◆◇ 身体を触られると… ◇◆
青葦治療院の加藤です。
医療では、『手当て』をするという言葉が使われますが、
これは文字通り手を当てることから始まった言葉です。
手を当てることによって病気やケガが治る、とはもはや言えませんが、
治らなくても一定の効果は見込めます。
痛みを和らげたり、病気やケガの不安を落ち着けたりと、
意味がないと一蹴していいものでもありません。
そして整体などにおいては『手当て』、つまり身体に触れることには、
大きな力があります。
自分が見落としていた、意識化にあがってこない感覚や意識を
呼び覚ましてくれる効果があります。
◆◇ 触れた場所は力が入りやすくなる ◇◆
その人自身の感受性にもよってきますが、
触れた場所に変化があるということは簡単に実験できます。
例えば肘を曲げて重たいものを持ち上げる時、
いつも通り肘を曲げて持ち上げる場合と
力こぶができるあたり(上腕二頭筋)を触ってから持ち上げる場合を
比べてみてください。
おそらく力こぶを触った場合のほうが力が入りやすく
持ち上げやすいと思います。
これは身体へのタッチが神経的に筋収縮を置きやすくしたわけではなく、
触れられたことでその部分の感覚や意識が高まったことで
力が入りやすくなったからです。
※表現が分かりにくいかもしれませんが、身体の構造にアプローチしたのではなく、
意識や感覚にアプローチしたということです。
◆◇ 触れられることで身体の輪郭がつかめる ◇◆
触れられることの分かりやすい知覚の変化はまだあります。
それは身体の輪郭がつかめるということ。
身体の形状、とも言えます。
例えば猫背を気にして、背中(胸椎)のカーブ具合を知ろうとする時、
ただ背中に意識を向けてどれくらい背中がカーブしているかを感じようとした場合と
背中を手で縦に触ったりこすってもらったりした場合、
背中を触ってもらったりこすってもらった方が背中のカーブを感じやすくなります。
それだけ普段、背中がどれだけカーブしているかを認識できていないということですが、
触れられることによって認識が高まるということは姿勢を直す際に使える手法になります。
そこでさらに触れらることの効果を高めるなら、
触れられた場所を自発的に感じようとすることも必要です。