勢と、身体への負担が少ない姿勢は全くの別物です。
姿勢を直したいと考えるのであれば、自分が求めている姿勢がそもそもどんなものなのか、どんな目的で姿勢を直したいと考えるのかを、一度振り返っていただくのが良いかと思います。
お腹が出ていても良い姿勢になる
分かりやすい例を挙げると、おそらく多くの人は
・お腹の出ている姿勢は悪い姿勢
と考えがちだと思います。
それが肥満によってそうなっているのであれば、良い姿勢ではないのですが、中肉中背の体型などで
・多少お腹が出ていたとしても良い姿勢
であることは十分にあり得ます。
それはお腹が全く出ていない人、フラットなお腹、横から見た時に薄いお腹(腰回り)になっている姿勢の人よりも、良い姿勢である可能性が高いです。
お腹が全く出ていない人は、多くの場合
・腹筋に力を常に入れている
・横隔膜を使った呼吸をしないようにする
といったような形でその状態を保っています。
その状態を保つことは身体への負担を増やすものになっています。
その状態を続けることは
・健康的な(身体への負担が少ない)姿勢
を獲得するための邪魔になります。
お腹が出ていないほうが確かに見た目は良いのですが、それは健康的な姿勢とは言えるものではありませんので、姿勢改善を何のためにするのかを明確にすることは重要です。
必要ならお腹も出す
呼吸のことを考えると、お腹がある程度出ていたとしても正常なことですので、良い姿勢を作るためには
・必要ならお腹を出す(凹ませない、フラットにしない)
ということもやっていきます。
見た目が悪くなる、といった心配を考慮していては良い姿勢は作れません。
とにかく見た目の良い姿勢になりたい、という場合は整体院などに通うのではなく
・社交ダンス
・クラシックバレエ
などに取り組むことをオススメします。
ただ何度も言いますが、見た目の良い姿勢が健康的な姿勢ではありませんので、それを理解した上で選ぶべきだと思います。
自律神経はコントロールできる(ある程度)
自律神経は名前の通り
・自律的(無意識)に制御されている神経系
であり、だからこそ自律神経が関係すると思われる症状は意識的に何かを行っても治りにくいのですが、
・全くコントロールできないものではない
という一面も持っています。
そのための方法のポイントは
・呼吸
です。
自律神経の働きの中でも、呼吸は特殊な機能で
・自律的にも意識的にも変化する
ものだからです。
運動をすれば、自律的に呼吸数が増え、呼吸は浅くなりますが、その呼吸の変化は意識的に作ることも可能です。
自律的な反応を意識的に引き起こせるということですね。
意識的に引き起こした自律的でもある反応は、自律神経系の働きにも影響を与えます。
意識的に引き起こした反応に対して自律神経系が合わせるように働くことがある、ということです。
※完全に、ということではありません。
そういった身体の反応を利用して、自律神経をある程度コントコールできるようになります。
そのために、もっとも使いやすいのが
・呼吸
ですので、自律神経を整えて体調不良を解消したい際には、呼吸機能の改善、コントロール能力を高めることをオススメしています。
抗重力筋と姿勢
抗重力筋、という概念が運動学にはありますが、抗重力筋は直立二足での姿勢保持に使われる筋肉といったものです。
そして、姿勢保持に使われるということは抗重力筋の働きが悪いと姿勢も崩れる、といった考え方もできます。
なので、姿勢を直す際には抗重力筋を調整して、といったアプローチも出てきます。
ですが、このアプローチは上手くいかないケースが多いです。
抗重力筋というくくりはあるものの、抗重力筋の役割は重力に抵抗するだけではないからです。
そこだけ見ていても姿勢保持以外の目的で使われてしまえば、抗重力筋を整えてもその瞬間だけのものになり、その瞬間はよくても後に残る学習にはなりにくいです。
重力に逆らうのでなく道を譲る感覚
抗重力筋という一つの考え方から姿勢を見ると、まず言葉自体が良くないと思います。
『抗』、ということは重力に『逆らう』ということ。
『逆らう』ということは『力み』につながります。
そして、『力む』ということは『脱力』から遠のきます。
『脱力』は身体の感覚や意識を高めるのに重要なもので、姿勢を見つめ直すために身につけないといけないものです。
『抗』重力筋という考えを使い、わざわざ『力み』を作る必要はないということです。
ではどんな感覚、意識で重力と向き合えば脱力して良い姿勢が作れるのか。
一つのイメージを考えるなら
『重力が身体を通りやすいように道を譲ってあげる』
といった感覚でしょうか。
身体を主体にするのではなく重力を主体にした考え方です。
重力がスムーズに、キレイに、真っすぐに身体を通り抜けられるようなイメージです。
主体を自分の身体にしないこともポイントです。
姿勢もそうですが、身体というのは外界に合わせて常に変化しています。
外界(重力を始めとした外部環境)がどちらかといえば身体を支配しているのです。
なので、重力をコントコールしようとするのではなく重力が身体をコントロールしやすいように持っていく、そんな感覚を持つことで身体を重力に委ねられるので自然と脱力も出来てきます。
委ねていれば頑張って姿勢を良くしようという『力み』も生まれません。
あくまで一つのイメージではありますが、興味ある方は参考にしてみてください。
だるま落としを積み上げるように
その他のイメージで姿勢を整えようとするのであれば
・だるま落とし
を思い浮かべて考えてみると良いかもしれないです。
だるま落としは、同じ形のブロックがいくつか積み上げられていますが、人が力を特に加えなくても、支えが無くとも自立しています。
さらに、ブロックをキレイにまっすぐに積み上げず、多少それぞれがズレていても、やはり人が力を加えなくても、支えが無くとも自立します。
なぜズレていても、支えが無くとも自立、安定しているのかというと、
・重さ(重心)が支持基底面内(一番下のブロックの底面内)に収まっているから
です。
その状態であれば、多少ブロックがズレていても問題なく自立します。
それを身体に当てはめて姿勢を考えてみて下さい。
人の身体の姿勢も、特に力を入れることなく安定した姿勢を作ることができます。
※全く力を入れずに、はできないですが、力みを大きく減らすことはできます。
力みが少なくなれば、その分身体の負担、疲労も少なくすることができます。
また、筋肉が固まりすぎることも予防できます。
人の身体はだるま落としのように均一のブロックが積みあがったような形はしていませんので、支えが全くいらないとはいきませんが、足、脛、大腿、骨盤、背骨、頭といった形や大きさの違うブロックをうまく積み上げれば、
・身体の負担の少ない楽な姿勢
を取れるようになっていきます。
あとは、腰の反り込み過ぎやアゴの引き過ぎ、お腹の凹まし過ぎなどに気を付けて、余分な力みのない、少ない姿勢を作れると良いかと思います。
姿勢はまず脱力から
姿勢を直そうと考えたとき、よくある方法論として、整った姿勢と言われる
・身体の部位(肩峰、大転子、耳など)を一直線に揃える(横から見て)
といったやり方があります。
確かにそれも一つの方法ではあります。
ですが、普段の生活の中で自分の姿勢を自己調整しようと思った時、肩峰やら大転子やらの位置を気軽にチェックできるかというとそれは難しいと思います。
また、必要な部位が一直線に揃っていたとしても、揃えることに執着した姿勢は無駄な力が入っており、決して安定した姿勢とは言えないものになります。
姿勢を修正する際に必要なのは、もっと感覚的なものが必要です。
そこで必要になってくるのが
・脱力
です。
脱力ができることで、身体の感覚や意識が高まります。
その感覚や意識を元に姿勢を修正することが姿勢改善につながります。
簡単な実験
脱力が感覚や意識を高めると言いましたが、そういった経験をされた方は少ないと思うので、簡単な実験をしてみて、ぜひ試してみてください。
やり方は簡単です。
1.両手の手のひらに同じくらいの重さ、形状のものを乗せる(全く同じものが望ましい)。
2.両手のものが落ちないくらいに腕の力を抜く。
3.その状態から片方の腕だけにしっかり力を入れる(腕の位置は変わらないように)。
この実験をやってみるとどうなるかというと、両手には同じ重さのものが乗っているはずなのに力を抜いている方と力を入れている方で重みの感じ方が違ってきます。
そしてそれは、力んでいる方の腕に乗っかってるものの重みが正確に感じることができていないからです。
力を抜いている腕の方が、物の重みをより正確に感じ取っています。
つまり身体の力を抜く、脱力した方が感覚は高まり、力むことによって感覚は鈍くなるということです。
脱力=力を『全く』いれない、ではない
とはいえ、力を完全に抜いてしまえば人は倒れたり崩れたりしてしまうので、脱力と言ってもそれは『全く力をいれない』ということではありません。
脱力の捉え方は
・脱力=無駄な力みがない、必要最低限の力み
ということです。
身体にとって健康的な姿勢とはこの脱力があってこそ作ることができます。
脱力し身体の感覚を高め、意識的に自分の身体を調整する。
姿勢の調整は、微調整というくらい小さな力で行うものなので、その小さな力を感じるための脱力、ということです。
姿勢の直し方による悪影響
姿勢を正そうとする時に
・上から引っ張られているようなイメージ
・天井から吊るされているようなイメージ
を使って姿勢を整えようとしたことがある人は少なくないと思います。
例えば、ピラティスには
・エロンゲーション
という概念、身体の使い方がありますが、それに近いものがあるのかなと思っています。
このエロンゲーションについても、姿勢を直す際には(見た目の美しい姿勢ではなく身体への負担が少ない姿勢を目指す際には)、問題が起きる可能性がありますが、一旦それは置いておいて
・上から引っ張られているイメージで姿勢を整える
というやり方の悪影響について考えていきます。
実はこの『上から引っ張られている』という表現に問題があると思っていまして、それは
・身体を力ませて上に伸ばす
という余分な力みを生むからです。
これが『引っ張られている』のではなく、『上から吊るされている』という表現になると
・力まなくても身体が自然に伸びる
ことになり、余分な力みが生まれにくくなります。
能動的に身体を上下に伸ばすのか、受動的に上下に伸ばすのか、の違いです。
身体への負担が少ない姿勢というものは、余分な力みがない姿勢です。
余分に力むことなく、ある程度真っすぐになっている状態です。
それを考えると、
・上から引っ張られているイメージで姿勢を整える
という表現を基に姿勢を正そうとすると却って身体の状態が悪化する可能性がありますので、注意してください。
健康のリテラシーレベル【鍼灸師】
リテラシーという言葉を健康面について当てはめてると
・健康リテラシー
と表現できるのですが、その健康リテラシーの中でも
・自分の身体について考え(知り)、健康情報の中から適切な情報を見極める
という点について考えてみます。
実際のところ、患者さんご自身の健康リテラシーのレベルはどれくらいのものなのかを想像していただきたいのですが、意外と多くの患者さんが
・自分の身体のことはだいたい分かっている
と考えるのではないでしょうか。
ですが残念ながら、その考えは見積もりが甘い、と言えるものだと思います。
では、患者さんの多くがどれくらいの健康リテラシーのレベルなのかを考えてみますが、まず医師の方の健康リテラシーがどれくらいなのか、です。
私のイメージでは
・大学生レベル
くらいではないか、と思っています。
医師でも大学生レベルなのか?と意外に思うかもしれませんが、これは
・人体にはまだまだ分かっていないことが多すぎる
という現状があるからです。
人体に詳しい医師の方であっても、分かっていないことが多いということを込みで考えると
・大学生レベル
くらいなのではないか、と思えてしまいます。
では、医師の大学生レベルを上限として、私たちのようなセラピストである
・鍼灸師
・柔道整復師
・整体師
の健康リテラシーのレベルを考えると、私は
・高校生(一年生)レベル
くらいなのではないか、と思っています。
中学生レベル、と評価してもよいかもしれません。
私たちもそれなりに勉強し、数多くの患者さんの身体に触れていますので、医師の方と比較した時に、それくらいのリテラシーのレベルはあると思っています。
では、患者さんの健康リテラシーのレベルはどらくらいなのか、ですが、私は
・小学生低学年レベル
くらいなのではないか、と思っています。
この表現を見て不快に感じるかもしれませんが、これは正直仕方のないことだと思っています。
というのも、患者さんは医師や私たちと違って
・身体についての勉強をしていない
からです。
※能力が低い、と言いたいわけではなく、単純に時間や労力、お金を費やしていないという意味です。
『ネットや雑誌で身体について調べて勉強している』と思われるかもしれませんが、それだけでは全然足りません。
少なくとも私たちのようなセラピストですら
・何千時間~何万時間の勉強
をしています。
それくらい勉強して『高校生レベル』ですし、それ以上に勉強しても『大学生レベル』です。
人体についての勉強は、それくらい大量の時間を必要とします。
加えて、実際に人の身体に触れたり、治療を施したり、カウンセリング(問診)をする経験、時間も患者さんは全くありません。
そういった状況を考えると、患者さんの健康リテラシーのレベルが
・小学生低学年レベル
であったとしてもおかしくないと思います。
大事なことなので強調させていただきますが、決して患者さんを見下しているわけではありません。
ただ、現実的に考えるとそういう評価になってしまうということです。
また、多くの患者さんが
・自分の身体のことはだいたい分かっている
と考えているのであれば、仮に『だいたい分かっている』のだとしたら医師やセラピストは、もっと職を失っているのでは?と思ってしまいます。
『分かっている』のであれば、自身でどうにかできるケースはたくさんあるはずです。
健康に悩むこともないかもしれません。
ですが、実際にはそんなことはなく、体調不良が慢性化して、病院や鍼灸院に通うことになっています。
ですので、健康を考える際には
・自分の身体のことはだいたい分かっている
という思考に囚われずに、自身の健康リテラシーのレベルがどれくらいなのかを見つめ直していただければ、と思っています。
また、『自分の身体のことはだいたい分かっている』という思考からの派生で
・こうすれば自分の身体は良くなる
という決めつけの思考も生まれてしまう可能性も高くなります。
鍼灸院での治療に
・症状が改善する可能性
・症状が改善するという希望
を抱いていただくことには全く問題ないのですが、
・こうすれば自分の身体は良くなる
という思い込みがあることは確実に治療の妨げになってしまいます。
加えて、そういった思込みに対してはこちらも否定しなといけない場面も出てきます。
こちらとしては、わざわざ患者さんの考えを否定したいとは全く思いませんが、間違った思い込みがあれば否定せざるを得ません。
お互いにメリットのない状況になってしまいますので、やはり患者さんには
『自分の身体のことはよく分からない』
『だからこそ症状が良くならない』
という捉え方をしていただきたいと思っています。
鍼灸院でも接遇は大事なのか?
鍼灸院のサービスはカテゴリーとしては
・医療
に位置しますが、この頃では
・医療もサービス業
と見なされる傾向がより強くなり、サービス業とされることから
・鍼灸院でも接遇が大切である
と言われたり、患者さんから思われるようになってきています。
確かに
・患者さんの気分を害さないようにする
・患者さんに気分良く通院してもらう
とことは重要なことなのですが、そういった接遇を重視しすぎることで
・医療の質が下がる
という一面があることも、ご理解いただければと思います。
少し極端に考えていきますが、例えば、
・身長160センチ、体重100キロの女性
・動くと常に膝が痛い
という患者さんが来院されたとします。
私は医者ではないので、診断することはできないのですが、おそらく
・レントゲンを撮ると膝の変形が強く観られた
というような所見があり、
・膝の痛みは体重の影響が大きい
と見なされると思います。
そうなった時に、その患者さんにとって最も適切な改善、治療方法は
・体重を減らすこと、ダイエットをすること
になると思います。
そして、それをそのまま患者さんにお伝えするのが改善のためにはベストなのですが、そういう風に自分の現状を伝えられて気分が良い人は少ないと思います。
医師がその患者さんに伝えている内容は言い方は違えど
『あなたはすごく太っています』
『太っているから膝が痛いんです』
『あなたの生活習慣が悪いんです』
『生活習慣を悪いままにしていた、あなたが悪いんです』
『肥満を解消しないと改善しません』
ということになり、基本的に
・患者さんを否定する内容
になっています。
当たり前のことではありますが、自身を否定されることで気分が害されてもおかしくないですし、気持ち良く通院できなくても、おかしくはないです。
仮に否定された内容が100%正しかったとしても、です。
患者さんの改善のためにベストなアドバイスをしたはずなのに、接遇の視点からだと間違っていることになります。
そして、接遇を重視して患者さんに接するのであれば、ベストな助言はせずに
・ベストではない妥協案を伝える(患者さんの気分を害さないように気をつけたもの)
・直接的ではない、非常に遠回しなぼやけた(伝わりづらい)表現で伝える
というような対応になってくると思います。
それでは、患者さんの気分は害さないかもしれませんが、患者さんの健康は良い方向に進みません。
もしくは、良い方向に進むのに膨大な時間を要することになります。
接遇自体は素晴らしい考え方だと思っていますが、それを鍼灸院側や患者さん側、またはその両方が重視しすぎることで健康が遠のく可能性もありますので、その辺りもご理解していただいた上で、特に患者さんには接遇について考えてほしいと思っています。
鍼灸院の選び方
鍼灸院や整体院、病院を選ぶ際には多くの人が
・口コミ(Google、ホットペッパー、エキテンなど)
を見て、どこを予約するか決めていると思います。
その際の見るポイントとしては
・口コミの平均点
・口コミの数
・口コミの内容
が挙げられると思いますが、そこを基準に選んでも良い鍼灸院に出会えないことも少なくないと思います。
そういう風に思ってしまうのは
『口コミの点数の割にはイマイチだった…』
『口コミの数が多く流行っているから大丈夫だと思った…』
『口コミの内容が絶賛しているから大丈夫だと思ったけど…』
というように感じるからではないでしょうか。
鍼灸院の口コミは重要な情報源ですが…
口コミは確かに参考になりますし、口コミの通りの鍼灸院であることも、あるとは思います。
どこに通えば良いか、迷って答えが出ない時は、それで問題ないと思います。
ですが、分かっておかなければならないのは
・口コミに表れる数字や内容が全てではない
ということです(鍼灸院や整体院界隈に限る、とします)。
それを理解するためには、口コミがどんな状況で書かれているかを考えなくてはいけません。
まず口コミは
・明らかに低評価でなければ書かれない
ということがあります。
つまり、
・期待外れだったと思っても、よほど対応が悪くなければ、わざわざ書かない
・『微妙だな』と感じても、わざわざ書かない
ということです。
口コミを書いてお店の評価をわざわざ下げにいく人は少ないんですね。
ですので、明らかな高評価の口コミのほうが目立ちやすく、数も集まりやすいということです。
鍼灸院は飲食店と比べて、マイナーな業界であり、そのサービスを利用する方も比較的少数です。
おそらく、これを読んでいる方の周りには、鍼灸院に行ったことがある人はほとんどいないと思います。
興味のある人もほとんどいないかもしれません。
そういう業界のこと、サービスのことですので、見る人があまりいないであろう鍼灸院の口コミを書こうとする気持にもあまりならないのかもしれません。
それに付随して、先ほど口コミは
・明らかに低評価でなければ書かれない
としましたが、実は
・明らかに低評価でも口コミが書かれない
ことも少なくありません。
それはおそらく
・もう関わりたくない
という完全なる拒絶の意図から、なのではないかと思っています。
最高の低評価を受けていたとしても口コミに上がってこない以上、それを知る術はこちらにはないので、推測にはなりますが、全くあり得ることだと思っています。
そうなると益々、口コミを真に受けてはいけないことになりますね。
口コミに書かれていることには確かなこともありますが、そこには上がってこない患者さんの意見も確かにあると思いますので、それを理解した上で口コミを参考にされると良いかと思います。
鍼灸に期待してはいけないこと
鍼灸治療はカテゴリーとしては
・医療
に分類されますが、医療の中でも特に
・よく分からないもの
になってしまっています。
鍼灸は東洋医学を基にした施術になるのですが、東洋医学の整体観は
・気が整えば良くなる、気が乱れれば悪くなる
というものであり、『気』というその存在がよく分からないものを基準としています。
※セラピストなりの『気』というものの捉え方はあります。
基準がよく分からないものである以上、鍼灸治療は一般の人からすると特に、よく分からないものに感じると思います。
そもそも、よく分からないことが前提にありますので、鍼灸治療を受ける際には、確かなものを求めて施術を受けに行かないほうが良い、と思っています。
※特に、治療法のエビデンスは期待しないほうが良いと思います。
無責任に感じるかもしれませんが、これは『気』というものを扱う以上、仕方のないことだと思っています。
ただ、よく分からないものだということはこちらも重々承知していますので、それを分かった上で施術をすすめていきます。
最終的に患者さんが求めるものは、その存在が確かな治療よりも
・効果のある治療
・改善したという結果
だと思っていますので、よく分からないものを長々と説明して時間を使ってしまうよりは、少しでも良くなるように力を尽くすほうが誠意のある対応になると考えています。
【食】の知識を高める
PFCバランスを気にして食を楽しむ
多くの人にとって【ダイエット】は永遠のテーマ、悩みと言えますが、どうしても身体に合わないダイエットになってしまい、
・結果が出ない
・続かない
・辛い
だけの経験になってしまうことがよくあります。
私自身もそういった経験をしております。
そこで考え方を変えて、
・身体に合った食生活をしていれば自然と適切な体重になる
という方針で食生活の改善に取り組んで
・ある程度は食を管理しながら、食を楽しむ
という方向にもっていこうということにしています。
そのために重要なポイントは
・PFCバランス
です。
PFCバランスとは?
健康的に体重管理をする上で大切な知識が
・PFCバランス
なのですが、何の略かと言いますと
・P=Protein(プロテイン)=タンパク質
・F=Fat(ファット)=脂質
・C=Carbohydrate(カーボハイドレート)=炭水化物
となっております。
そして、それぞれの摂取カロリー(1日)の割合、バランスが『PFCバランス』なのですが、その摂取割合(摂取カロリー)の適度なバランスは
・P:15~20%
・F:20~30%
・C:50~60%
となっています。
このバランスを見ると意外に思う人が多いであろうポイントは
・意外と炭水化物をしっかり摂っても大丈夫
ということです。
1日の摂取カロリーの中で、半分以上は炭水化物を摂っても問題ないということです。
健康的な体重管理をする上で大切なポイントです。
タンパク質は意外と少なめ
健康管理のポイントとして
『タンパク質をたくさん摂りましょう』
ということをよく耳にしますが、PFCバランスを見るとタンパク質は一番摂取しなくてもよい項目になっています。
その上でタンパク質をたくさん摂りましょう、というのはどういうことかというと、これも非常に大切なポイントですが、
・炭水化物、脂質と比べるとタンパク質は摂取しにくい
からなんですね。
もしくは
・タンパク質だけがPFCバランスの中でバランスよく摂取できない
からです。
食事の主食は、米やパン、麺類であることから
・炭水化物
は簡単に、十分に摂取できることはイメージできますし
・脂質
に関しても調理の際に油を使うことや、肉や魚などの主菜に使われる食材に多く含まれることから特に気にしなくても十分量を摂取できることが分かります。
ですが、タンパク質ではそうはいかないんですね。
というのも、タンパク質をしっかり摂ろうとするとその食材に付随した
・炭水化物と脂質の摂取量も増える
ことになるからです。
タンパク質をたくさん摂取できたは良いけれど、炭水化物と脂質の摂取量も増えてPFCバランスが崩れてしまった、ということになるんですね。
だから、タンパク質の摂取に関してはちゃんと考えないといけなくなるわけです。
タンパク質が最も重要、というよりは栄養バランスを考えると割合的に不足しがちだから意識して摂りましょう、ということです。
タンパク質は糖質になるけど…
タンパク質を意識して摂ったほうが良い理由はまだありまして、例えば
・タンパク質は炭水化物の代わりができるが、その逆はできない
ということがあります。
タンパク質、脂質、炭水化物が身体のエネルギー源になりますが、その中で
・炭水化物(糖質)⇔ 脂質
・タンパク質 ⇒ 脂質
・タンパク質 ⇒ 炭水化物(糖質)
といったような体内での変換が可能です。
上記の変換から分かることは
・脂質や炭水化物をタンパク質に変換することはできない
ということです。
タンパク質は、他の栄養素で補いにくいんですね。
他の栄養素では補いにくいからこそ、タンパク質はやはり意識して摂らないといけないということになります。
PFCバランスを整えるならタンパク質から
タンパク質が大切と言われるのは
・身体の骨子となる物質
だから、というのもありますが、やはり
・タンパク質の摂取量は意識しないと増やしにくい
というところが大きいと思います。
普段の食事を特に深く考えず摂っていくと自然と
・炭水化物と脂質の割合が大きすぎる
ようになってしまいます。
これは現代社会の生活様式から考えると仕方のないことです。
何も考えないとタンパク質が自然と足りない状況になってしまうため、
『タンパク質をしっかり摂りましょう』
と主張されているわけです。
決して、
・タンパク質さえしっかり摂っておけば大丈夫というわけではない
ので、注意しましょう。
訪問マッサージ・鍼灸もやっています
詳しくはこちらから ←
▼LINE公式アカウントはこちら▼